訪日外国人にもポピュラーになってきた旅館:彼らはどのようにして旅館を選んでいるのか?

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旅館は英語では Japanese Inn と呼ばれていますが、 Ryokan でも通じるほどに一般化してきています。厚生労働省が発表しているデータによると平成27年3月末時点で旅館営業施設数は全国で4万1,899施設とされています。それでは訪日外国人観光客は実際にどのようなイメージを旅館も持ち、どのようにして旅館を選んでいるのでしょうか?海外のメディアや情報サイト、口コミサイトをもとに、その選び方を分析してみます。

hoshinoresort.comより引用

hoshinoresort.comより引用

 

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外国人観光客から見た旅館

外国人にとっての旅館のイメージはどのようなものでしょうか?また、どのような点が新鮮なのか?訪日外国人観光客向けに、旅館での宿泊体験について伝えているwashington postの記事では、旅館について次のように説明しています。

“Japanese inn、Ryokanとは日本全国の観光地、温泉宿泊地に存在する宿泊施設だ。都会にもRyokanはあるが、小さい町のRyokanほど素晴らしくはない。Ryokanは16世紀に江戸と古都京都の間を旅する旅人のために発展していった。現在では家族経営の小さな旅館から、大規模でモダンなものまで幅広く存在する。ほとんどは最低でも築100年ほど経っており、日本の伝統建築である木造建築となっている。尖った屋根、竹、緑によって特徴づけられる。その多くが美しい庭園を備えている。障子と呼ばれるスライド式の紙のスクリーンによって部屋が別れており、居間にはローテーブル、クローゼットには布団がしまってある。”
“多くの旅行者は、Ryokan側の英語能力の低さはあまり気にならないという。Ryokanのサービスのレベルは実に高く、スタッフは宿泊客を喜ばせることに熱心だ。そのため、宿泊客はスタッフの英語の能力が限られているにも関わらずコミュニケーションを取ることが可能となっている。”
“Ryokanに宿泊する際はRyokanのルールに従う必要があり、それはどのRyokanでも同じだ。まず靴を室内用のスリッパに履き替えること。風呂に入る際は水着を着用しないこと。風呂に入る前には体を洗ってから入ること。浴衣は男女で着方が異なる。トイレで履くスリッパはトイレでしか着用出来ないなど。”
“身長が180cm以上あると、旅館の部屋に入る際にかがまなければならない。またスリッパが小さく、寝る時に布団からはみ出てしまうこともある。”
“ほとんどの場合Ryokanにエレベーターは無いので大荷物ではない方が良い。さもないとRyokanのか細いアテンダント(仲居さん)が、あらゆる助けを断りながら、細い階段をスーツケースを抱えて登っていくのを見守る羽目になる。”
“アテンダント(仲居さん)は毎朝布団を畳んでくれ、部屋に直接料理を持って来てくれる。非常に豪華な食事だが、日本食が好きではない場合は外出して食べたほうがよい。”
“部屋、トイレ、浴室など、とても綺麗。布団はとても柔らかく寝心地が良い。食事はとても豪華で、シンプルな味付けながら実に美味しい。風呂のお湯は熱めだが、最高にリラックス出来、長旅の疲れが10分で消えてしまう。”
“旅館での滞在は本当に最高なもので、まさにオアシスと言える。いささかの不満点も無かった。400年前に日本人が旅していた時と同じ感覚を味わう事が出来るもので、洋風のホテルの体験とはまるで異なる。”

 

どのような選び方をしているのか?

訪日外国人観光客にとっても旅館で出される料理は重要

訪日外国人観光客にとっても旅館で出される料理は重要

外国人観光客が旅館を選ぶ時、どのような基準で選んでいるのでしょうか?旅館はホテルとは異なり、懐石料理や温泉などの楽しみなどが特徴であることから、価格以外の側面も重要視されているようです。

場所

まずは観光の目的地がどこであるかという事から旅館を探していくが、海外に比べて日本の公共交通機関(電車、バス、タクシー)は値段が高いことから、駅からのアクセスのしやすさ、観光エリアへのアクセスのしやすさが重要になっている。

