訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では 地方にもスポットライトが当たり始めています。
観光庁が2017年6月30日にリリースした宿泊旅行統計調査によると、2017年4月に地方部に宿泊した訪日外国人観光客数は、一昨年・去年と比べてそれぞれ 10.2%、17.2%と増えており、地方部を滞在先として選ぶ訪日外国人観光客が着実に増えていることがわかります。
そのような状況の中、訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行では、2016年10月に四国地方に関するインバウンド観光レポート「四国のインバウンド観光動向-DBJ/JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)結果等から-」を発表。四国地方を訪れる訪日外国人観光客の実態を紹介しています。本資料をもとに、2回に分けて 四国地方におけるインバウンド観光の特徴 をご紹介します。
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四国4県の2016年の訪日客延べ宿泊者数は過去最高の649,910人に! 香川県では実に前年比70%増の訪日客が訪問
観光庁の宿泊旅行統計調査 によると、2016年に四国地方に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、過去最高となる649,910人を記録しました。
県別にみると、
- 徳島県では69,450人(前年比19%増)
- 香川県では358,360人(前年比70.3%増)
- 愛媛県では146,700人(前年比37.3%増)
- 高知県では75,400人(前年比14.4%増)
となっており、どの県でも 前年(2015年)を上回る訪日外国人観光客が訪れました。
なかでも香川県の前年比70.3%増という数字は全国でもトップであり、四国地方はインバウンド業界にとって注目の地域であることが把握できます。
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訪日外国人観光客が多い順番①香川県②愛媛県③徳島県④高知県
日本政策投資銀行が発表した「四国のインバウンド観光動向-DBJ/JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)結果等から-」内のアンケート調査では、2011年から2015年までの四国4県における訪日外国人の訪問者数を紹介しています。ランキングは以下の通り。
- 2011年:①香川県(104,000人)②愛媛県(69,000人)③徳島県(42,000人)④高知県(26,000人)
- 2012年:①愛媛県(88,000人)②香川県(82,000人)③徳島県(67,000人)④高知県(28,000人)
- 2013年:①香川県(118,000人)②愛媛県(83,000人)③徳島県(60,000人)④高知県(56,000人)
- 2014年:①香川県(179,000人)②愛媛県(117,000人)③徳島県(56,000人)④高知県(50,000人)
- 2015年:①香川県(244,000人)②愛媛県(108,000人)③徳島県(66,000人)④高知県(56,000人)
1位と2位(香川県と愛媛県)が逆転した2012年を除き、四国4県において訪日外国人観光客数が多い順番は、 香川県・愛媛県・徳島県・高知県 となりました。
アジア圏のみならず欧米豪圏の訪日外国人からも人気の観光地に
日本政策投資銀行が発表した「四国のインバウンド観光動向-DBJ/JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)結果等から-」によると、四国地方は、主にアジア圏出身の訪日外国人観光客に人気の観光地 になっています。
2015年には、韓国(93,000人)、台湾(52,000人)、中国(64,000人)からの訪日外国人観光客数が 全体の50% を占めています。
また、四国4県にはアジア圏のみならず、 欧米豪圏からも多くの訪日外国人観光客が訪れています。 2015年には、42,000人の訪日アメリカ人観光客が四国に訪れており、この数は韓国、台湾、中国に続く第4位です。
加えて、イギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパ圏やカナダやオーストラリアからの訪日外国人観光客数は、 東南アジア圏から訪れた訪日外国人観光客数よりも多い 結果になっており、一概にアジア圏からの訪日外国人観光客から人気とは言えず、さまざまな国・地域から旅行客が訪れています。
人数こそ少ないものの「訪問率」で言えばアジア圏よりも欧米豪圏の訪日外国人の方が四国を訪れている
上記のグラフは、日本政策投資銀行が発表した「四国のインバウンド観光動向-DBJ/JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)結果等から-」に記載されている 「訪問率」 に関する数値をまとめたものです。
「訪問率」とは、 訪日旅行中に四国を訪れたと答えた各国出身の訪日外国人のうち、全体を100%とした場合、何%が四国を訪れたのか を表す数値です。例えば、韓国を例に出すと、2015年に日本を訪れた全体の韓国人のうち、0.6%が四国を訪れたことを意味します。
このグラフから把握できることは以下の点です。
- 先述の通り四国地方では2015年、韓国、台湾、中国などの訪日外国人観光客数が全体の50%と多くを占めたにも関わらず、 アジア圏からの訪日外国人観光客の訪問率は高くない。
- 訪日イタリア人観光客(3.2%)や訪日イギリス人観光客(2.3%)、訪日フランス人観光客(2.3%)など、欧米豪圏からの訪日外国人観光客の四国への訪問率は、アジア圏よりも高い。
四国に訪問した人数こそ少ないものの、欧米豪圏からの訪日外国人観光客は、アジア圏からの訪日外国人観光客よりも訪日旅行の際、 四国地方を目的地として組み込む可能性が高い ようです。
まとめ:欧米豪圏からの訪日外国人も取り込みインバウンド観光において好調の四国地方
2016年10月に四国地方に関するインバウンド観光レポート「四国のインバウンド観光動向-DBJ/JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年度版)結果等から-」から、四国地方を訪れる訪日外国人観光客の実態を紹介してきました。今回は前編。
2016年に四国地方に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、過去最高となる649,910人を記録し、中でも香川県では 前年比70.3%増と記録的な増加 となりました。
四国地方では、基本的に香川県・愛媛県・徳島県・高知県の順番で訪日外国人観光客が多く、アジア圏のみならず欧米豪圏からも多くの訪日外国人観光客が訪問しており、人気の観光地になっています。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
<参照> - 日本政策投資銀行:新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を- - 観光庁:宿泊旅行統計調査
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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