近年、「爆買い」で大きく注目されることとなったインバウンドビジネス。国内の景気が芳しくないなか、流通・小売業にとっては貴重な販路となっています。しかし、インバウンドよりも早く巨大なマーケットに成長しつつあるのが「越境EC」です。
訪日香港人観光客にはリピーターが多く、日本についてよく知っています。そのため、香港の越境ECには多くのチャンスがあるのではないでしょうか。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
越境EC向きの消費傾向がある香港
27年の訪日香港人観光客の旅行消費総額は2,627億円で全体の7.6%を占めており、他国に比べて人口が少ない割に消費動向が高いことが分かっています。
これは、香港人の消費欲の高さや給与水準が高いことにも起因しており、アメリカの経営コンサルティングファームのATカーニー社の調べでも93.6%と消費動向が非常に高く評価されています。ちなみに、中国は59.4%の評価になります。
香港の越境EC事業に参入するメリットとは
前述のように非常に香港人の消費動向が高いことが最も注目される理由ですが、そのほかにもインターネットのインフラが世界最高水準で整備されており、越境EC事情にはまさにうってつけと言える土壌ができあがっています。
イオンが香港向け越境EC「新鮮直送」をオープン
国内最大手のショッピングモール・イオンが香港向けの越境EC「新鮮直送」を2015年8月13日にオープンさせました。同サイトでは、日本の厳選された旬の食材を販売しており、特産物や米、果物、海産物から高級感物まで幅広く取り扱っています。
台湾のYahoo奇摩が香港越境EC事業に参入
台湾の大手ECプラットフォームである「Yahoo奇摩」が、香港の越境EC事業に参入しました。香港の文化や消費動向が台湾と酷似しており、言語も繁体字で共通のため台湾にとっては非常に強力な市場となっています。
越境EC利用におけるメリットとデメリット
ご紹介したように各国の名だたる企業が香港の越境EC事業に参入していますが、メリットが多い反面デメリットも当然存在します。例えば、越境ECでの主な決済方法はクレジットカードですが、消費者に第三者のカードを不正使用された場合は、カード会社が代金支払いを拒絶するチャージバックが起こります。商品発送後に起こることもあるため、販売者側が損をするケースが出ています。
越境ECでの配送におけるトラブル事例
配送の際にかかる関税の手続きも販売者および消費者が行う必要がある場合があり、手間が発生します。一括して代行してくれる物流会社もありますが、こういったことも念頭に置いて対応を考える必要があります。また、低コストの配送を選んだばかりに海外の物流業者に粗悪な扱い方をされたり、そうでなくても乱暴な扱い方をされて商品が破損するケースは往々にしてあります。
まとめ:訪日香港人観光客の市場規模を見れば越境ECは魅力的な市場
インバウンド需要よりもすでに成長が著しい越境EC市場ですが、まだまだ開拓は始まったばかりですので、大手に続いて成功のチャンスを手にすることは十分にできるでしょう。
訪日香港人観光客はリピーター率が高く、日本に関する情報にも敏感です。訪日香港人観光客の動向を見る限り、香港の越境EC市場には、ビジネスチャンスがあるように思われます。
訪日香港人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日香港人観光客
2015年の日本政府観光局(JNTO)訪日外国人観光客統計によると、香港は前年比64.6%増の152万4300人と中国本土に次ぐ2番目の大きな伸びを示しました。
訪日香港人観光客の特徴
香港は中国の特別行政区ですが、インバウンドマーケティングを行ううえでは同国とは別途対応が必要な地域です。歴史的な事情からイギリスの強い影響を受けており、香港人は中国とは異なる習慣、感性を持っているためです。
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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