• ヨーロッパ第2位のインバウンド消費額
    • ハイシーズンは4月、7月、10月
    • 観光目的では長期滞在する訪日フランス人が多数

インバウンドにおけるフランス市場の特徴とは

2018年の訪日フランス人は30万人を超え、2014年と比較すると約1.7倍に増加しています。2018年、訪日フランス人は一人あたり215,786円を訪日旅行時に使いました。2018年に訪日したフランス人を年齢・性別ごとに見てみると、男女共に20代が大きな割合を占めています。また、訪日フランス人のインバウンド市場で特筆すべき点は「ヨーロッパ第2位のインバウンド消費額」「ハイシーズンは4月、7月、10月」「観光目的では長期滞在が多数」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日フランス人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. ヨーロッパ第2位のインバウンド消費額

2018年の訪日フランス人は、全体で約658億円を消費しました。これはヨーロッパではイギリスに次ぐ第2位の消費額で、多くのフランス人が日本で消費をしているということだけではなく、安定した高水準の平均月収があるため訪日旅行に余裕を持って支出ができることも示しています。フランス人は特に宿泊費に多く支出をしており、全体の約47%を占めています。インバウンド市場としても大きなものとなっているため、訪日フランス人に向けたインバウンド対策は今後重要なものとなっていくでしょう。

2. ハイシーズンは4月、7月、10月

訪日フランス人数を月別に見てみると、2018年は4月に最も多くのフランス人が訪日しています。2018年4月の訪日フランス人は44,047人で、次に人気のあった7月の33,255人、その次に人気のあった10月の34,320人と合わせると2018年度訪日フランス人全体の約37%が4月、7月、10月に集中していることが分かります。3か月ごとにハイシーズンを迎える珍しい形となっていますが、毎年この3か月に訪日フランス人数は大きく増加するため、ピンポイントでインバウンド対策を行うことで効果的な集客が見込めそうです。

3. 観光目的では長期滞在する訪日フランス人が多数

観光目的で訪日するフランス人の約95%は、7〜90日間日本に滞在しています。フランスと日本は時差にして7時間離れているため、たまの訪日旅行を満喫するために滞在期間を長く取るフランス人が多数存在するようです。一方、業務目的で訪日するフランス人の場合は4〜6日間の滞在が約50%を占めており、観光目的での訪日と対象的になっています。長期滞在する訪日フランス人向けに様々なサービスやアクティビティを提供できる市場が存在しているとも言えるため、インバウンド対策の際には意識してみると良いかもしれません。

フランス人の特徴

フランス人の性格・国民性

フランス人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。

  • 議論好き
  • フランス人と議論をする際に、初めから賛成されることは稀です。フランス人の特徴として「何にでも反対したい」「文句をつけたい」といったことが挙げられます。日本人のように「和をもって貴し」といった考え方では、同調してばかりと受け取られ、逆に不誠実な印象を与えてしまうかもしれません。
  • 寛容である
  • ヨーロッパ最大の多民族国家であるフランスでは、異文化間での差別や偏見が存在し、移民の失業率が高いことからたびたび暴動に発展します。しかし、フランス人の良いところはフランス文化と世界一美しい言葉であると自負するフランス語を使う人であれば、「フランス人」として受け入れることができるキャパシティーを持ち合わせている点です。ユダヤ人の母をもつハンガリー移民2世であったサルコジ前大統領の就任が良い例です。異文化を受け入れる寛容さをフランス人は持ち合わせています。
  • 愛国心が強い
  • フランス人は、基本的に英語で話されることに対して良い感情を持ちません。伝統と格式を重んじるフランス人と接する際には、簡単なあいさつや礼儀作法など、最低限フランスに関する知識を持ち合わせておくとよいでしょう。

<参照>

  • 草思社出版:片野優須貝典子著「こんなに違うヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断」

フランス人と接するうえで気を付けておきたいマナー

フランス人と接する際には以下のことに気を付けましょう。

  • フランス人にとっては挨拶は会話の始まりであるため、挨拶をきちんとする
  • 初対面の人には家族や仕事の話など個人的なことを聞かない
  • 食事の際は、音をたてないようにする
  • 基本的にレディファーストが尊重されるので食事の際は、男性が率先して動く
  • 正しい姿勢を食事をするように心がける

