• リピーター率の少なさ、今後の呼び込みが重要
    • ハイシーズンは4月と8月、春と夏が人気
    • 観光目的では長期滞在する訪日イタリア人が多数

インバウンドにおけるイタリア市場の特徴とは

2018年の訪日イタリア人は15万人を超え、2014年と比較すると約1.9倍に増加しています。2018年、訪日イタリア人は一人あたり223,555円を訪日旅行時に使いました。2018年に訪日したイタリア人を年齢・性別ごとに見てみると、男女共に30代が大きな割合を占めています。また、訪日イタリア人のインバウンド市場で特筆すべき点は「リピーター率の少なさ」「ハイシーズンは4月と8月」「観光目的では長期滞在が多数」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日イタリア人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. リピーター率の少なさ、今後の呼び込みが重要

ここ数年、訪日イタリア人は年々増加していますが、2018年の調査では約66%の訪日イタリア人が初来日でした。ヨーロッパ諸国の中では低いリピーター率で、特にリピーター率の高いイギリスやと比較するとその差は明確です。イタリア国内でのプロモーションを伸ばしたり、旅行会社などと提携することで更に多くのイタリア人を呼び込める機会が眠っていると言えるでしょう。

2. ハイシーズンは4月と8月、春と夏が人気

訪日イタリア人数を月別に見てみると、2018年は8月に最も多くのイタリア人が訪日しています。2018年8月の訪日イタリア人は22,055人で、次に人気のあった4月の17,762人と合わせると2018年度訪日イタリア人全体の約27%が4月と8月に集中していることが分かります。春と夏に1回ずつハイシーズンを迎える形となっていますが、毎年4月と8月に訪日イタリア人数は大きく増加するため、ピンポイントでインバウンド対策を行うことで効果的な集客が見込めそうです。

3. 観光目的では長期滞在する訪日イタリア人が多数

観光目的で訪日するイタリア人の約96%は、7〜90日間日本に滞在しています。イタリアと日本は時差にして7時間離れているため、たまの訪日旅行を満喫するために滞在期間を長く取るイタリア人が多数存在するようです。一方、業務目的で訪日するイタリア人の場合は4〜6日間の滞在が約48%を占めており、3日以内の滞在も約11%と、観光目的での訪日と対象的になっています。長期滞在する訪日イタリア人向けに様々なサービスやアクティビティを提供できる市場が存在しているとも言えるため、インバウンド対策の際には意識してみると良いかもしれません。

イタリア人の特徴

イタリア人の性格・国民性

イタリア人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。

  • 陽気で明るくマイペース
  • 「容器で明るいイタリア人」といった一種のステレオタイプは、多くのイタリア人の性格に当てはまるものです。将来のことを深く考えすぎたりせず、日々の暮らしを思い切り楽しみ、自分なりの人生を謳歌するマイペースさタフさをイタリア人は兼ね備えています。
  • 職人気質
  • 仕事や趣味、恋愛など自分が愛したものに対する精神の打ち込みようは桁外れです。その証拠として、イタリアには歴史的に有名な数々の画家・彫刻家・詩人が生まれています。現代でも、世界的に有名なブランドの多くはイタリアがルーツとなっているものが数多くあります。
  • 話好き
  • イタリア人は一般的に話好きといわれています。共通の話題や関心ごとがあれば会話は止むところを知らず、延々と話し続けます。

<参照>

  • 草思社出版:片野優須貝典子著「こんなに違うヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断」

イタリア人と接するうえで気を付けておきたいマナー

イタリア人と接する場合には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 失礼にあたるためソファーに足を乗せない
  • ドアを開けて先に女性を入れるなど、レディーファーストを心がける
  • 不快感を与えるため、鼻をすすらない
  • 食事の際は、食器に口を付けない

<参照>

  • 明石書店出版:村上義和「イタリアを知るための62章」

イタリア人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、イタリアは2018年時点で「親日度ランキング」10位となっており、高い親日度を持っていることが分かります。(*1)
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、イタリアには2015年時点で51校の日本語教育機関と193人の日本語講師が存在し、7,031人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2018」
  • (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

