外国人が京都土産に「抹茶」求めるワケ/Nestle&京都府、伊藤園、製菓業界が取り組み

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訪日外国人観光客の増加を背景に、国内の企業、自治体はインバウンド誘致に取り組んでいます。

また、近年では、和食の世界遺産登録や人々の健康志向の高まりを背景に、日本独自の食文化をインバウンド誘致に活用しようという動きが出てきています。

そのような取り組みの一環として、日本政府観光局JNTO)は、日本食のもつ潜在性に目を付け、「Los Angeles Times」が主催する食のイベント『The Taste』のブースにおいて、「日本食」を紹介するコーナーを出店。

訪日外国人観光客からも関心が高い「日本食」を使って、さらなる訪日外国人観光客の誘致に取り組むことが目的です。

日本独自の食文化として、いまインバウンド業界で注目されているのが「抹茶」。国内では「抹茶」を利用したインバウンド関連の取り組みが続々と始まっています。

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「宇治抹茶の振興に関する連携協定」Nestleと京都府が提携

Nestle×京都府 宇治抹茶プロジェクト ロゴ

Nestle×京都府 宇治抹茶プロジェクト ロゴ

京都府とネスレ日本株式会社(以下、Nestle)は、2016年11月9日、「宇治抹茶の振興に関する連携協定」を締結しました。

  1. 「宇治抹茶」を世界的なブランドに
  2. 「宇治抹茶」の消費拡大
  3. 「宇治抹茶」の健康イメージの向上

の3つを目標に両社は連携を始めます。

1つ目の項目に関しては、「宇治茶の文化的景観」の世界文化遺産登録に向けた取り組みの推進、また「宇治抹茶」の世界展開へ向けて安定供給を支えるための生産者支援を、京都府とNestleが共同で実施します。

2つ目の項目に関しては、「宇治抹茶」の体験拡大による観光振興と京都府内の「宇治抹茶」の消費機会の拡大を実施。「宇治抹茶」の消費拡大を図ります。

3つ目の項目に関しては、京都府の(*)「きょうと健やか21」に協力する形で、Nestleが健康寿命の課題解決を目指した取り組みを実施します。

Nestleの調べによると、日本国内での抹茶の飲用率はわずか1%にとどまっています。このような背景からNestleは、今後の消費拡大に向けて、インバウンド市場には大きなポテンシャルがあると判断。茶産地としてもっとも長い歴史を持つ京都府との提携を開始したとのこと。

*きょうと健やか21:京都府が府民の健康寿命を全国のトップクラスまで延伸することを目標に定めた理念 

抹茶メニューフェアが中華圏からの観光客に好評

提供されたメニュー:三井不動産商業マネジメント株式会社プレスリリースより引用

提供されたメニュー:三井不動産商業マネジメント株式会社プレスリリースより引用

三井不動産商業マネジメントが運営を担当する商業施設「ダイバーシティ東京プラザ」では、訪日中国人観光客が増える旧正月春節」に合わせて、2016年2月1日から14日まで「抹茶メニューフェア」を開催しました。

同フェアでは、全12店舗が参加。中華圏からの訪日外国人観光客に人気の抹茶スイーツを販売しました。 

伊藤園「抹茶工房」を新設/供給量増加でインバウンド需要にこたえる

抹茶工房:「伊藤園」プレスリリースより引用

抹茶工房:「伊藤園」プレスリリースより引用

伊藤園では、伊藤園静岡相良工場に、「抹茶工房」を新設。2016年6月中旬より稼動が始まっています。

同社プレスリリースでは、

和食のユネスコ無形文化遺産登録や訪日外国人の増加などを背景に、日本の食文化への関心が国内外で高まっています。“抹茶”は日本が世界に誇る伝統の食文化の一つであり、国内市場の抹茶入り製品は、訪日外国人のおみやげとしても人気となっています。-ニュースリリース 「伊藤園」より引用(一部省略)

