訪日客の9割が自国語対応の防災アプリを望んでいる…訪日アジア圏観光客は日本人よりも高い防災意識!?意識調査で明らかに

「インドに行くなら、水には注意」「ヨーロッパに行くなら、スリ、ひったくりに気を付けないといけない」。海外旅行に行く際に、そういった話を聞かされた経験のある人は多いのではないでしょうか。自国とは違い、勝手の分からない国外で発生しやすいトラブルは、イメージとして共有されているものです。本当にそれが最も可能性の高いトラブルで、一番注意すべきことなのかというと難しいところですが……。

NTTレゾナントは平成29年(2017年)3月9日、各国の訪日外国人観光客などを対象にしたアンケートを行い、防災意識に関する調査を実施。その結果、日本人に劣らないほど、強く災害対策を求めていることが明らかになっています。きっと「日本=危険な災害が多い国」というイメージがインバウンドにおいて広まっているのでしょう。

 

訪日外国人観光客は、日本人よりも防災意識が高い!?

NTTレゾナントがアンケートの対象としたのは、インバウンド主要市場である中国、韓国、台湾の訪日経験者。いずれも訪日外国人観光客数の多い国です。「防災への取り組み状況」をテーマにした質問内容は、以下の通りとなっています。

  • 避難袋の準備
  • 避難袋の中身の賞味期限の確認
  • 家族間の避難場所の確認
  • 被災時の家族間での連絡方法
  • IT関連での防災情報の収集準備
  • アナログでの防災情報の収集
  • 自宅の地震対策
  • 地震保険の加入
  • 特になし



中国・台湾・韓国での防災への取組状況
中国・台湾・韓国での防災への取組状況 出典:NTTレゾナント株式会社

防災対策として日本人のあいだで必要視されている内容ばかりですが、全体的に中国、台湾人のほうが取り組んでいる割合が高いという結果になっています。日本にいる期間がより長いであろう日本人よりも、災害に対して敏感であることが伺えるのではないでしょうか。

過去の大規模震災が日本へ旅行することの障害になるか
過去の大規模震災が日本へ旅行することの障害になるか 出典:NTTレゾナント株式会社
日本で被災した場合の対処方法を知っているか
日本で被災した場合の対処方法を知っているか 出典:NTTレゾナント株式会社

「過去の大規模震災が日本へ旅行することの障害になるか」「日本で被災した場合の対処方法を知っているか」という旨の質問では、全体の約半数が「多少の障害になる」「何となく知っている」と回答していることからも、同様の傾向を認めることができます。

ご存知の通り、日本国内では避難訓練、災害時の情報共有ができる環境の確保といった各種防災対策が行なわれています。しかし、その多くは日本人を対象としたもので、訪日外国人観光客にとっては「言葉の分からない自分は大丈夫なのか」と不安を感じるのかもしれません。「日本で被災した場合に最も困ること」という質問項目では「日本語へ通訳」を回答する人が最も多く見られるほか、 約9割の回答者が自国語に対応した防災アプリをインストールしておきたいと回答 しています。

いくら地震大国として知られる日本といえ、避難しなければならない規模の大地震が頻繁に起こっているわけではありません。「ある訪日外国人観光客が日本旅行を行い、ある場所に滞在しているときに、震災が発生する確率は……」と考えてみると、かなり低い数値が出てしまうのではないでしょうか。それよりも交通事故や悪天候、体調不良といった問題で、旅行が楽しめなくなる可能性の方が高いかもしれません。

だからといって、このような不安の声に応えないわけにはいきません。熊本地震が発生した際には、訪日外国人観光客向けの地震避難対策が不十分だったため一部でトラブルが発生しており、このことは課題として広く認識されています。

 

広まりを見せている、訪日外国人観光客向けの防災ツール、避難訓練

地震をはじめとした災害の多い国だからこそ、特に配慮しなければならない防災対策。訪日外国人観光客の増加に伴い、外国人向けの避難訓練やツールの開発などは盛んに行なわれています。いくつか事例を紹介していきましょう。

防災アプリ

先に取り上げたNTTレゾナントは、多言語対応を行った「goo防災アプリ」の運用を行っています。気象情報、防災情報、安否確認、防災マップといった各種機能を、日本語、英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語の5ヶ国語で利用できるようになっています。

外国人でも使える防災アプリはこのほかにも開発されています。たとえば、WHERE、協和エクシオによる「EXDefender」では日本語、英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語に加え、フランス語、ドイツ語、タイ語などに対応しています。

避難訓練

訪日外国人観光客を考慮した避難訓練も徐々に広まっており、スカイツリー(墨田区)や六本木ヒルズ(港区)、浅草などで開催されたことが報道されています。東京以外の地域でもマニュアルや震災時用のコールセンターの準備などが進められています。

 

まとめ:防災もインバウンド対策のうち?

NTTレゾナントがアンケート調査を行った結果、中国、韓国、台湾の訪日経験者は日本人以上に防災意識が強いということが明らかになりました。「インドに行くなら、水に気をつけろ」という風に、国外でのトラブルはイメージとして根付いていることが多々ありますが、日本の場合は「災害に気をつけるべき」と認識されているようです。

インバウンドビジネスの盛り上がりに伴い、訪日外国人観光客向けの防災対策は積極的に行なわれてるようになっており、多言語化したアプリの開発などが行なわれています。

<参考>

 

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