タイ国内で行われる大規模な旅行博・国際観光見本市にはTITF(タイ国際旅行フェア/Thai International Travel Fair)とFIT(Visit Japan FIT Travel Fair)があります。
TITFはタイ最大の国際観光見本市で、世界各国の観光系事業主が出展し、タイ人にそれぞれの国の観光について興味を持ってもらう場として機能しています。
かたや、FITはビジット・ジャパン事業としてJNTOが主催しており、訪日旅行商品のみの即売会となっています。日本およびタイの旅行事業者が訪日関連のPRをする場であり、効率的に訪日タイ人観光客向けのプロモーションにうってつけのイベントです。
今回は、このタイで行われているFIT(Visit Japan FIT Travel Fair)について解説していきます。
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会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
FIT(Visit Japan FIT Travel Fair)の概要
バンコクで開催される一般向けの旅行即売会です。訪日観光に関連した旅行商品のみを扱うのが特徴。年2回開催されており、夏〜秋向けの旅行商品を取り扱う「Visit Japan FIT Travel Fair Summer&Autumn」が6月末頃(2014年までは例年7月末、2016年から6月末に変更)、冬の旅行商品を取り扱う「Visit Japan FIT Travel Fair Winter」が10月末〜11月初旬頃に行われます。来場者数はおよそ4.6万人。開催期間中にタイの旅行業者との商談会も併催されているので、現地旅行会社とのコネクション作りにも活用できます。
2015年来場者数 |
4.6万人 |
日程 |
年2回、6月末頃および10月末頃 |
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開催都市 |
バンコク
※例年、Central Plaza Grand Rama 9というショッピングセンター1階
ターゲット |
バンコク在住の訪日個人旅行に関心のある富裕層・中間層 |
FIT=個人旅行のこと
「Visit Japan FIT Travel Fair」のタイトルにもなっているFITとは、「Foreign Independent Tour」の略称で、個人で海外旅行に行くことを意味します。パッケージツアーや団体旅行を利用せず、旅行者が個人で日程を組み、ホテル予約などの諸手続きをします。
訪日タイ人観光客に対するビザ免除、円安傾向と日本行きLCCの就航などの理由により、訪日タイ人観光客の間でFITでの訪日観光が広まっているため、FITは、この日本に旅行しようとしている個人旅行者にターゲットを絞った開催となっています。
FITに参加するにはJNTOへの申し込みが必要
「Visit Japan FIT Travel Fair」への参加についてはJNTO(日本政府観光局)が募集を出しています。例年、開催の2ヶ月ほど前に募集が始まります。
例として先日、6月23日(木)〜6月26日(日)に行われた「Visit Japan FIT Travel Fair #9 2016 Summer」の募集について見てみましょう。
参加募集の発表 |
2016年3月28日 |
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参加申し込み期限 |
2016年4月8日
※開催の2.5ヶ月前 |
参加申し込み方法 |
申し込みフォーム(Wordファイル)に入力後、JNTOにメールで添付送信 |
開催場所 |
バンコク Central Plaza Grand Rama 9(ショピングセンター) |
参加費用 |
1ブースあたり20万円 |
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募集対象 |
訪日旅行に関する商品・サービス・地域のPRのみ
※日本からの出展では商品の販売は禁止でPRのみ |
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出展枠 |
日本からは10ブース程度
※1ブースの大きさは2m×2.5m
※基本1団体1ブース |
問い合わせ先 |
JNTO(日本政府観光局) |
おおよそ開催の3ヶ月前程からJNTOから発表されるので、参加を検討する場合は、
あたりから情報をチェックするようにしましょう。また、募集の発表から申込期限までの猶予が2週間しかないことも注意が必要です。また、2015年の夏の開催からは、例年だと7月末の開催だったのが6月に変更されるなどしたので、前後1ヶ月程度は注意深く見ておく必要があります。
日本の出展団体は地方自治体と旅行会社が10団体程度
日本側から自治体関連団体や旅行業関連団体などが、毎回10〜15団体ほど出展します。タイ側からは航空会社や旅行会社が10〜15団体ほど出展。会場のスペースはショッピングセンターの吹き抜けのホールのような場所で行われるので、今後も会場が変わらないかぎり、出店数は大幅な増減はないと思われます。
会場入口にはJNTOのブースが日本の観光案内の総合窓口として設けられています。訪日観光に関する情報が不足しているタイの方々は、こうした旅行フェアで多くの情報を得るために来場します。そのため、JNTOが訪日観光の総合窓口を設けました。
ターゲットはバンコク周辺に住む訪日個人旅行に関心のある富裕層・中間層
2014年の開催の頃から、初訪日旅行を考えている来場者が増えている模様です。前述のJNTOのブースでは訪日旅行の定番の訪問先である東京や大阪、京都に関する初歩的な質問が増えてきており、訪日熱が高まっていることが伺い知れます。とはいえ、タイと比較して日本は物価が高く、訪日旅行がステータスとなるような状況であることや、開催場所が都心部であることから、来場者は比較的富裕層・中間層が多い状況です。
お手軽にプロモーションするならJNTOのブースにチラシを置いてもらうことも可能
出展するほどでもないが、リーチはしておきたいという場合には、JNTOのブースに資料出展することも可能です。JNTOに申し込みをすれば、総重量5kgまでのチラシやパンフレットを開催中にJNTOのブースで置いてもらうことが出来ます。募集開始はおおよそ開催の1ヶ月前程度にJNTOで発表されるので、こちらも要チェックです。
まとめ:訪日タイ人向けに効率よくプロモーションできるFIT
訪日旅行に興味のあるタイ人にターゲットを絞っている国際観光見本市のFIT。そのため、効率よく訪日タイ人向けにプロモーションすることができ、コストパフォーマンスが高い印象を受けます。訪日タイ人をメインターゲットないしサブターゲットにするインバウンド事業者は要チェックのイベントです。
その他各地域で開催される国際観光見本市については、以下の記事でまとめていますので、是非ご参照下さい!
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その他アジア7カ国(マカオ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド)の国際観光見本市情報はコチラ!
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ヨーロッパ(イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ベルギー、ポルトガル、ポーランド、オランダ、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)やその他の国(ロシア、イスラエル)15カ国の国際観光見本市情報はコチラ!
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