アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの監督として知られる富野由悠季さんを理事長に迎え、理事会にはKADOKAWAやJTB、日本航空の代表らが参加。さらには観光庁とも連携を図るという磐石の布陣で、平成28年(2016年)9月16日の発足当初から注目を集めているアニメツーリズム協会。平成28年(2016年)12月12日に、内閣府が公募していた「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」に参画し、アニメ作品に関連した「ロケツーリズム」(通称:聖地めぐり、聖地巡礼)の実証実験を行うことが発表されました。クールジャパンを支える代表的な団体として、ますます存在感を発揮していくことになりそうです。
訪日外国人の聖地巡礼を促進!「アニメツーリズム協会」が発足 アニメの聖地88カ所を選定へ
ドラマや映画、アニメ・漫画のロケ地やモデルとなった土地を訪問する「ロケツーリズム」。そのなかでもアニメや漫画のモデル地となった場所を訪問し、アニメ内と同じアングルで写真をとったり、その世界に入りこんだような感覚を楽しんだりすることを特に「聖地巡礼」といいます。<関連記事>先日9月16日、アニメ・漫画の舞台やモデルになった「聖地」を認定し、アニメや漫画を通じて訪日外国人観光客誘致や地域の観光活性化を図る「一般社団法人アニメツーリズム協会」が発足しました。目次アニメツーリズム協会とは?「聖地」...
今回は、アニメツーリズム協会が取り組むこととなった大ヒットアニメ映画「君の名は。」を活用した事業「アニメの舞台となった地域を核とした拠点間連携による日本の魅力の一体的・効果的発信」の内容をご紹介します。
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発信力の強化、人材育成の推進などを目的とするクールジャパン拠点連携実証プロジェクトとは?
本題に入る前に、「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」について解説しておきましょう。
内閣府は日本のアニメやゲーム、食、ファッション、伝統文化などを海外に発信するクールジャパンに関連した取り組みを推進しています。「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」は、三菱総合研究所(MRI)が内閣府から受託した事業で、全国に点在するクールジャパンの拠点を連携・ネットワーク化することを目的としたもの。
クールジャパンには多種多様な事業者が関わるため、それぞれにはあまり接点がありませんが、連携させることで発信力の強化、人材育成の推進といった効果をもたらす狙いがあります。
訪日外国人観光客側から見ると、アニメやマンガ、伝統文化、食、デザインといった日本文化を楽しみやすくなるだけでなく、各分野の事業者のコラボレーションによって新産業が創出されれば、これまでになかったコンテンツが楽しめるようになる可能性もあります。
アニメ映画「君の名は。」とは?:日本のみならず、海外でも興行収入記録を塗り替えている大ヒット作品
「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」などのアニメ映画作品で知られる新海誠監督が手がけた「君の名は。」は平成28年(2016年)8月26日に公開されて以降、記録的な大ヒットとなり、12月に興行収入200億円を突破。これは「ハウルの動く城」「もののけ姫」「崖の上のポニョ」などの日本では誰もが知っているジブリ映画を上回る驚異的な記録です。
長野・岐阜でインバウンド需要3倍増見込み!? 映画「君の名は。」が海外でも大躍進
今年8月26日に公開された新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」。10月21日の台湾での配給開始を皮切りに、海外での配給が続々とスタートしています。中国では日本映画新記録を樹立しており、昨年100万人が実施した聖地巡礼に拍車がかかることが推測されます。 目次映画「君の名は。」の日本での興行収入、反響「君の名は。」の海外での公開状況:11月以降、主要訪日国で次々と公開「君の名は。」の海外での躍進:米映画賞受賞、中国では新記録インバウンドビジネスへの影響は?昨年は100万人弱の訪日外国人...
11月10日にはタイ、12月2日には中国での上映がスタートし、タイでは数億円規模、中国では100億円に迫る興行収入になり、日本映画歴代1位を達成。両国で「STAND BY MEドラえもん」を追い抜いた格好になります。12月28日にはフランス、2017年(平成29年)1月4日には韓国で劇場公開されることが決定しており、今後も日本映画史を塗り替えていくことが期待されています。
「君の名は。」の聖地でモニターツアーや意見交換会を実施
アニメツーリズム協会が取り組む「アニメの舞台となった地域を核とした拠点間連携による日本の魅力の一体的・効果的発信」の拠点となるのは、そんな世界的なヒット作品となった「君の名は。」の舞台である飛騨エリア。
飛騨エリアで、台湾やタイの「君の名は。」のファン20人を招いたモニターツアーを開催するほか、2017年2月には有識者インフルエンサー、ワーキング委員会などが参加する「インバウンド意見交換会」を実施する予定です。ここでは各クールジャパン拠点をつなぎ、インバウンド観光を盛り上げるための仕組みを検討することになっており、モデルプランの立案も行なわれます。
これらの結果は事業報告書としてまとめられ、アニメ作品を観光資源とした訪日外国人観光客数の増加施策、広域周遊ツアー設計などに活用される予定。いわゆる「聖地巡礼」「聖地巡り」は、日本のアニメファンたちが1990年代から自発的に始めた観光スタイルですが、今後は官民一体となったプロジェクトの一部として強力にプッシュされることになりそうです。
まとめ:アニメツーリズムがさらに加速!
アニメツーリズム協会は12月12日、内閣府が公募していた「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」に参画し、「アニメの舞台となった地域を核とした拠点間連携による日本の魅力の一体的・効果的発信」というプロジェクトに取りかかることを発表しました。
有名ジブリ作品の興行収入を次々と越え、海外でも日本映画歴代1位を達成しているアニメ映画「君の名は。」の聖地で、モニターツアーや「インバウンド意見交換会」などを実施します。アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズで有名な富野由悠季さんが理事長に就任したことなどからアニメツーリズム協会は発足当初から注目を集めていますが、これからはますます存在感を発揮していくことになりそうです。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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