インバウンド・越境EC攻略企画 STEP1「マーケティング方針の策定」

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インバウンド越境EC攻略企画』STEP1では 、漠然としてしまいがちな”外国人からの売上を作る”という目的をどの国のどのようなターゲットにどのようなシチュエーションの時に買っていただくべきか― 具体的なマーケティング方針の策定と大前提について考えていきたいと思います。

ここが不明瞭でブレていると、せっかくの素晴らしい観光資源や製品・サービスがあってたくさんの施策を行っているのに、ターゲットにイマイチ届かないのはなぜだろう?といった残念なことが起きてしまいます。逆に、ここさえ明確に定めてから施策に取り組んでいくことで、期待した結果をロジカルに作り上げていくことが可能になっていきます。

STEP1では、その辺りに焦点を絞っていきたいと思います。

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そもそも 「インバウンド・越境EC」 におけるマーケティングとは?

ドラッカーの著書の中に、

「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」

という一文があります。

顧客となり得るターゲットを定め、そのターゲットのことを理解し、ターゲットがまさに欲するモノやコトを用意してあげさえすればよい。

ということをドラッガーは伝えているわけです。

マネジメント エッセンシャル版 - 基本と原則 ピーター・F・ドラッカー

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筆者が掛け出しの頃、名ばかりのマーケティングプランナーとして、こちらが売り込みたいものを目一杯陳列した、クライアントやその先のターゲット顧客のことを一切考慮できていない提案を繰り返していました。それを見かねた上司が、「どう売るかの手法も大事だが、マーケティングとは売れる仕組みを作ること」 と表現は異なれど、ドラッガーの概念と同じ教えがあったことを今でも鮮明に覚えています。

インバウンド越境EC における マーケティングの成果とは、民族、文化、宗教、国籍、言語から、旅行や買い物に使える経済力に至るまで、私たち日本人とまったく異なる背景を持った方々が、どのようなことを求めて旅行をするのか、そこでどのような体験を得たいと思っているのか、わざわざ製品を海外から取り寄せてまで使いたいと思うのはなぜなのか、 その点を把握できてしまえば、あとはそこにマッチした製品やサービスを用意するだけでよいということになるわけです。

顧客となり得るターゲットを定める

まず第一に、「誰に買っていただきたいのか」 を定めていくわけですが、そうはいっても、雪が降らない地域がどんなに頑張っても「人生初のスノボを体験したい」というターゲットを満足させることはできませんし、日本有数の酒造メーカーが「安全なベビー用品が欲しい」というターゲットを満足させることもできません。

今現在、自分たちが持っている資源や得意とする製品やサービスはどのようなもので、どのような顧客に愛されているのか を書き出してみてください。

そして、その顧客に なぜ愛されているのか も書き出してみましょう。

「歴史ある街並みに観光客が来てくれているけれども、日本全国には他にも歴史ある街並みはたくさんある。それなのに、なぜこの方々はここに来てくれたのか。」

「似たような商品は他にもあるけど、どこに魅かれたのか」

自分たちにとっては当たり前のことでも、その「魅かれたポイント」を改めて見つめなおすことで、同じようにそのポイントに魅かれる方がいるということに気付くことができるはずです。

たとえばですが、「ご年配の夫婦の観光客だけでなく、学生くらいの若い観光客もよく来てくれているのは、どうやら街並みに魅かれているわけではなく、その街並みと調和した建造物を作った著名な建築家の想いを感じに来ているらしい。」といったことが見えてきます。

このように顧客が持っている本来のモチベーションさえ見つけてさえしまえば、あとは同じモチベーションを持った方を「顧客となり得るターゲット」と定めて、マーケティング戦略を立てていけばよいことになります。

ターゲットの理解

わざわざ来てくださる、買ってくださる理由が何であるかがわかったところで、たいていの場合私たちが同じ興味を持っているとは限りません。むしろまったく理解できないことのほうが多いはずです。

では、どうすればよいのか

一番の方法は、同じように興味を持ち好きになること です。それがどうにも難しければ、同じように興味を持っている方を仲間につけ、話を聞くことです。

観光地であれば、観光客に聞いて回り、製品やサービスであれば購入者にアンケートをするなどで、ターゲットの理解は深まっていきます。

この理解において、いったんは外国人である必要はありませんし、むしろ日本語で話を聞いたほうが真意を理解できる と思います。できるところからすぐに行動する ことをお勧めします。

ターゲットがまさに欲するモノやコト

この図解のように、ターゲットに対する理解さえ深まってしまえば、「ターゲットがまさに欲するモノやコト」は自ずと見えてきます。

今ある観光資源や製品・サービスの見せ方を工夫する、リニューアルするなどで、大きなお金をかけなくとも十分に戦えるようになります。

まとめ

STEP1では、インバウンド越境ECの専門メディアであるのにも関わらず、敢えて外国人に関する記述を行わず、マーケティングの”当たり前”ばかりを書きました。

インバウンド越境ECに取り組まれている様々なお立場の方とお話しする機会が多いのですが、「なぜそのターゲットにされたのか」、「ターゲットはどのようなことに興味を持って来てくださるのか、買ってくださるのか」といったことを質問すると、たいていは「母数が多いから」という回答が返ってきます。

これらのことを全くせずに、どのようなパンフレットやWebを作って、どのようにプロモーションしていくかといった手法ばかりに目を向けてはいませんでしょうか?

このような前提をしっかりと把握し、ターゲットを明確にすることが極めて重要 となります。

あとは、同じような興味関心を持ったターゲットが、どこの国や地域に多いのかを調査し、その方々に向けたメッセージを用意していくといった具体的な戦術、手法さえ用意すれば「売れるための仕組み」はでき上がり、「販売を不要にする」ことに一歩近づいていくことになります。

続きは、連載の中でお伝えして参りますので、乞うご期待ください。

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【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

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【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

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最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

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この記事の筆者

GMO TECH(GMO テック)

GMO TECH(GMO テック)

GMO TECH株式会社 経営企画室 部長 猪野 佑一。主に日本企業や外資企業の日本法人の国内外向けのマーケティングのプランニングからディレクションまでを手がけてきている。インバウンドに有効なウェブマーケティングのノウハウについて発信してゆきます。

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