Trip AdvisorのTOKYO100で3位入賞「割烹伊勢すえよし」の実践するインバウンド対策とは?

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「The Taste」でのJNTO出展の様子:timtvhollywood.comより引用

「The Taste」でのJNTO出展の様子:timtvhollywood.comより引用

訪日外国人観光客の増加から、インバウンド需要が増えている飲食業界

日本政府観光局JNTO)は、日本食のもつ潜在性に目を付け、「Los Angeles Times」が主催する食のイベント『The Taste』のブースにおいて、「日本食」を紹介するコーナーを出店しました。

訪日外国人観光客からも関心が高い「日本食」を使って、さらなる訪日外国人観光客の誘致に取り組むことが目的です。

観光庁の資料によると、「日本食を楽しむこと」は訪日外国人観光客にとって、旅行時の楽しみの一つとされており飲食店インバウンド誘致を進めることにより、収益の増加が期待できます。

飲食店インバウンド対策として「外国語対応」「SNS対策」などが多くの店舗でに実施されていますが、多店舗との差異化を図るためにはいったい何をすればいいのでしょうか?

今回は、「割烹伊勢すえよし」の訪日外国人観光客集客を目的としたユニークな取り組みをご紹介します。

 


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Tripadvisor上で90%以上が満点の評価&「TOKYO100」において第3位入賞「割烹伊勢すえよし」:訪日外国人観光客にも人気のスポットに

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

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「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用](http://isesueyoshi.blog.fc2.com/) 「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用[/caption]

「割烹伊勢すえよし」は西麻布の割烹料理店です。生産者直送の特選食財を使った日本料理を提供しています。

割烹伊勢すえよしは、観光口コミサイトTripAdvisor」の日本法人であるトリップアドバイザー株式会社(以下、TripAdvisor)と東京都交通局で共同実施する「TOKYO100」キャンペーンにおいて第3位に選ばれました。

「TOKYO100」は、東京都内の人気スポットを決めるキャンペーン。TripAdvisorに寄せられた口コミの評価・件数が独自のアルゴリズムによりランク付けされ、順位が決定されます。

「割烹伊勢すえよし」の口コミ件数は2016年11月4日時点で53件。満点(5点)の評価数が9割を超えていることが、今回の入選に至った理由であると考えられます。

訪日外国人観光客に人気の飲食店となっている「割烹伊勢すえよし」。インバウンド対策として何を行っているのでしょうか?

 

[対策①]「体験型懐石料理」の提供:英語ガイドブックとともに訪日客に懐石料理の魅力を紹介

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

割烹伊勢すえよしでは、訪日外国人観光客向けサービスとして「Kaiseki Cuisine Experience -懐石料理体験-」を提供しています。

これは、訪日外国人観光客に懐石料理を提供するというサービス。言語対応や、マナーや慣習の違いから、訪日外国人観光客が懐石料理にような高級料理を体験できる機会は、国内で限られています。

2013年に世界遺産に登録された「日本食」のインバウンド市場における潜在性と、先ほど述べた訪日外国人観光客にとって高級和食を体験できる機会が限られているという背景を利用し、「Kaiseki Cuisine Experience -懐石料理体験-」のサービス提供を開始。

完全予約制となっており、現在は夜のみのサービス提供。料金は料理10品とと2ドリンクで13,000円となっています。

訪日外国人観光客に日本の懐石料理を詳しく知ってもらえるように英語ガイドブックも提供。料理それぞれに対して
「八寸とは何か」「造とは何か」といった内容の英語の解説が添えられています。

 

[対策②]特殊な食文化にも対応ベジタリアンやグルテンフリー、ムスリム向け懐石料理の提供

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

「割烹伊勢すえよし」ホームページより引用

「割烹伊勢すえよし」ではベジタリアンやグルテンフリーなど、特別な食習慣をもつ訪日外国人観光客のオーダーにも対応しています。

また、イスラム教徒の方からの要望に応え、(*)ハラール対応を行っています。

ハラール認可はまだ受けていないものの、日本ハラール協会によるハラール管理者としての資格を修得しているとのこと。

ハラール:アラビア語で「合法である」を意味する言葉。結婚や身だしなみなど生活にかかわるすべてに適用されるが、日本国内で「ハラル対応が必要だ」と言われるときは、主に食事のことを指す。

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[対策③]訪日客に「和」を感じてもらえるための内装:盆栽の展示など

「割烹伊勢すえよし」内装:ホームページより引用

「割烹伊勢すえよし」内装:ホームページより引用

割烹伊勢すえよしでは、「日本らしさ」や「わび、さび」を来店した訪日外国人観光客に感じてもらうため、店の内装にこだわっています。

盆栽の展示や、食器にもこだわるなど、訪日外国人観光客に喜んでもらえるような工夫が見られます。

こうした「割烹伊勢すえよし」のインバウンド誘致への取り組み。背景には一体何があるのでしょうか?

 

「和食」に強い関心を示す訪日客:政府からはムスリム・ベジタリアンの訪日客誘致を目指す動きも

訪日外国人消費動向調査 平成 28 年 7-9 月期:観光庁より引用

訪日外国人消費動向調査 平成 28 年 7-9 月期:観光庁より引用

観光庁による「訪日外国人消費動向調査 平成28年7-9月期」では、訪日外国人観光客が「訪日前に最も期待していたこと」に関するアンケート結果が、掲載されています。

調査結果では、訪日外国人観光客が最も期待していたこととして、「日本食を食べること」が25.6%と最も高い数値を記録しています。

また、「日本の歴史・伝統文化体験」も全体で4.1%と比較的高い数値を記録。懐石料理のように「日本文化」と「日本の伝統文化」をマッチさせたものは、訪日外国人観光客のニーズにマッチしているということが言えます。

また、2013年4月3日に発表された観光庁による「世界最高・最先端の観光産業を目指して~観光産業政策検討会提言~」では、今後積極的に開拓を図っていく必要があるインバウンド層に関しての記載があります。

今後、誘致を加速させたいインバウンド層として、ムスリム、LGBTと共にベジタリアンが挙げられています。

ここから、国としてもムスリムベジタリアン訪日外国人観光客を積極的に誘致していこうという思惑が読み取れます。

この2つの事実を踏まえると、「割烹伊勢すえよし」の行うインバウンド対策は理にかなったものであるといえます。

 

まとめ:インバウンド対策として「体験型懐石料理」の提供&ムスリムやベジタリアンへの対応を実施。

訪日外国人観光客から大きな注目を集めている「割烹伊勢すえよし」。インバウンド対策として

  • 「体験型懐石料理」の提供
  • ムスリムやベジタリアンへの対応
  • 「日本らしさ」にこだわった内装の提供

の3つを実施しています。

飲食店においてインバウンド対策を検討する場合、観光庁JNTOなどの資料を参考に、自店舗のもつ強みを活かすことで、より多くの訪日外国人観光客誘致につながるでしょう。

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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