格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。
また、観光庁による「訪日外国人消費動向調査」によると、訪日外国人観光客増加に伴い、インバウンド消費額も増えています。
このような背景を受け、国内の企業や自治体は、訪日外国人観光客集客を狙って「〇〇放題」を通じた新たなインバウンドビジネスを続々と開始しています。
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800円で関西のミュージアム18施設が入り放題に:「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の発行が始まる

「ミュージアムぐるっとパス・関西」実行委員会は10月13日、訪日外国人観光客向けに「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の発行を開始しました。これは、800円を払うことで訪日外国人観光客が3日間、対象となるミュージアムに何度でも入場できるというパス。
対象となるのは国公私立のミュージアム18施設で、京都国立博物館、国立国際美術館、大阪市立美術館、京都国立近代美術館、上方浮世絵館などがリストに入っています。
従来であれば、関西圏在住者をターゲットとして、同様のパスの発行を行っていましたが、インバウンド誘致を目的に、今回訪日外国人観光客にもターゲットを拡大しました。初年度は5000冊限定の発行。上記の18施設のほか、旅行会社、一部の書店やホテルで「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の販売をするとのこと。
「WeChat」が使い放題に:FREETELより訪日中国人観光客向けプリペイドSIMが発売

東京都港区に本社を置く「プラスワン・マーケティング株式会社」は、運営するMVNO(*)サービス「FREETEL」において、一部のSNSが使い放題となるプリペイドSIMカード「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」微信(WeChat)版を発売しました。
「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」微信(WeChat)版は、訪日中国人観光客を主なターゲットとしたSIMカード。利用者が、中国最大のLINE型SNS「WeChat」や、Facebook、LINE、WhatsApp、KAKAO TALKといったアプリを利用する場合、通信量がカウントされず無制限で利用できることから、訪日外国人観光客にとって使い勝手の良いシステムです。
利用期間は7日と30日の2つのオプションから選ぶことができ、価格はそれぞれ1,780円、2,780円です。日本全国で利用が可能。SNSの利用が無制限になるSIMカードサービスを提供することで、ネットリテラシーの高い訪日中国人観光客の集客を狙います。
*MVNO:無線通信回線設備を開設・運用せずに、自社ブランドで携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを行う事業者のこと
2万円で1週間高速バスが乗り放題に:「JAPAN BUS LINES協議会」は「JBLパス」を販売

訪日外国人観光客の高速バス利用促進を目的に高速バス事業者59社によって設立された団体「JAPAN BUS LINES協議会」は、訪日外国人観光客向けに「JBLパス」を販売しています。
これは、日本全国の予約制の高速バスが乗り放題で利用できるもの。約100路線を対象としており、北海道から九州まで移動することができます。
価格は7日間で2万円、14日間で2万8000円。団体旅行やパッケージツアーではなく、FIT(*)が主なターゲットです。
*FIT:Foreign Independent Tourの略。団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で行く海外旅行のこと
<関連記事>
全国の高速バス59社による「JAPAN BUS LINES協議会」発足:訪日外国人観光客の利便性向上へ
2016年7月20日、「JAPAN BUS LINES協議会」が正式に設立したことが発表されました。これは日本全国59社の高速バス事業者からなる団体で、訪日外国人観光客に使いやすい仕組みづくりを推進することで、高速バスの利用拡大を目指しています。高速バスは比較的安価に利用でき、鉄道、航空では行きにくい地域まで足を運ぶことができます。JAPAN BUS LINES協議会の登場により、訪日外国人観光客の動きに変化が現れるかもしれません。今回は、このJAPAN BUS LINES協議会の趣旨、今...
乗り降り自由チケットで高速バス、鉄道を使いやすく! 交通機関で進められているインバウンド対策
訪日外国人観光客の旅行ルートに大きく影響する交通機関。駅や空港では多言語対応、旅行しやすいチケットの販売などが進められています。訪日外国人観光客は言うまでもなく日本のルールや言葉に不慣れなため、利用促進をはかるうえでは非常に重要な取り組みです。平成28年(2016年)7月20日、日本全国の高速バス事業者の提携による「JAPAN BUS LINES協議会」が設立され、高速バスでも積極的なインバウンド対策が行われるようになりました。鉄道や航空機とは異なり、バスには訪日外国人観光客の増加に合わせ...
新宿「六歌仙」では肉料理の食べ放題プランが訪日外国人観光客に人気:100件のリアクションとともに8.6/10の好評価を獲得

西新宿にある最高級焼き肉店「六歌仙」でも焼きの肉食べ放題プランを通じて訪日外国人観光客誘致に成功しています。
米ニューヨークに本社発祥の口コミサービス「FOURSQUARE」の「六歌仙」のページには、世界各国からの訪日外国人観光客のレビューや写真が投稿されています。
約100件のリアクションが寄せられており、8.6/10の評価を獲得。レビュー欄を確認すると、おおむね食べ放題プランが好評なことがわかります。
公式ホームページも日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語で運営されており、言語面という観点からもインバウンド対策に注力しています。
まとめ:〇〇放題で訪日外国人観光客集客を狙う事業が増加。わかりやすさ、使い勝手の良さからこれから注目が集まる
訪日外国人観光客集客のあらたなアプローチとして「〇〇放題」というシステムが注目され始めています。
外国語対応の遅れなどの理由から、訪日外国人観光客にとって商品やサービスの購入はしばしばストレスにもなります。「〇〇放題」というシステムは、わかりやすく使い勝手が良いため、訪日外国人観光客にとって気軽に利用できるサービスになります。
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【インバウンド情報まとめ 2025年11月後編】中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは? ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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