レゴランド 経済効果は659億円と試算!しかし国内では炎上騒ぎに…レゴランドは名古屋インバウンドの救世主か その可能性を探る

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先日2017年4月1日に愛知県名古屋市内にオープンした「LEGOLAND Japan(以下、レゴランド)」。レゴランドは日本には初上陸で、世界では8か所目となる施設で、2歳から12歳までの子どもを持つ家族をターゲットとして世界中で人気のテーマパークとなっています。

インバウンドではゴールデンルート直下にあることから、一定のインバウンド訪問率を誇る愛知県 名古屋ですが、実際の所その観光資源は少ないと言われており、新たな観光名所として期待されています。

しかしながら、レゴランドの開園直後から、SNSや各メディアで「酷評」が相次いでいます。何故、このような「炎上」騒ぎになってしまったのか、そして海外のレゴランドの評価などにふれながら、レゴランドのインバウンドでの可能性を検証していきます。

 

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レゴランドとは:LEGO(レゴ)のテーマパーク 世界で8ヶ所目

デンマークの人気玩具メーカー、LEGO(レゴ)が名古屋市港区に展開するテーマパーク「レゴランド」が、先日4月1日にオープンしました。室内型のLEGO(レゴ)施設は、既に東京・大阪で「レゴランド・ディスカバリー・センター」としてオープンしていますが、屋外型は日本初。世界で7カ国8カ所目となります

敷地面積は約9万平米で、320億円を投じ、約40のアトラクションを提供して年間200万人の集客を目指すとしています。入場料は大人6900円、ターゲット層となる3~12歳の子供5300円という価格設定となっています。

レゴランドは何故名古屋にオープンされたのか:強気の価格設定も「名古屋」が理由

レゴランドのオープン地が名古屋となった理由については、運営会社のトーベン・イェンセン社長は
> 「首都圏には東京ディズニーリゾート(TDR)、大阪はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)がある。その間に位置する名古屋は(開業に)最適だ。3世代同居も多い」―毎日新聞:強気の価格設定、理由は祖父母マネー レゴランド開業より
と語っており、競合となるディズニーランド(ディズニーリゾート)やユニバーサルスタジオジャパン(USJ)を睨んだ地理的戦略からとのこと。

また、入場料が大人6900円、子供5300円と強気な価格設定であることについては、毎日新聞によれば、

中部圏社会経済研究所の難波了一研究員は「名古屋圏は裕福な高齢者も多く、孫が行きたいと頼めばお金を出すこともあるだろう」。祖父母マネーが見込めることも、強気の価格設定につながったのかもしれない。―毎日新聞:強気の価格設定、理由は祖父母マネー レゴランド開業より
とのことで、名古屋を内包する中部地方は”親子孫”の3世代が同居する世帯率が全国平均よりも高く、また裕福な高齢者が多いことから「祖父母の財布」を狙った戦略だと考えられます。

 

 

なぜレゴランドは「炎上」しているのか

さて、4月1日にオープンを果たしたレゴランドですが、Twitterを始めとしたSNS上でデマ情報が拡散されている事態となっています。

Twitterで流れるレゴランドの年パスについてのデマ

Twitterで流れるレゴランドの年パスについてのデマ

これはレゴランドの年パス(年間パスポート)に関するツイートです。「年間パスポートであるにも関わらず再入場ができないのはいかがなものか?」という趣旨で同様のツイートが散見されます。

しかしながら、これは室内型の「レゴランド・ディスカバリー・センター大阪」のQ&Aのスクリーンショットであり、以下のように切り取ったものです。

レゴランド・ディスカバリー・センター大阪のQ&Aスクリーンショット

レゴランド・ディスカバリー・センター大阪のQ&Aスクリーンショット

あえて「OSAKA」の部分を除いていることを見るに、意図的にくり抜いたように見受けられます。

その他、レゴランド施設内で購入できるハンバーガーセットが非常に貧相であるとの画像が出回ったり、上掲の「レゴランド・ディスカバリー・センター大阪」の”大人のみ入場不可”の部分がくり抜かれて拡散されたりなど、Twitter上でレゴランドに関するデマが拡散され、「炎上」状態にあるという事態となっています。

これらは、

  1. 新規テーマパークのオープンというニュース性
  2. 感覚的に強気な価格設定であるという「炎上の下地」とも言うべき状況があった
  3. Twitter上でのリツイート・いいねなどでの拡散狙い

などの背景があった上でデマ情報による「炎上」騒ぎになっていると考えられます。

現在では、Twitter上はもとより、あらゆるブログやメディアなどで実際に訪問した人の声があがってきており、「これはデマである」という情報が出回ってきていることから、今のところ事態は沈静化してきている模様です。

 

レゴランドのインバウンドでの可能性は?

