キュレーションメディアでインバウンドの地方誘致を 熊本のDMO「くまもとDMC」が「おるとくまもと」オープン 熊本県の情報を"正しくキュレーション"

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地域のグルメや文化、風習などに精通し、地域と連携しながら観光地づくりを進めるDMO(Destination Management Organization/デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)。観光庁ではかねてから、国内でその役割を担う「日本版DMO」の形成、確立に向けた取組が行われています。

最近インバウンドで良く耳にするDMOって何?そもそもDMOとは何なのか、なぜ日本のインバウンドにもDMOが必要なのかを解説

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DMOネットとは?観光庁が日本版DMOの形成を支援

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古民家など100棟活用でインバウンド市場拡大を目指す

本日4月19日、エクスペディアグループで世界最大級のバケーションレンタル会社「HomeAway(ホームアウェイ)」と日本最大級の広域連携DMOの「せとうちDMO」が業務提携を開始することをHomeAwayとせとうちDMOの業務提携発表会で発表しました。HomeAwayとせとうちDMOの業務提携発表会目次HomeAway・せとうちDMO 業務提携開始HomeAway(ホームアウェイ)・せとうちDMOの業務提携概要古民家など歴史的建築物100棟を活用HomeAway(ホームアウェイ)とは:世界...

その「日本版DMO」のひとつである、くまもとDMCは平成29年(2017年)4月10日に、熊本県のキュレーションメディア「おるとくまもと」を立ち上げたことを発表しました。

キュレーションメディアというと記憶に新しいのは、「肩こりの原因は守護霊」「風邪には家系ラーメンが効く」といった信ぴょう性の疑わしい記事を公開していたことから物議を醸した「WELQ騒動」。キュレーションメディアというフレーズ自体に、悪い印象を持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「おるとくまもと」ではしっかりした記事作りでそのようなトラブルを回避するほか、人材育成、ECサイト運営などを行い、地域観光マーケティングに注力するとしています。地域振興にとって、キュレーションメディアは有効な手段なのでしょうか。今回は「おるとくまもと」のアプローチをご紹介します。


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一時はもてはやされたが、いいかげんな運営体制が批判されているキュレーションメディア

そもそもキュレーションメディアとは、どのようなものなのでしょうか。

キュレーション(curation)とは英語で「人力で情報を収集、整理などを行うこと」を意味します。もともと、これを行う人はキュレーター(curator)は図書館や美術館などで資料の管理業務を行う専門職、学芸員をを指していましたが、2010年ごろからインターネット上の情報をまとめて記事を作る人に対しても使われるようになりました。このため、キュレーションメディアは「まとめサイト」と表現されることもあります。

キュレーションメディアは一時、新たなメディアの形態としてもてはやされました。DeNAが、「iemo」「MERY」という2つのキュレーションメディアを買収するのに、50億円を費やしていたことからも、その勢いのほどが伺えるのではないでしょうか。

しかし、本来の「キュレーション」と異なり、知識を持たない人物が記事制作を行う体制や、文章、画像などの著作権を軽視することが多いことなどが次第に問題視されるように。それが一気に知れわたったのが「WELQ騒動」です。この一件により、他社メディアでも記事公開を自粛するなどの動きが起こっています。

「WELQ騒動」以前に問題視された事例として有名なのは、旅行者向けに旅行のをテーマにした媒体に関するもの。キュレーションメディアには、記事を低コストで大量生産する傾向があり、本来、遠方への取材が必要な同テーマとはあまり相性が良くありません。しかし、ブログや海外メディアなどから画像や文章を盗用することで記事を制作し、それが発覚したことから、ネット上で批判の声を集めていました。

従来のキュレーションメディアと「おるとくまもと」の違いは?

そんなキュレーションメディアという形態で、くまもとDMCが「熊本再発見メディア『おるとくまもと』」を立ち上げるのは、なぜなのでしょうか。

同社は「昨今、地域情報を紹介するキュレーションメディアは人気の媒体でありながら、実際には該当地域以外の人によって記事作成されてきたケースも多く、実際に取材していないことが原因で、『訪問したが閉店してしまっていた』などトラブル発生しています」と、取材を怠るキュレーションメディアの制作体制を指摘。

対して、「おるとくまもと」では、スタッフがしっかりと現地取材を行い、「地元の人ならではの魅力ある文化・観光情報、飲食店お土産、地域物産などを国内外へ発信」するとしています。リリース情報の中では、キュレーションに「(観光や食の魅力を発見する)目利き」という訳語を当て、専門的な能力を必要とする従来の意味に近い使い方をしています。言ってみれば、”正しいキュレーションメディア”を運営する考えのようです。

キュレーターには、くまもとDMCのスタッフのほか、平成29年(2017年)夏に開校する「おるとくまもと未来大学(仮称)」で、地域観光マーケティングについて学んだ人材などを登用する予定。また、くまもとDMCのスタッフが厳選したホテル旅館、グルメのECサイトも開設するとしており、商品のキュレーションも行われます。

まとめ:目利き(キュレーション)で厳選した情報を発信!

「日本版DMO」のひとつ・くまもとDMCが、熊本県のキュレーションメディア「おるとくまもと」を開設。従来のキュレーションメディアと異なり、現地取材のうえで記事制作を行うほか、人材育成を行ったキュレーターの採用なども行うとしています。

精通した人物による情報整理という意味合いが強いキュレーションの元の意味に近いコンセプトといえるのではないでしょうか。

<参考>

  • [日本初の地域銀行と自治体が出資する「日本版DMO」のくまもとDMCが熊本再発見メディア「おるとくまもと」をオープン 株式会社くまもとDMC](https://k-dmc.co.jp/%E6%96%B0%E7%9D%80%E6%83%85%E5%A0%B1/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%9D%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%A8%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E3%81%8C%E5%87%BA%E8%B3%87%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88dmo/)
  • おるとくまもと

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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