地域の独自性を売りに、メジャーな観光地では味わえない体験を打ち出す「着地型観光」が、近年注目されています。
着地型観光とは、旅行者の訪れる観光地(着地)が観光商品を設計し、情報発信を行うタイプの観光で、旅行者が暮らす地域の観光業者が設計する発地型観光とは異なります。
主に個人客を対象としており、特定地域の魅力をプロモーションしやすく、旅行先で選べるオプショナルツアーも用意されています。
ターゲットとなる客層は、日本人に限らず、旅行慣れした訪日外国人観光客も含まれます。
近年では、有名な観光地ではなく、個人のニーズに合った観光地を求める人々が増えたため、定番の人気観光地であっても飽きられてしまう可能性が浮上してきました。
各地域の特徴を活かすことで差別化することができる着地型観光はこのような問題に対して強く、また、地域振興にも役立つと考えられています。
旅行者が訪れる観光地が自ら観光商品を設計し、情報発信を行う着地型観光の登場の背景には技術的な進歩だけでなく、消費者の成熟があります。
たしかな目を持つ消費者の支持を得るには、地域の特色を活かしつつ旅行者のニーズに合った観光商品が提供できるよう、地域一体となって取り組んでいく必要があります。