インバウンド需要を取り込むにあたって、「時間軸」を取り入れる動きが出てき始めています。
通常の日本人相手のマーケティングと同様に、ターゲットがいつ・どのような動きをするのか、ということを考えるのはインバウンドにおいても重要味を帯びてきています。
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訪日外国人観光客は夜ヒマ?
インバウンドにおいて「時間」を意識したマーケティングを取り入れた好例はドン・キホーテでしょう。

ドン・キホーテのIR情報によれば、20時〜24時の時間帯に免税商品が突出して売れているとのことです。
「ドン・キホーテ」が訪日外国人に人気の4つの理由|成功のカギは5つのインバウンド対策
先日の記事「ドン・キホーテはなぜ訪日外国人観光客に超人気なのか?:4つの戦略から見える旅行者目線と地域連携の徹底」でドン・キホーテが立てた4つの戦略についてご紹介しました。今回は、引き続きドン・キホーテがなぜ訪日外国人観光客に人気なのか、その理由と具体的なインバウンド対策についてご紹介したいと思います。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次「ドン・キホーテ」が訪日...
これは、ドン・キホーテのメインターゲットに則したマーケティング戦略の賜物であると考えられます。
訪日中国人観光客を始めとした、東アジアの訪日外国人観光客は、従来団体旅行での訪日旅行が、その大半を占めていました(現在は個人旅行割合が急増中)。
そして、ツアー会社が日程を組む団体旅行においては、日中の時間はツアー日程の消化に忙しく周り、訪日旅行者のほんとうの意味でフリータイムはホテル帰宅後の夜〜深夜帯となります。
ドン・キホーテはそこを目につけ、自ら「24時間営業で」「(都市部なら)ちょっと移動すればすぐあって」「いろんな商品が安く買えて」「しかも免税店だからさらにお得」という強みを活かしてインバウンド需要の取り込みに成功したと考えられます。
各社・団体、夜間のインバウンド需要取り込みに乗り出す
上記のような背景もあり、政府や企業、団体が夜間のインバウンド需要の取り込みのための対策を打ち出すケースが増えてきています。
迎賓館が初の夜間公開
政府は昨年12月24日から25日にかけて、東京・元赤坂の迎賓館を初の夜間公開しました。本館もライトアップされ、通常非公開の正面玄関ホールを見学することができます。

Twitter:迎賓館のライトアップを伝える投稿(https://twitter.com/mehori/status/807143240151552000)
クリスマスの期間のライトアップ夜間公開は、試験的なものであり、訪日外国人観光客人気も見込んで今年も継続して夜間公開していく方向で調整しているとのことです。
京都・桂離宮も夜間公開検討へ

また、政府は日本庭園 京都・西京区の桂離宮の夜間公開も検討しています。
日本文化や情緒を感じることができる観光スポットとして訪日外国人観光客からの人気も高く、夜間公開によってさらなる集客を狙う考えとのことです。
京都の寺院などの観光スポットでは夜間特別拝観&ライトアップが定番
同じく京都の各寺院では紅葉を迎える秋の夜間特別拝観とライトアップが有名です。そのなかでも有名なのが清水寺の春・秋のライトアップです。

YouTube:清水寺のライトアップを撮影した動画(https://youtu.be/0qin1N_VXr0)
清水寺は桜と紅葉の名所であり、この時期のライトアップは、訪日外国人観光客にも人気の観光スポットとなっています。
日本橋 明治座は昨年から夜間公園を開始
さらに、東京・日本橋の劇場 明治座は、昨年9月から新しいナイトプログラム「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」を開始しました。
これは、日本の伝統芸能とポップカルチャー、そして最新のテクノロジーを融合させた新しいカタチのエンターテイメントとして打ち出されています。
特徴は開演が夜20時30分からと、遅い時間帯であることです。というのも、日本橋エリアにおいて訪日外国人観光客が楽しめるようなスポット、取り組みがまだ少なかった、そして、高齢層の日本人観客の集客があまり望めない夜の時間帯の施設有効活用を狙ったためです。
<関連記事>
ポップカルチャー×伝統芸能×IT 老舗劇場「明治座」がインバウンド需要を狙ったナイトプログラム
1873年に創建され火災などによる再建を繰り返しながらも、140年以上にわたって興行が続けられている老舗劇場「明治座」(東京都日本橋)。歌舞伎や演歌歌手による公演など、中高年層をターゲットとした舞台が多い一方で、平成28年(2016年)9月から訪日外国人観光客などを対象としたナイトプログラム「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」が組まれています。アニメーション、ゲームなどのポップカルチャーを組み合わせたり、二足歩行ロボット型の電話機「ロボホン」を取り入れたりと変わったパフォ...
まとめ:時間帯を意識したインバウンド対策が重要味を帯びる
訪日外国人観光客が増加するにつれ、ターゲットの母数が増えたことからあらゆる側面からマーケティングをすることが可能になりつつあります。
以前解説した「旅マエ・旅ナカ・旅アト」といった概念のように、今後も続々とインバウンド分野のマーケティングが盛んになってくることは確実で、それらのトレンドを取りこぼさないようにしましょう。
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<参考>
- TripAdvisor:Kiyomizu-dera Temple
- マイナビ:インバウンドを夜に呼び込め! - 明治座が取り組む日本橋活性
- 朝日新聞:「迎賓館の夜間公開、GWも検討の価値ある」菅官房長官
- 訪日ビジネスアイ:桂離宮も夜間公開へ、訪日客4000万人に向けインバウンド対策強化
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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