ヒンドゥー教徒の食事 | 食材の制限やタブー・調理と接客で気を付けるべきこと/飲食店のインバウンド対策

公開日:2017年03月02日

訪日外国人の中には、宗教的理由から、口にできる食材が決まっていたり、調理器具の取り扱いに注意が必要だったりするケースもあります。

訪日外国人の国籍も多様になっており、またどの市場も年々拡大傾向にあります。

訪日外国人の接客をする際に注意したいのが、戒律によって「食べてはいけないもの」が決められていることです。 ヒンドゥー教徒の多いインドからの訪日旅行客も、国内の経済成長を背景に増加しています。

この記事では、インバウンド対策で重要なヒンドゥー教の食事について基礎知識から実践まで解説します。

【基礎知識】ヒンドゥー教徒とは

ヒンドゥー教徒とはヒンドゥー教に従う人々です。ヒンドゥー教徒が世界で最も多いのはインドで、 ヒンドゥー教徒全体の80%以上がインドの人 だと言われています。

その次にネパール、スリランカ、バングラディシュと続いていきます。日本ではあまり馴染みのないヒンドゥー教ですが、実は日本で神様として崇められている毘沙門天、韋駄天、阿修羅などはヒンドゥー教においても違う名で知られる神様です。

ヒンドゥー教徒が食べてはいけないものとは

厳格なヒンドゥー教徒は肉食全般を避けるため、牛、豚、鶏、魚介類全般、卵を食べません。

また仏教徒と同じく五葷(ごくん:ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)と呼ばれるネギ科の植物は、臭いが強いため修行のさまたげになるという理由から食べられません。

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ヒンドゥー教徒と肉類

一般的に乳製品は大量に摂取する傾向が強く、 カーストが高い位の人ほど肉食を避ける 傾向があります。中には肉を食べる人もいますが、その対象は鶏肉、羊肉、ヤギ肉に限定されます。

牛は宗教上神聖な生き物とされているため、食べることが禁忌 とされています。

また 豚は不浄な動物 と見なされており、厳格なヒンドゥー教徒の中には肉類に触れた調理器具で料理が作られることや、肉類が触れた食器で料理が提供される事に嫌悪感を持つ場合もあります。

やはり、宗教別のインバウンド対策において特に注意すべきは牛肉、豚肉であり、ヒンドゥー教でも同じことが言えます。

【実践】ヒンドゥー教徒向けに飲食店が注意すべき食材

ヒンドゥー教徒にとって 一般的に生ものは食べる習慣が無く 、不浄の観点から他人の料理を取り分けることに拒否感を感じる方がいます。

中には異なるカーストと食事を共にすること、ノンベジタリアンと一緒に食事することを嫌がるベジタリアンもいます。

1. 牛肉

ヒンドゥー教の三大神の一人であるシヴァ神が牝牛に乗っているため、ヒンドゥー教徒にとっては 牛は神聖な生き物 であるため、食べることは禁忌とされています。

当然、牛肉や骨などから作られるブイヨン、ゼラチン、肉エキスが含まれた食べもの、そうした物を利用して作られた料理を食べる事はできません。

2. 豚肉

豚肉はヒンドゥー教の教えでは不浄なもの とされているため、基本的にヒンドゥー教徒が豚肉を食べることはありません。

牛肉と同様に豚肉そのものだけではなく、ブイヨン、ゼラチン、肉エキス、ラードなど豚の肉、骨などから作られたものも避けなければいけません。

3. 魚介類

多くの肉類と同様に魚介類を食べないヒンドゥー教徒も多く、生であろうと調理されたものであろうと食べる事ができません。

日本料理には欠かせない鰹節を使用した料理全般も口にできないので、昆布出汁で代用するなどの工夫が必要です。

まとめ:ヒンドゥー教徒向けインバウンド対策とは

ヒンドゥー教では肉食全般、魚介類全般を避ける傾向が強い ため、ヒンドゥー教徒の訪日外国人観光客に純粋な日本料理を楽しんでもらおうとするのは難しいと言えます。

ただ、五葷(ごくん:ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)を除くベジタリアン向けの料理で、昆布出汁を使用した料理であれば食べる事が出来るヒンドゥー教徒も多いでしょう。

いずれの場合も予約時や食事の提供前に、口にしてよい食材とそうでないものを確認することが、インバウンド対策として重要となります。

<参照>

観光庁多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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