訪日中国人観光客集客へ電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の活用を:各地で進む導入の動き

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日外国人観光客の増加から、日本国内の企業、自治体はインバウンド対策を進めています。

日本政策投資銀行より引用

日本政策投資銀行より引用

訪日中国人観光客は、訪日外国人観光客の出身国として最も割合が高いため、インバウンド対策を進めるにあたり大きなターゲットになります。

観光庁のデータによると、2013年は約130万人、2014年は約240万人、2015年は約500万人と、訪日中国人観光客数は年々伸びています。また、それに伴い訪日中国人観光客のインバウンド消費も、増加していることが確認できます。

こうした動きを受け、訪日中国人観光客を誘致するために、中国で広く普及している電子決済サービス支付宝アリペイ)」を活用する動きが出てきています。

 

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

杏林堂薬局がオリックスと共同で中国電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を導入:静岡県内の企業では初となる試み

YOMIURI ONLINEより引用

YOMIURI ONLINEより引用

2016年9月23日のYOMIURI ONLINEによると、ドラッグストアチェーン「株式会社杏林堂薬局」(以下、杏林堂薬局)は、総合リース企業「オリックス株式会社」(以下、オリックス)と共同で、中国電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の導入を開始します。

杏林堂薬局は、静岡県西部・中部地区に展開するドラッグストア。食品・日用雑貨品も取り扱っています。

中国最大級の電子決済サービスを通じて、訪日中国人観光客に人気の商品である医薬品、日用雑貨品に関するインバウンド消費を促します。

支付宝アリペイ)」の導入は、静岡県内で初。掛川花鳥園前店、富士松岡店、清水三保店、島田稲荷店、浜岡店の5店舗で導入が開始される予定です。

このように、訪日中国人観光客誘致へ導入が進んでいる「支付宝アリペイ)」。一体どのようなサービスなのでしょうか?

 

「支付宝」は8億人が利用する中国最大級のオンライン決済サービス:商品購入時のQRコード利用+デビットカード型機能が特徴

PYMNETSより引用

PYMNETSより引用

支付宝アリペイ)とは、「アリババグループ」が提供する中国最大級のオンライン決済サービスです。

もともと、クレジットカードが浸透していなかった中国では、「銀聯」のデビットカードが一般的に使われていました。そのような状況の中、近年急速に普及し始めているのが「支付宝アリペイ)」です。

支付宝アリペイ)」では登録した銀行口座から支払いを行います。世界的に有名なオンライン決済サービスPaypal(ペイパル)と非常に似たシステムで、利用登録者は約8億人にもなります。

店舗で商品を購入する場合は、スマートフォンに専用アプリをインストール、銀行口座情報を登録して、支払い時にQRコードを読み込んで決済します。

また、ネット決済時にも、登録された銀行口座からそのまま料金が支払われるシステムになっており、デビットカードに似た側面も持っています。

中国で普及が急速に進んでいる、オンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」の導入による訪日中国人観光客誘致への動きは、ほかの企業でも見ることができます。
<関連記事>

取引額153兆円の中国電子決済サービスとは:Alipay、WeChat Payの2大巨頭

中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipayとWeChat Payのシェア(2019年)Alipay...

「支付宝(アリペイ)」導入例①:老舗百貨店「大丸松坂屋」

2016年9月18日の日本経済新聞によると、老舗百貨店「大丸松坂屋百貨店」では、訪日中国人観光客集客を目的に「支付宝(アリペイ)」を導入しています。

対象になるのは、訪日中国人観光客に人気の高い化粧品売り場です。利用状況を見ながら、対象店舗、対象エリアの拡大を図ります。

また、「大丸松坂屋百貨店」では、「支付宝(アリペイ)」の他にも「WeChat Payment」や「QQ Wallet」の導入など、訪日中国人観光客向けに決済手段を拡充しています。
<関連記事>

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WeChat(微信)

訪日中国人観光客の増加に伴い、インターネットを活用したインバウンドマーケティングへの関心が高まっています。しかし、中国のネット事情は日本とは大きく異なります。


訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(2):テンセントQQ

訪日中国人観光客が必携としているコミュニケーションツールをWeChat(微信)のほかにひとつだけ挙げるとしたら、それはテンセントQQ( 騰訊QQ、Tencent QQ; 以下、QQと略)だといえるでしょう。

「支付宝(アリペイ)」導入例②:大手コンビニエンスストア「ローソン」

2016年1月21日、株式会社ローソンは、「支付宝(アリペイ)」の取り扱いを開始することをニュースリリース上で発表しています。

多くの訪日中国人観光客の来客が見込まれる、中国の大型連休「春節」に合わせ、空港やホテル周辺など、インバウンド需要の高い9店舗に「支付宝アリペイ)」を導入しました。

また、ローソンでは中国国内にも470店舗を展開しており、海外進出にも力を入れています。

「支付宝(アリペイ)」導入例③:「関西国際空港」

2016年9月24日の日本経済新聞によると、関西国際空港でも「支付宝(アリペイ)」の導入を実施するとのこと。

関西国際空港及び大阪国際空港を運営する関西エアポートは、増加する訪日中国人観光客を背景に、関西国際空港の免税店などに「支付宝アリペイ)」を導入したと発表しました。

最初の段階として、国際線出国エリア8店舗で、導入を開始。月内には83店舗に広げ、10月下旬までには他のエリアを含む約150店ほぼ全てで、使えるようにする予定です。

 

まとめ:訪日中国人観光客集客へ「支付宝(アリペイ)」導入の検討を

今回ご紹介した通り、訪日中国人観光客誘致へ決済手段の拡充は大きなポイントになります。

例として取り上げた「杏林堂薬局」「ローソン」「大丸松坂屋」「関西国際空港」のように、急速に普及が進んでいる「支付宝アリペイ)」を活用することで、訪日中国人観光客のインバウンド消費喚起につながります。

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!


RX Japan株式会社は、2024年5月8日〜10日に東京ビックサイトにて、「観光業/宿泊業」「ツーリズム」に関わるBtoB商談展「国際ツーリズムトレードショー」(iTT)を開催します。

この構成展である「観光DX・マーケティングEXPO」と「国際ウェルネスツーリズムEXPO」内では、セミナーが開催されます。

訪日ラボを運営する株式会社movも、「インバウンド×観光DX戦略」のテーマで登壇します!ご興味のある方はぜひご参加ください。

※訪日ラボは、「観光DX・マーケティングEXPO」「国際ウェルネスツーリズムEXPO」の公式メディアパートナーです。


詳しくはこちらをご覧ください。
「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!観光DX・マーケティングEXPO / 国際ウェルネスツーリズムEXPOセミナーのご紹介

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに