訪日台湾人観光客が利用する交通機関はほとんどがJRなどの電車や地下鉄。タクシーやバスはほとんど使わず、乗り換えの際には複雑な路線図に頭を悩ませながら利用しているのが現状です。今回は訪日台湾人観光客の悩みや、それを解決するアプリ、利用状況などをご紹介いたします。
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訪日台湾人観光客を悩ませる東京路線の乗り換え
東京都内の路線図は日本人ですら困難を覚えるほど複雑です。当然、訪日台湾人観光客にとっては自国のMRT(地下鉄)の利用には慣れています。それでも、多くの人が頭を抱えてしまいます。
例えば、最も人が集まる浅草へ新宿から行く際には3つの乗り換えルートがあり、どのルートが最適なのか、そもそもどのルートで行くとたどり着けるのかさえ、すぐに理解することは難しいでしょう。今後のインバウンドの大きな課題のひとつは、乗り換えの利便性やわかりやすさの向上だと言えるでしょう。
神田は東京観光の意外なハブ駅:乗り換えでの利用者が多数
訪日観光で一番人気のあるスポットである浅草を軸として観光をする場合、神田駅を利用する頻度が高く重要なハブ駅となっています。
後述する路線検索アプリ「ナビタイムジャパン」での経由駅ランキングのデータでは、渋谷や上野よりも神田駅のアクセスが多くなっています。こういったアクセスの多さを把握した上で、駅から重点的に利便性を図るのも有効なインバウンド対策だと言えるでしょう。
訪日台湾人観光客が電車利用で悩む主な理由とは
訪日台湾人観光客は電車(地下鉄)を利用する際にまず最初に悩むのが「ルート選択」です。複雑な路線図で、ルート選択が複数ある中から「目的地に行くためにどの電車を利用してどこで乗り換えをすればいいのか」というところでつまづきます。
次に、切符の購入も良く分からないという観光客が少なくありません。これは、旅行者向けSIMカードのように、訪日外国人観光客向けのICカード型パスを導入することで解決を図ると見られています。
そして、現在いくつかの企業が東京を中心とした乗り換え案内アプリをリリースしています。これにより旅行客の利便性を図ることに貢献していますが、どのようなアプリが使われているのか次にご紹介します。
訪日台湾人観光客が使用する乗り換えアプリ例
訪日台湾人観光客が複雑な路線図の東京都内の電車を利用する際に使う乗り換え案内アプリは次のようなものがあります。
- FUJISANACTIVITIES
- NAVITIME for Japan Travel
- TABIMORI
- 乗換案内Visit
訪日台湾人観光客が抱える電車利用時の不満とは?
訪日台湾人観光客は各国の訪日外国人観光客の中でもリピーター率が高い傾向にありますが、何度となく訪日した旅行客でも東京の交通の不便さには慣れないといいます。
この交通の分かりにくさへの解決策は公共インフラやガイドブック、アプリなどで対策が進んでいますが、実際の不満例を次に挙げてみましょう。
訪日台湾人観光客が交通機関利用時に感じる不満例
前掲の調査によれば、訪日台湾人観光客が不満に感じていることの具体的回答をピックアップすると、
-
「路線が複雑すぎて観光客はびびってしまうかも。」
-
「乗り換えの時に場所がわからず、改札を出そうになったこともあった」
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「出口の表記がなく、間違えて地下鉄の改札についてしまい、余計にお金を取られた。
-
「出口付近の観光地に行きたいが、観光スポットがあるかの表示が少ない。」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング:外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果のお知らせより引用
などの声が上がっています。訪日台湾人観光客が交通機関利用時に抱えている問題はまだまだ数多くありますが、乗り換え案内アプリや観光案内アプリの普及が進めばインバウンドのニーズを満たし、さらに集客が可能になっていくと予想されます。
まとめ:訪日台湾人観光客のリピーターを増やす鍵はアプリ
訪日台湾人観光客の中には、複雑すぎる東京の交通機関を目の当たりにして、二度と行きたくないと思ってしまう人もいると予想されます。
そのため、今よりもさらに案内アプリの普及が進むことで不必要に恐れを抱く観光客を減らすことにつながり、インバウンドの活性化が期待されています。まだ発展途上の観光案内アプリなだけに、ビジネスチャンスはまだまだ眠っていると考えられます。
<参照>
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年の年間値の推計
- JNTO:訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)
- 東洋経済オンライン:激増中の訪日客が東京観光で困っていること
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング:外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果のお知らせ
訪日台湾人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日台湾人観光客
インバウンド施策をしていく上ではターゲットとなる方々がどのような特性や国民性を持っているのかを知るのは非常に重要です。このページでは台湾人は国として国民性としてどのような特徴や特性を持っているのか、訪日台湾人は日本国内でどのような行動を取っているのかを実際のデータを元に紐解いていきたいと思います。
訪日台湾人観光客の特徴
親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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