日本国内では「炎上」騒ぎによって、意図せず知名度を上げたレゴランドですが、インバウンドにおけるレゴランドの可能性はどうでしょうか。

海外のレゴランドの評価

海外で既に開演されているレゴランドの評価を見てみましょう。LEGO(レゴ)の本拠地であるデンマークはビルンにあるレゴランドは1968年に開園しました。

TripAdvisorトリップアドバイザー)上での評価は2,982 件の口コミがついており、点数は5点満点中4.5点と、かなりの高評価を得ています。

レゴランド ビルンの口コミ:TripAdvisorより

レゴランド ビルンの口コミ:TripAdvisorより

注目すべきは口コミの言語内約です。デンマークの母国語であるデンマーク語よりも、英語を始めとした多国語による口コミが数多く投稿されています。

レゴランド ビルンの口コミ言語別内約:TripAdvisorより

レゴランド ビルンの口コミ言語別内約:TripAdvisorより

このことから、世界的ブランドであるLEGO(レゴ)の運営するレゴランドは、日本での開業が世界で8ヶ所目というレアリティからも、インバウンドにおいても一定の集客力を期待できるのではないでしょうか。

海外でのLEGO(レゴ)の知名度

では、実際の所海外でのLEGO(レゴ)の知名度はどれほどなのでしょうか。前述のTripAdvisorトリップアドバイザー)の口コミからも、世界中での知名度があることは伺えますが、日本のインバウンド主要顧客である中国でも、その知名度は高いようです。
> 日本でもよく知られているレゴブロック。中国でも以前からデパートのおもちゃ売り場やトイザらスで販売されていたが、当時は価格の高さもあって、あまり人気がなかった。また、安価な類似品がすぐに出回るお国柄なので、案の定、同じコンセプトの類似品が続々と登場。中には“レゴブロックの互換ブロック”まで販売される始末だった。―日経トレンディ:中国でレゴが人気! 安価な類似品に差をつけたポイントとは!?
と、中国お家芸ともいえる模造品が出回るほどの人気となっています。また、日経トレンディによれば、レゴ(LEGO)が知育玩具として習い事となっているほどに生活に浸透しているといいます。

このことからも、従来からゴールデンルート直下ということもあり訪日中国人観光客の訪問率が高かった名古屋にとっては、インバウンド需要を取り込むチャンスといえそうです。

名古屋のインバウンド向け観光資源の少なさ

しかしながら、名古屋は観光資源の乏しさが課題となっていました。ゴールデンルートの中心部であることや中部国際空港(セントレア)を擁することも含め、各地域へのハブとなる地域としてインバウンドで活躍してきた名古屋地域ですが、滞在してもらう為のコンテンツが少なかったと言えます。

そこにきての、今回のレゴランド開業ですので、名古屋としても、そのインバウンドに置ける期待もひとしおです。日刊工業新聞によれば、

来場予定者は2016年3月期に3019万人のTDR、同1390万人のUSJより1ケタ少ない。だが、地元の期待は熱い。中部圏社会経済研究所(名古屋市中区)は、開業の年間経済効果を659億円と試算。名古屋市観光推進室の担当者は「港エリアの集客の目玉になる。希望があれば、他施設との連携も支援したい」と意気込む。―日刊工業新聞:名古屋にテーマパーク−「レゴランド」来月開業
と、その経済効果について659億円を期待しており、地域連携も含めてレゴランドを中心とした観光地域づくりを進めていく意気込みの模様です。

 

 

まとめ:レゴランド 名古屋のインバウンドのキラーコンテンツなるか

今年4月1日に名古屋にオープンしたレゴランド。世界8ヶ所目のオープンということもあり、注目を集めています。国内ではSNS上で「炎上」状態になったものの、実際はデマの拡散が主であり、現状は沈静化に進んでいます。

海外での例から言っても、LEGO(レゴ)はインバウンド向けコンテンツとして充分魅力的であり、今までインバウンドを滞在させるための観光資源に乏しく、ハブとしての機能をしていた名古屋にも、インバウンドに置ける光明が見えてきたかもしれません。

 

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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