2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月から10月までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。
訪日外国人観光客数が異例のペースで増えている中、国内ではインバウンド向け宿泊施設の不足が問題となっていますが、最近では訪日外国人観光客の間で世界最大の民泊サービスであるAirbnbの普及が日本においても進んでいます。
Airbnb Japan株式会社のプレスリリースによると、2016年1月から10月の間にAirbnbを利用した訪日外国人観光客数(以下、Airbnbインバウンドゲスト)が、300万人を突破したとのこと。
今回は、Airbnbのプレスリリースより、日本国内におけるAirbnbインバウンドゲストの同サービス利用状況を簡単にまとめてご紹介。
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Airbnbとは全世界191か国に200万物件を誇る「民泊サービス」
Airbnb(エアビーアンドビー)は2008年にアメリカのカリフォルニアで生まれた企業。Airbnbでは、2015年11月時点で全世界191カ国、3万4000都市に200万物件を誇る民泊サービスを提供しています。
Airbnbを通じて、宿泊場所を探している個人が、空き部屋を所有するオーナーと連絡を取り、金額や期間などの交渉が完了することにより、その空き部屋を宿泊施設として利用することができます。
ホテルなど一般の宿泊施設を借りるよりもAirbnbを使えば、比較的安く金額を抑えることができます。また、「民泊」であるためホテル宿泊時などと違った体験ができます。
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Airbnb、日本国内のインバウンドゲストが300万人を突破
2016年11月16日、Airbnb Japan株式会社は、2016年1月から10月までのインバウンドゲスト数が、300万人を突破したとの発表を行いました。
昨年2015年(1月から12月)の、Airbnbインバウンドゲスト数は、130万人。今年は10月の時点ですでに去年の倍以上の数を記録しており、伸び率は約230%となっています。
日本国内で躍進を続けている世界最大の民泊サービスであるAirbnb。日本国内のインバウンドゲストの出身地域や、年齢層、支出額は一体どうなっているのでしょうか?順番にご紹介します。
[地域別]約70%がアジアからの訪日外国人観光客に:国別では韓国、中国、アメリカがベスト3にランクイン
同発表によると、アジアからのインバウンドゲストが全体の69%を占め、もっとも大きい割合に。残りの約30%を欧米豪圏からのインバウンドゲストが占める形となります。
また、インバウンドゲストを出身国別に見ると、1位から順に韓国、中国、アメリカ、香港、台湾、オーストラリア、シンガポール、タイ、マレーシア、フランスとなり、アジア圏からの訪日外国人観光客に人気のサービスであることがわかります。
[年代別]約70%がミレニアム世代に:ユニークで新しい体験を求める
同発表によると、Airbnbインバウンドゲストの約70%が(*)ミレニアム世代であるとのこと。
ミレニアム世代は訪日旅行中に、各地域に住む人たちとのふれあいなどユニークで新しい体験を求めており、そのための近道が、Airbnbのような民泊サービスを利用であるとのこと。
その証拠として、日本に訪れる91%のインバウンドゲストが「暮らすように旅をする」ということはAirbnbを選ぶ1つの重要な指針になっていると回答。ミレニアム世代のような世代にとって、訪日旅行中、日本人のような生活をすることは魅力的なことであるとの予測ができます。
*ミレニアム世代:2000年代に成人あるいは社会人になる世代。 1980年代から2000年代初頭までに生まれた人をいうことが多く、ベビーブーマーの子世代にあたるY世代やデジタルネイティブと呼ばれる世代と重なる。
[支出額]1日当たりの支出額は292ドルに:経済効果にも期待
同発表によると、Airbnbインバウンドゲストの1日あたりの支出額は、平均で292ドル。大阪では264ドル、東京で321ドルとなっています。
また、この支出額のうち、34%を飲食に、40%ショッピングで消費しています。
Airbnbインバウンドゲストの85%が、Airbnbを利用したことで宿泊費が節約できたと感じており、宿泊費が浮いた分を飲食やショッピングにあてていることがわかります。
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まとめ:日本国内で躍進を続けるAirbnb:利用層の把握でインバウンド対策への活用が可能に
今回は、Airbnbのプレスリリースより、日本国内におけるAirbnbインバウンドゲストの同サービス利用状況に関して簡単にまとめてご紹介しました。
インバウンド向け宿泊施設不足や、訪日外国人観光客の地方訪問の増加を背景に、手軽に訪日外国人観光客向けの宿泊施設を提供できるサービスであるAirbnbは、インバウンド業界においてさらなる注目を集めることが予測できます。
訪日外国人観光客のAirbnbの利用実態に関して、少しでも情報を得ておくことで、インバウンド誘致においてさまざまな場面で役に立ちます。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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