2020年に訪日外国人観光客を4000万人にしようという政府の呼びかけとともに、各都道府県、宿泊施設、小売店、飲食店などが精力的にインバウンド対応を行っています。
明日の日本を支える観光ビジョンとは?わかりにくい政府や観光庁の取り組みの構造をまとめました
政府は観光先進国への新たな国づくりに向け、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議を行い「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。しかしその取り組みについてわかりづらくなっています。そこでこの記事では、政府の取り組みの全体像についてわかりやすく解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次観光立国に向けた政府の取り組み、団体などの相関図インバウンドに関わ...
ところで、実際に日本を訪れた訪日外国人観光客はどのような行動をとり、訪日旅行でどのような感想を得ているのでしょうか?じゃらんリサーチセンターが、1年以内に日本を訪れた事がある訪日外国人観光客に実施した「インバウンド対応満足度調査」より見てみましょう。
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どのような宿泊施設に宿泊しているのか?
訪日外国人観光客が最も良く利用している宿泊施設は「中価格帯ホテル」だという事がわかります。次いで「高級ホテル」「日本旅館」「リゾートホテル」「格安ホテル」となっており、一般的に多くの訪日外国人が選んでいるというイメージで報道されている「Air BnBなど一般住宅」での宿泊は全体で見るとホテルや旅館を脅かしてはいないことが見てとれます。
国別でアメリカ人は「高級ホテル」を選ぶ割合が高く、シンガポール人には「日本旅館」「Airbnbなど一般住宅」の人気が高く、香港人は「格安ホテル」を選ぶ傾向があることがわかります。
誰と訪日旅行をしているのか?
訪日旅行の同行者に関しては夫婦・パートナーでの旅行が最も多くこれは出身地による差はありません。次いで家族・親戚という回答がありますが、国別で見ると香港人は他の国の出身の外国人に比べて、家族・親戚で訪日旅行をする割合が多い事がわかります。
またシンガポール人、香港人は友人と一緒に訪日旅行を楽しむ割合が他の国の出身の外国人に比べて高いことも伺えます。
旅行前に何を見て旅行計画を立てているのか?
旅行前に訪日外国人が見ている情報源はインターネットによる情報が圧倒的に多く、パンフレット・ガイド、親戚・知人がその次となり、テレビや新聞などのマスメディアは、その他を除くと最も見られていない結果となりました。
中でも最も見られているのは「宿泊施設ホームページ」「検索サイト」「宿泊予約サイト」で、その次が「旅行会社ホームページ」となりました。「日本政府観光局ホームページ」もしっかりと見られており、「口コミサイト」よりも見られているというのは、やや驚きと言えます。
国別には香港人はインターネットからの情報に加えてマスメディアの情報も参考しているのに対し、シンガポール人は「宿泊予約サイト」「日本政府観光局ホームページ」を最も良く見ているという結果となりました。
日本到着後にどのような情報を利用しているのか?
日本到着後に最も利用されている情報としては「到着空港の観光案内所」がトップに来ており、次いで「宿泊施設のスタッフ・コンシェルジュ」「町の観光案内所」などとなっています。
ただ同様に「現地のお店の店員」「現地の人」も多くの訪日観光客が情報として利用していることが伺えます。国別で見るとアメリカ人、フランス人は「観光案内人」を最も頼っており、シンガポール人は「到着空港の観光案内所」を最も利用している事が伺えます。
どのようなサービスが訪日旅行を楽しむために必要だと思うか?
どのようなサービスがあれば訪日旅行が楽しいものとなるのか?という質問に対しては、「公共交通の乗り方の利便性」「おいしい飲食店の多さ」がほば同程度重要とされており、次いで「地元の人のホスピタリティ」「無料公衆無線LAN環境」が上げられています。世界的に高い水準を誇る日本の「公共交通機関の快適性」は5番目となっています。
どのようなサービスが訪日旅行で良かったか?
訪日旅行で良かった点としては「おいしい飲食店の多さ」がトップで「地元の人のホスピタリティ」「魅力ある飲食店の多さ」がトップ3となっており、食文化とホスピタリティが高く評価されていることが伺えます。
また「公共交通の乗り方の利便性」「ショッピングを楽しめるお店の多さ」「魅力あるレジャー・観光スポットの多さ」も高く評価されているようです。
どのようなサービスが訪日旅行で良くなかったのか?
訪日旅行に関してどのような点を不満に感じているのか?という質問に対しては「あてはまるものはない」というか回答も約3割あるなか、「地元の人との多言語でのコミュニケーション」「飲食店スタッフの多言語での対応力」「観光施設のスタッフの多言語での対応力」「宿泊施設のスタッフ・コンシェルジュの多言語での対応力」など言語コミュニケーション能力に関する項目が目立ちます。
また訪日旅行では良く叫ばれる「無料公衆無線LAN観光」についての不満も第3位となっています。
まとめ
興味深い結果が見てとれますが、特に「旅行前に何を見て旅行計画を立てているのか?」という項目と「日本到着後にどのような情報を利用しているのか?」に関しては、インバウンド対応を行っている各事業者にとっては非常に参考になるデータではないでしょうか?これらのデータから明確に言えるのは、
- 地方観光協会のホームページの情報が充実している事も重要だが、そもそも宿泊施設のホームページが多言語対応など訪日外国人観光客が見やすい状態である必要がある。
ただ翻訳するだけじゃダメ!?長野県公式観光サイト【さわやか信州旅.net】に見るホームページの外国語対応のやり方
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- 訪日旅行で最も喜ばれているのは「日本の飲食店」自体の魅力である。つまり飲食店にとってインバウンド対応は大きな課題である。
- 飲食店、観光施設、宿泊施設において多言語対応出来ない=訪日外国人観光客の不満に繋がってしまう。英語が出来るスタッフを常駐させる、もしくは各種の「指差しツール」を使用しての対応が必要である。
といったポイントです。「日本を訪れて本当に良かった」と全ての訪日外国人観光客に思ってもらえるよう、さらなる工夫が必要だと言えるでしょう。
<参考>
- リクルートライフスタイル:インバウンド対応満足度調査 結果報告
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