<参照>

  • 明石書店出版:三浦信孝・西山教行「現代フランス社会を知るための62章」

フランス人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、フランスは2018年時点で「親日度ランキング」ランク外となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1)
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、フランスには2015年時点で222校の日本語教育機関と723人の日本語講師が存在し、20,875人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2018」
  • (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

フランス人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

フランスはAndroidがiOSより人気で、約67%のシェアを持っています。フランスの平均月収は2,084.29米ドルと高水準なものの、多くの人はAndroidスマートフォンを選んでいるようです。人気のSNSアプリはiOS・Android共にWhatsAppとFacebook Messengerがランクインしています。これらは共にアメリカ企業のSNSアプリです。また、ロシアのTelegramもAndroidの第3位に入っており、広く使われているようです。

フランスのイベント・祝日カレンダー(2019年・2020年)

2019年2020年
新年1月1日(火)1月1日(水)
イースター・マンデー4月22日(月)4月13日(月)
勤労感謝の日5月1日(水)5月1日(金)
戦勝記念日5月8日(水)5月8日(金)
キリスト昇天祭5月30日(木)5月21日(木)
革命記念日7月14日(日)7月14日(火)
聖母昇天祭8月15日(木)8月15日(土)
諸聖人の日11月1日(月)11月1日(日)
休戦記念日11月11日(月)11月11日(水)
クリスマス12月25日(水)12月25日(金)

フランスの歴史

第一次世界大戦においてフランスは、協商側につき開戦当初はドイツに攻め込まれたものの、結果的に戦勝国側として大戦を終えます。戦後のパリ講和会議においてクレマンソーは対独強硬姿勢を強調。それが反映される形でヴェルサイユ条約が成立し、ドイツは多額の賠償金とともに苛酷な要求を呑むかたちになりました。
戦後のフランスは、国際連盟の常任理事国として国際平和の実現の役割を担うことになります。しかし、大国の不参加により、国際連盟は思うように機能せず、1929年の世界恐慌によって完全に崩れ去ってしまいます。
世界恐慌とフランスが強調した対独強硬姿勢は、隣国ドイツを苦しめることになり、結果的にドイツではナチ党が台頭。第二次世界大戦が勃発してしまいます。ドイツがフランスに侵攻するとパリは陥落してしまいます。しかし、各国での反ファシズム運動や連合国側の反撃によって、1944年8月25日にパリは解放されます。
結果的に、第二次世界大戦においても戦勝国となったフランスですが、国内では政情不安となります。その後、ドゴールが第五共和制憲法を成立させ、その後10年にわたって権力を握りました。アメリカに追随しないフランス独自の外交政策をとり、フランスに経済復興と政治的安定をもたらします。
現在、フランスは第五共和制という形をとっており、国際連合の安全保障理事会の常任理事国として国際政治において大きな影響力を保持しています。近年では、増大する移民対策に頭を悩ませており、EUの一員であることに対しても懐疑的な声も聞かれる中、右派も台頭してきています。

<参照>

  • 明石書店出版:三浦信孝・西山教行「現代フランス社会を知るための62章」

フランス宗教観

1789年のフランス人権宣言により、フランスでは信仰の自由が保障されており、現代にいてもフランス人の宗教観には多様性があります。
フランス人が信仰している宗教の中で最も大きい割合を占めるのはキリスト教徒であり、全体の51.1%を占めています。続いて多いのが無宗教。全体の39.6%を占めています。近年の若者の宗教離れにより、無宗教者の割合は増加傾向にあります。移民の増加により、イスラム教徒も増加傾向にあります。フランス人のうち、5.6%はイスラム教徒です

<参照>

  • Institut Montaigne:A French Islam is possible
  • 明石書店出版:三浦信孝・西山教行「現代フランス社会を知るための62章」