イタリア人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

イタリアはAndroidがiOSより人気で、約73%のシェアを持っています。イタリアの平均月収は1,553.01米ドルと中水準であり、多くの人はAndroidスマートフォンを選んでいるようです。人気のSNSアプリはiOS・Android共にWhatsAppとTelegramがランクインしています。WhatsAppはアメリカ企業のSNSアプリで、Telegramはロシア製のアプリです。また、FacebookやFacebook Messengerも広く使われているようです。

イタリアのイベント・祝日カレンダー(2019年・2020年)

2019年2020年
新年1月1日(火)1月1日(水)
公現祭1月6日(日)1月6日(月)
イースター(復活祭)4月21日(日)4月12日(日)
イースター・マンデー4月22日(月)4月13日(月)
解放記念日4月25日(木)4月25日(土)
勤労感謝の日5月1日(水)5月1日(金)
共和国記念日6月2日(日)6月2日(火)
聖母昇天祭8月15日(木)8月15日(土)
諸聖人の日11月1日(月)11月1日(日)
聖母受胎祭12月8日(日)12月8日(火)
クリスマス12月25日(水)12月25日(金)
聖ステファノの日12月26日(木)12月26日(土)

イタリアの歴史

14世紀から16世紀まで分裂状態にあったイタリアでは、同時期にルネサンスが展開され、現在まで残る多くの優れた建築物や絵画・彫刻などが生まれました。その後、神聖ローマ帝国(現在のドイツ)とフランスがイタリアを舞台にして行ったイタリア戦争によって、ルネサンスは終焉を迎えますが、それと同時にイタリアに国民意識を芽生えさせました。その後、イタリアはスペインの領土の一部となり、スペインが主導した大航海時代により経済の中心はヨーロッパから大西洋側に移行。地中海貿易によって支えられていたイタリアの経済基盤は大きなダメージを受けます。
スペインによる支配は結局17世紀まで続きますが、スペイン継承戦争の講和条約であるユトレヒト条約を契機としてサルディーニャ王国が誕生。同国を中心としてイタリア統一が進められました。
ナポレオン時代には一時的にフランスに支配されますが、ナポレオンの敗北後、マッツィーニらが組織した青年イタリアがイタリア統一運動(リソルジメント)を始めます。結果、1861年にイタリア王国が誕生し、やっと現在のイタリアが形つくられます。19世紀末には、ヨーロッパ各国の帝国主義の流れに乗じ、イタリアでも植民地をいくつか獲得。第一次世界大戦では一応戦勝国側につきますが、戦後の講和条約であるヴェルサイユ条約を根幹としたヴェルサイユ体制では、領土拡張が認められなかったことからイタリア国内で不満が高まります。結果、ムッソリーニの率いるファシスト党が1922年に政権を獲得し、第二次世界大戦に突入していきます。
日独伊三国防共協定を結び、第二次世界大戦を迎えますが、戦況は思わしくなく、1943年7月9日の連合軍のシチリア上陸をもって無条件降伏を決めます。戦後1946年には王政が廃止され、現在のイタリアが形作られました。

<参照>

  • 明石書店出版:浜本隆志・高橋憲「ドイツを知るための62章」

イタリア宗教観

キリスト教国家であるイタリアにおいても近年、宗教が多様化しつつあります。1984年のラテラーノ条約の改定により、カトリック教は、国教としての地位を失いましたが、未だにイタリア人の9割以上が洗礼を受けたカトリック教徒であるといわれています。
一方、近年では移民の増加により、カトリック以外の宗教を信仰する人がイタリア国内で増えているのみ事実です。移民の中でもっとも信徒数が多いのはイスラム教であり、136万人にのぼります。また、イタリアへの移民の中でもっとも数が多いルーマニア人の間では正教徒が多く、129万人の正教徒がイタリアに移住しています。また、仏教徒も年々増えてきており、現在では20万人以上の仏教徒がイタリアにいるとされています。
しかし、先述の通り、イタリアにおいて大部分を占めるのはキリスト教徒であるという点には留意しておくべきでしょう。

<参照>

  • 明石書店出版:村上義和「イタリアを知るための62章」
  • CENSUR:2012年統計