料理

旅館の場合、料理の種類で料金が変わることもあるため、自分が食べたい思う料理を出している旅館から選ぶという旅行者もいる。海外は日本に比べて菜食主義者(ベジタリアン)や完全菜食主義者(ヴィーガン)が多いため、魚と野菜だけの懐石料理、精進料理を出す旅館などをわざわざ探している外国人観光客もおり、自分が食べられるもののリストを持参する訪日外国人観光客も一定数存在する。

部屋のタイプ

せっかく旅館に宿泊するということで伝統的な日本式の部屋が好まれるが、洋室や和洋室タイプを好む訪日外国人観光客もいる。

価格

旅館の価格帯は安いところでは7,000円程度~高いところでは60,000円を超す場合もある。価格は旅館選びで重要視されている項目であるが、旅館に関してはその他の要素もかなり重要視されている。

温泉のタイプ、湯質

日本式の温泉が初めての訪日外国人観光客の場合(※海外では温泉は一般的に水着を着て入るもの)、個室に内湯があるタイプが好まれる。日本通の外国人の場合、温泉のお湯のタイプや効能などを調べる訪日外国人観光客も存在する。

レビュー

トリップアドバイザーや、予約サイトのbooking.com、JAPANiCAN(JTBが運営するインバウンド専門の旅行予約サイト)などでレビューを確認して評価が高いところを選ぶ。

 

訪日外国人観光客に選ばれるためには

訪日外国人観光客が旅館を選ぶ際に上げている基準の他に、彼らから選ばれるためには何が必要なのでしょうか?外国人観光客向けに旅館での宿泊体験について伝えているwashington postの記事やトリップアドバイザーのクチコミ、最新のトレンドなどから、次の事が言えそうです。

ホームページの英語対応

トリップアドバイザーや予約サイトのレビューは重要視されているが、実際の部屋の様子、料理のメニュー、周りに何があるのかなどは旅館のホームページに行かなければわからない。部屋のタイプの説明、料理の説明(※特定の食べ物は抜けるなどのオプションの有無)、温泉の説明などがしっかりと英語化されていると、外国人観光客の安心感が高まる。

スタッフの英語対応

washington postの記事では、ある程度限られた英語力があるだけでも全く通じないよりは旅館を選ぶ決め手になるとしている。予約サイトでしっかりと予約出来たかどうかを確認するために必ず電話やEメールで宿泊先に予約が入っているか確認を入れるという旅行者も数多くいるため、完璧な英語である必要はないが、予約の確認、部屋のタイプ、料理の種類の説明などは英語で出来ると望ましいだろう。

旅館ならではのルールなどを英語で説明する

washington postの記事では、内湯に英語で入浴のルールの説明(まず体を洗い、それから湯船に浸かることetc..)があり参考になった。浴衣の着方を間違えてしまい、仲居さんに教えてもらったとある。室内に土足で上がってはいけないなどの基本的な内容から、入浴のルールなども外国人観光客のために用意しておく、ホームページに専用のコンテンツを作っておくなどすると訪日外国人観光客にとっても利便性が高いことに加え、施設の汚染を避けることにも繋がる。

Instagramの活用

海外ではインバウンドマーケティングの手法の一つとなっているInstagram。外国人観光客も旅先での様子を友人や家族にシェアするためのツールとして利用しており、2016年10月時点で#ryokanというハッシュタグでは67,706件の投稿がある。(※ #japaneseinnというハッシュタグでは1,036件の投稿しかなく、いかにRyokanがポピュラーな単語になっているかを伺わせる。)

スコットランド 観光局のInstagram活用の例

スコットランド 観光局のInstagram活用の例

Instagramに旅館の外観、移りゆく景色、季節の料理、温泉などを#ryokanのハッシュタグ付きで投稿し、紹介ページにホームページの英語ページへのリンクを貼るなどすれば、すぐに外国人観光客向けのマーケティングとして役立てる事が出来る。

 

まとめ

訪日外国人観光客にとってもポピュラーになってきた日本の旅館。旅行予約サイトでのレビューがある程度参考になっているとは言え、ホームページの英語対応は日本語ページほどに情報量がない旅館も多く、スタッフが英語を全く話せないなどの課題もあります。

しかしそれでも日本の「おもてなし」は多くの外国人観光客の心を掴んでおり、さらなるプラスαの手段を講じることで、さらにその利用者を増やせると言えるでしょう。

 

<参照元>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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