和歌山県北部に位置する紀美野町が、町のPRに作成した動画が話題をよんでいます。通常は観光やインバウンドを目的とした動画プロモーションは、その町の良いところをPRするものですが、紀美野町が作成した動画は「豊かな自然や沢山の見どころがあるにも関わらず、関西国際空港、高野山から車で1時間の紀美野町を訪れる訪日外国人は”ゼロ”」と逆説的にその魅力をアピール するユニークな動画となっています。
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和歌山県紀美野町 観光PRムービー「訪日外国人観光客”0”の町」
西日本の空の玄関口である関国際空港にやってくる外国人は年間1200万人、日本仏教における聖地の1つとして有名な高野山に滞在する外国人は年間7万6千人いますが、車で僅か1時間の距離にある和歌山県紀美野町を訪れる訪日外国人はゼロである という紹介から動画は始まります。
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その後、地元の野菜で作った野菜ジェラートが食べられる「キミノーカ」、ベジタリアン料理が楽しめる「くらとくり」などのおすすめスポットの紹介、日本有数の星空の名所である紀美野町には「みさと天文台」があるなどといった内容が紹介されています。
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実際に紀美野町を訪れた訪日外国人観光客はゼロなのか?
こうした動画の反響などから、紀美野町を訪れたいと思う外国人観光客も増えていくと思われますが、日本・内閣府のまち・ひと・しごと創生本部が運用している、地域経済分析システム(RESAS(リーサス))で見るとどうなのでしょうか?
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地方自治体、インバウンド事業者の皆さん、 地域経済分析システムRESAS(リーサス)についてご存知でしょうか?これは人口急減・超高齢化という日本が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるようにということで、内閣に設置された「まち・ひと・しごと創生本部」が、平成27年4月1日より、地方自治体による様々な取り組みを情報面・データ面から支援するために供用を開始したものです。地域経済分析システムRESAS(リーサス)には、地...
これは実際に地域経済分析システム(RESAS(リーサス))で、2015年8月から2016年7月に和歌山県紀美野町周辺を訪れた外国人を、地域経済分析システム(RESAS(リーサス))の観光マップ「外国人メッシュ」で見たものです。
こうして見ていくと、和歌山市、海南市、また高野山で知られる高野町にはインバウンド流入が相当数あることがわかりますが、たしかに紀美野町を訪れた外国人観光客は、限りなくゼロに近いということがわかります。
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観光庁より発表される
紀美野町の見どころは?
動画の中では訪れるところはあまり無いとしている和歌山県紀美野町ですが、季節ごとに様々なイベントを開催しており、紀美野町観光協会が作成している「きみのめぐりコンシェルジュ」という、町の紹介をしているウェブサイト(ホームページ)においても、日本語の他に、英語、中国語、韓国語で多言語化されたウェブサイト(ホームページ)が用意されており 、しっかりと町をPRしています。
その 「きみのめぐりコンシェルジュ」によれば、以下のようなイベントが開催されているようです。
時期 | イベント |
3月下旬 | 熊野神社春祭り 生石高原山焼き |
7月初旬 | みさと七夕フェスティバル |
8月15日 | きみの夏祭り |
10月 | 野上八幡宮秋祭り 十三神社秋祭り |
11月下旬 | 柿の市 |
まとめ:動画だけでなく、各種SNSとの連携が必要
「訪日外国人は誰も訪れないが、見どころは沢山ある」という形での町の紹介はユニークです。ただ、紀美野町がYoutube上で公開している動画の中で再生件数が多い動画は、日本語で作成された「和歌山県紀美野町 観光PRムービー「最高の‘ない’がここにある」」とタイトルがつけられた動画(再生件数は5月時点で35,965回)のみとなっており、もう1つ公開している「和歌山県紀美野町 観光PRムービー「訪日外国人観光客”0”の町」」とタイトルがつけられた動画、そしてこの動画の各国語バージョンの再生件数は伸びていません。
海外の人気の観光地の例を見ても、「動画を作成してYoutubeにアップロードすれば話題になる」というほど単純なわけではなく、ウェブサイト(ホームページ)、Facebookページ、Youtubeチャンネル、Instagram、Twitter、Google+などのアカウントを作成して、それぞれをしっかりと運用することが必要 になってきます。世界の観光地として有名なパリ、ニュージーランドなどを見ても、各チャンネルごとに下記のような対応をしています。
メディア | 施策 |
---|---|
ウェブサイト(ホームページ) | 最低限多言語対応をする、各種SNSへのリンクを付ける |
Facebookページ、Google+、Twitter | 季節ごとのイベント情報の発信、「今日の一枚」などで写真を通じた紹介 |
Youtubeチャンネル | 見どころを取材した動画コンテンツ、ユーザーが観光時に撮影、Youtubeに投稿した動画を集めて再生リストを作成するなど(CGMの活用) |
「今日の一枚」などで写真を通じた紹介、ハッシュタグの有効活用 |
どのような運用が正解という事はありませんが、世界でも人気の観光地が人気なのは、単純に美しい自然風景があるから、地理的に恵まれているからだけとは限りません。世界で人気の観光地は、こうした各種SNSの運用を見ても先進的な試みをしています。 各種SNSの運用についてはページの開設などは無料で出来ますし、「どのような事例が世界的に受けるのか?」という視点でPDCAを回して行けば、徐々にではありますが効果が出てくるでしょう。
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<参考>
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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