東武鉄道、インバウンド向け「1日着物レンタル」サービスを開始 訪日外国人の「地方へ」の流れを背景に

公開日:2016年09月02日

訪日旅行のトレンドが「消費」から「体験」に移行しつつあります。そのため、ショッピングが主な目的となる首都圏に集中していたインバウンド需要が、より「日本らしい」ものを体験できる地方にも広がるようになりました。

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それに伴って、鉄道会社は地方のインバウンド効果を目的に各地域の観光素材を活用して様々な取り組みを行っています。

東武鉄道は日光・鬼怒川エリアの訪日外国人観光客集客に向け、興味深いサービスを開始しています。

 

日本文化を楽しみながらの日光・鬼怒川散策が可能:体験型ツアー&英語表記の観光パンフレットも提供

東武鉄道のグループ会社である東武ステーションサービスは2016年8月1日より主に訪日外国人を対象とした「1日着物レンタルサービス」を開始しています。今回のサー ビスは日光・鬼怒川エリアの現地で気軽に申込・参加できる同社の日帰り旅行商品「現地発ツアー」と併せて実施されます。

着物または浴衣、帯、小物のレンタルと、着付けがセットになっており、17時まで自由に日光・鬼怒川エリアを散策することができます。今回のサービスは2016年8月1日から開始され、11月30日まで続くことになっています。

観光者に向けて提供されている「鬼怒川ライン下り」、「ラフティング・キャニオング」においてもツアーパンフレットに英語表記を加えました。東武ステーションサービスのニュースレターによると

東武グループでは、今後も訪日外国人観光客に日本の四季を感じながら日光・鬼怒川エリアの魅力にふれていただけるよう、様々な観光コンテンツをご提供し、訪日外国人観光客の様々な観光ルートの創出を目指します。- 東武ステーションサービスのニュースレターより引用
としており鉄道会社によるインバウンド対策として地域の観光素材を生かすことにより、訪日外国人観光客集客を目指すことがわかります。

 

他鉄道会社も地方のインバウンド活性化に向け対策を開始:JR東日本、南海電鉄の事例

全国各地の鉄道会社も各地域のインバウンド効果を目的に様々な取り組みをしています。

JR東日本では鉄道パス、ツアー、宿の組み合わせ商品「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」を発売 訪日外国人観光客の誘致へ

TOHOKU BUFFETホームページより引用

TOHOKU BUFFETホームページより引用

JR東日本と、そのグループの株式会社びゅうトラベルサービスは、東日本エリアに向けた訪日外国人観光客向け商品ブランド「東日本鉄道ホリデー」を展開しています。

2016年8月4日の発表によると、同社は文字通り東北観光をビュッフェのように楽しむことができる「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」を新たに発売します。

これは、東北エリアをターゲットとした鉄道パスとオプショナルツアー、宿泊制度を組み合わせたパッケージ商品です。オプショナルツアーは青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県の東北地方6県において選ぶことが可能。秋田県であれば世界自然遺産である白神山地、岩手県であれば世界遺産である平泉などそれぞれの地域の観光素材を生かしたコンテンツが提供されています。

このサービスは2016年8月10日より開始。タイ、インドネシア、マレーシア、中国、台湾、香港と主にアジア圏に向け販売しています。多言語によるホームページも開設しています。

<サービスサイト>

https://www.tohoku-buffet.com/

南海電鉄では全線が2日乗り放題の「NANKAI ALL LINE 2day Pass」を発売

南海電気鉄道株式会社 プレスリリースより引用

南海電気鉄道株式会社 プレスリリースより引用

大阪市内から関西空港・和歌山・高野山方面をつなぐ鉄道会社「南海電鉄」。同社の発表によると南海電鉄全線が2日乗り放題になる「NANKAI ALL LINE 2day Pass」を8月30日から期間限定で発売。訪日外国人観光客集客の強化に向けた取り組みを開始しています。

沿線の観光地等に訪日外国人観光客を呼び込むことが目的です。また、特定の観光地、飲食店でパスを提示することによって割引サービスなど特典を受けられるなど工夫が見られます。

徐々に増えてきている鉄道会社においての地方観光を組み込んだインバウンド対策。こうした現象の背景には何があるのでしょうか?

 

背景には「ゴールデンルート」から「地方」の時代が:訪日外国人観光客の地方訪問が増加傾向に

平成26年訪日外国人観光客の地方訪問状況 観光庁より引用

平成26年訪日外国人観光客の地方訪問状況 観光庁より引用

観光庁データから平成26年の訪日外国人観光客の都道府県別訪問率を確認すると、東京、大阪など2大都市圏のみ訪問した観光客は44%なのに対し、地方のみ、もしくは地方と2大都市圏を訪問した割合は56%を占めます。

ここからわかるのは、以前であれば「ゴールデンルート」(東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪など日本の主要観光都市を周る観光周遊ルート)が主な訪日外国人観光客の旅行先であったのが、少しずつ地方にもスポットライトが当たり始めているという点です。

以前の記事でも紹介した「爆買い」と称される訪日中国人観光客の消費行動が少しずつ収まりを見せ、体験、経験を求め始めているという背景もあり、これからは「自然・景勝地観光」「日本の歴史・伝統文化体験」を売り出すことにより地方でもインバウンド収益増加が見込めます。

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地方は未だ訪日外国人観光客に発見されていないような観光資材が多くあります。そういったものを活用することにより、地方も今より多くのインバウンド収益が望めるのではないでしょうか。今回であれば東武鉄道や「TOHOKU BUFFET」の試みのように「体験を売り込む」ことにもインバウンド効果へ大きなポテンシャルがあります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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