との記載があり、インバウンド市場における「抹茶」の人気から、供給量の増加を図ることがわかります。

大手飲料メーカー「伊藤園」のインバウンド対策:ニーズを理解した施設拡張、専門店の経営、海外向け商品の開発を実施

訪日外国人観光客とインバウンド消費の動向 日本政策投資銀行より観光庁による消費税免税制度拡充で、最近では食品類、飲料類、薬品類、化粧品類などを含む消耗品も免税の対象になっています。また、免税対象金額も引き下げられ、免税対象になる金額は5,000円まで引き下がる結果になりました。こうした背景から最近では訪日外国人観光客の間での飲料類の購入率が高くなっています。上記の日本政策投資銀行のデータが、その裏付けとなります。こうした状況から飲料メーカーにとって訪日外国人観光客は大きなターゲットとなって...

 「抹茶」新製品を続々とリリースする製菓業界

Nestle「キットカット 宇治抹茶」:楽天市場より引用

Nestle「キットカット 宇治抹茶」:楽天市場より引用

以前の記事(「インバウンド」×「お菓子メーカー」:訪日客向け商品の開発に取り組む製菓業界 「味・品質の良さ」「日本らしさ」がポイントに」)でご紹介したように、Nestleや江崎グリコ、森永製菓など大手製菓業界でも「抹茶」を活用した商品の開発を実施。インバウンド需要に応えています。

先述の通り、国内の企業、自治体は「抹茶」を利用した商品の開発、イベントの実施、外国人に向けたPRなどを実施しています。

インバウンド × お菓子メーカー:訪日客向け商品の開発に取り組む製菓業界 「味・品質の良さ」「日本らしさ」がポイントに

2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月1日から10月30日までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。以前より目標としていた2,000万人到達の達成時期は当初の目標よりも早く、JNTOは2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を目指して、これからもインバウンド誘致に向けた取り組みを加速させていくとしています。このような追い風を受ける日本のインバウンド市場。国内の各種業界、メーカーにとっても「インバウンド」はホットなキーワ...

 

抹茶の「日本らしさ」「健康志向」にお土産としてのポテンシャル

インバウンド市場において「抹茶」が注目されている背景には何があるのでしょうか?

訪日外国人観光客 費目別購入率:観光庁より引用

訪日外国人観光客 費目別購入率:観光庁より引用

インバウンド市場において「抹茶」が注目されている理由として、まず第一に、訪日外国人観光客が「日本らしさ」を求める傾向があるということが挙げられます。

それに加え、「和食」の世界遺産認定からわかるように、人々は健康な食を求めています。

「日本らしさ」と「人々の健康志向」。この2つから、「抹茶」が訪日外国人観光客にとって人気の商品になっていることが推測されます。

また、観光庁によりリリースされた「平成27年度訪日外国人消費動向調査」内の訪日外国人観光客の「土産品の購入実態」を見てみると、訪日外国人観光客が日本滞在中に購入したものの割合として、もっとも割合の高かったものは「菓子類」であることが確認できます。

その数値は全体の65%となっており、これは訪日外国人観光客の65%が「菓子類」を購入しているということを意味します。

また、2番目に数値の高い費目である「食料品、飲料」に関しても、58.8%を記録しています。

ここからわかることは、多くの訪日外国人観光客が日本滞在中に飲食物を購入しているということです。

抹茶は飲食物のような訪日外国人観光客の購入率の高い費目に対して、多岐にわたる使い方が可能なことから、インバウンド業界でも注目されていることも予測できます。 

「抹茶」インバウンド誘客重要コンテンツとして揺るぎない地位

Nestleと京都府の提携や、ダイバーシティ東京でのイベント開催、また伊藤園における「抹茶工房」の新設など、「抹茶」を活用したインバウンド誘客の動きが盛んになっています。

訪日外国人観光客の購入率の高い商品に対して多岐にわたる活用が可能なことや、訪日外国人観光客からの人気を理由に、これからも「抹茶」に関連したインバウンドへの取り組みは盛んになっていくことが予測できます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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