JRグループ、インバウンド向け鉄道パス「JAPAN RAIL PASS」販売方法を拡充:さらなる地方訪問進むか

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訪日外国人観光客が年々増加している中、国内の各業界の間でインバウンド誘致が注目されはじめています。

以前の記事でもご紹介したように、鉄道業界でも訪日外国人観光客受け入れ環境の整備にさまざまな取り組みやサービスの開始を行っています。

JRグループでは、訪日外国人観光客向けのサービスとして新たな取り組みを開始します。

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JRグループ6社、インバウンド向けパス「Japan Rail Pass」を国内でも販売へ:来年3月8日より

実際の「JAPAN RAIL PASS」 現在では表紙デザインは異なる:blue-works.comより引用

実際の「JAPAN RAIL PASS」 現在では表紙デザインは異なる:blue-works.comより引用

JRグループであるJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州の6社は、訪日外国人観光客向けの周遊パス「Japan Rail Pass」の国内での販売を開始します。

「Japan Rail Pass」とは、訪日外国人観光客が一定の料金を支払うことにより、JRグループの運営する鉄道やバスなどを乗り降り自由で利用できるというもの。

以前は同パスの利用時において、訪日外国人観光客は旅行前に国外から「Japan Rail Pass」の引換券を購入し、日本国内で引き換える必要がありました。

しかし、今回のリニューアルにより、訪日外国人観光客は「Japan Rail Pass」を日本国内でも購入することができるようになります。

「Japan Rail Pass」は、東京駅や大阪駅など全国主要16駅で販売が開始されます。販売開始日は2016年3月8日。2018年3月末まで試験的に販売されるとのこと。

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7日間大人3万3000円から:車両種類、期間ごとの購入が可能に

Japan Rail Pass料金表:JRより引用

Japan Rail Pass料金表:JRより引用

「Japan Rail Pass」には、グリーン車用と普通車用の2種類があります。さらに、7日、14日、21日間用パスに分かれています。

大人と子供にも料金がわかれており、利用ケースに合わせて購入することが可能です。

料金は7日間用で普通車用が大人3万3000円、子供1万6500円、グリーン車が4万4000円、子供2万2000円となるとのこと。(表は2016年3月時点の料金)

特急や急行だけでなく、一部の新幹線も利用することが可能。寝台車などの特殊な車両も追加料金を支払うことで、乗ることができます。

先述の通り、JRグループは訪日外国人観光客の移動時における利便性向上のために、訪日外国人観光客にとって使い勝手の良い交通パスの販売手段を増やしました。

大手鉄道会社のこうした動き。背景には何があるのでしょうか?

 

訪日外国人観光客にとって日本の交通インフラはわかりにくいものに:利用が簡単な周遊パスはその打開策になるか

訪日外国人のJRにおける利用満足度 選択肢別:三菱UFJリサーチ&コンサルティングより引用

訪日外国人のJRにおける利用満足度 選択肢別:三菱UFJリサーチ&コンサルティングより引用

三菱UFJリサーチ&コンサルティングによりリリースされた「外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果」では、直近1年以内に観光目的に来日した韓国、台湾、アメリカからの訪日外国人観光客を対象に、訪日時の交通利用実態、利用度満足度などに関して行ったインターネット調査の結果がまとめられています。

「JRの項目別満足度」に着目すると、「速さ」「正確さ」「安全性」に関する訪日外国人観光客の満足度と比べ、「快適さ」「わかりやすさ」に関する満足度が、相対的に低いことがわかります。

こうした現状から察すると、利用が簡単で、なおかつ経済的にも負担が少ない「Japan Rail Pass」のような周遊パスは訪日外国人観光客のニーズに合ったものであるといえます。

 

まとめ:販売手段拡充でさらに便利になった「Japan Rail Pass」 訪日外国人観光客のニーズにも合致

ご紹介してきたように、JRグループでは訪日外国人観光客向け周遊パス「Japan Rail Pass」の販売手段を拡充。以前のように国外のみならず、日本国内でも購入が可能になりました。

外国語対応の不完全さや、独自の複雑な鉄道網であることから、訪日外国人観光客にとって日本国内の周遊は、比較的困難な傾向にあります。

そのため、使い勝手のよく、仕組みもわかりやすい「Japan Rail Pass」はこれから訪日外国人観光客の間で活用が進んでいくと予測されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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