平均28泊&前年比+29.6%で急成長中の注目穴場ターゲット「訪日フィリピン人」を呼び込むには? データを分析してわかった意外な事実

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インバウンド集客・誘致を行うにあたって、どの国籍の訪日外国人観光客をターゲットにしていくのか を決めることは、重要なことです。

中国や韓国、台湾など、訪日旅行をする人が多く、旅行支出額も多い国が頻繁にターゲットになっていますが、少し視点を変えて他の国出身の外国人観光客を新たなターゲットにしてみても良いかもしれません。

今回は、経済の安定化やLCCの路線拡充、JNTOがマニラに新事務所を開設するように訪日プロモーションの注力により国内で注目を集めている フィリピン人観光客のインバウンド市場 の特徴をJNTO(日本政府観光局)の平成28年における訪日外国人の消費動向をもとにご紹介します。

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フィリピンのインバウンド観光市場でキーワードになる数字

『347,860人』…2016年に日本の訪日フィリピン人観光客数

訪日フィリピン人観光客数 年別:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

訪日フィリピン人観光客数 年別:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年に日本を訪れたフィリピン人観光客の数は、347,860人 でした。

この数は、2015年と比較すると +29.6% の訪日外客数となっており、グラフでもご紹介しているように順調に訪日フィリピン人観光客が増加していることがわかります。

『112,228円』…1人の訪日フィリピン人観光客が一回の訪日旅行で使う金額の平均

2016年に日本を訪れたフィリピン人観光客は、一度の訪日旅行中に平均で112,228円使いました。

『390億円』…2016年に訪日フィリピン人観光客が日本で使った消費総額

2016年に日本を旅行した フィリピン人観光客が訪日旅行中に使った金額を全て合わせると390億円になります。 390億円という額は、2016年全体のインバウンド消費額(3兆7,476億円)の1% にあたります。

『34%』…訪日フィリピン人観光客の旅行支出のうちショッピングに使われた額の割合

2016年の訪日フィリピン人観光客 旅行支出内訳:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年の訪日フィリピン人観光客 旅行支出内訳:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年に訪日したフィリピン人観光客は、一人当たり旅行支出額のうち 30.4%をショッピングに費やしています。

これは、宿泊料金(29.6%)、飲食費(23.6%)よりも多い 金額となっています。

『55.4%』…訪日フィリピン人観光客のうち女性が占める割合

2016年の訪日フィリピン人観光客 性別・年齢別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年の訪日フィリピン人観光客 性別・年齢別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年に日本を訪れたフィリピン人観光客のうち 55%は女性 でした。年代別に見ると、男女あわせてもっとも大きな割合を占めたのが、「20歳~29歳の女性」でした。(全体の17.5%)

その後は、「30歳~39歳の女性」(15.6%)、「30歳~39歳の男性」(13.9%)、「20歳~29歳の男性」(12.5%)と続きます。訪日旅行は、 比較的若いフィリピン人観光客に人気のようです。

『45%』…訪日フィリピン人観光客のうち初めて日本に訪れた人の割合

2016年の訪日フィリピン人観光客 訪日回数別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年の訪日フィリピン人観光客 訪日回数別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

JNTOの調査によると、2016年に日本を訪れたフィリピン人観光客のうち、45.5%は、初めての訪日旅行 だと答えました。 2回から5回と答えた人は、全体の41.6% でした。中には20回以上訪日しているフィリピン人もいます。

『53.3%』…訪日フィリピン人観光客のうち観光・レジャー目的で訪日した人の割合

2016年に日本を訪れたフィリピン人のうち、「観光・レジャー」目的で訪れた人は、53.3% にあたります。また、17.0%が「親戚・知人訪問」が目的で訪日 しています。「国際会議(2.1%)」「企業ミーティング(4.9%)」「企業ミーティング(4.9%)」 「その他ビジネス(10.4%)」など、ビジネス関連での訪日も多い模様。

『90%』…訪日フィリピン人観光客のうちFITとして訪日した人の割合

2016年の訪日フィリピン人観光客 旅行形態別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年の訪日フィリピン人観光客 旅行形態別割合:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

2016年に日本を訪れたフィリピン人のうち、88.8%が個別手配(FIT)にて日本に訪日しています。 団体ツアーや旅行パッケージは、人気がなく 11.2%のみ となっています。観光レジャー目的のみであれば、団体ツアーや旅行パッケージの2つが占める割合は16.1%まであがりますが、いずれにせよ 個人手配(FIT)で訪日するフィリピン人が大半の模様です。

ここまで、フィリピンのインバウンド観光市場のおおまかな概要をご紹介してきました。これらのデータを他国出身の訪日外国人観光客インバウンド観光市場のデータと比較すると、どのようなことが言えるのでしょうか?

他国のインバウンド観光市場と比べてフィリピンのインバウンド観光市場はどう違うのか?

滞在日数が非常に長い:平均で約一カ月

訪日フィリピン人観光客と他国の滞在日数の比較:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

訪日フィリピン人観光客と他国の滞在日数の比較:JNTO(日本政府観光局)の資料をもとに作成

訪日フィリピン人観光客は、一度の訪日旅行で 平均28.3泊、日本に滞在しています。上記のグラフで他国出身の訪日外国人の滞在日数と比べてみても、訪日フィリピン人観光客の滞在に数の長さは、一目瞭然です。 とはいえ、訪日フィリピン人のおよそが業務目的で訪日しており、その平均滞在日数が48.6泊であることが後押ししていることには留意が必要です。しかしながら、観光・レジャー目的に絞ったとしても 平均9.0泊しており、アジア圏の訪日外国人観光客が軒並み5〜7泊程度である中では長い方 であると言えます。

ただ、一人当たりの旅行支出額が112,228円と、他の東南アジア諸国(タイでは127,583円、インドネシアでは136,619円など)と比べると少ないため、訪日滞在時間は長いものの、それを消費まで落とし込めていないという現状があるといえます。

多くの女性が訪日:20代にとって訪日旅行は人気のある娯楽になりつつある

フィリピンのインバウンド観光市場の特徴として、女性が多い という特徴があげられます。

フィリピンと同様に東南アジア圏でありマレーシアでは、日本に訪れた観光客のうち男性が占める割合が52.9%、女性が47.1%、インドネシアでは52.9%、47.2%、ベトナムでは55.9%、44.1%となっており、フィリピンは東南アジア諸国に数えられるにもかかわらず、男性よりも女性の方が、訪日観光客が多い結果に なっています。

また、他の東南アジア諸国でも見られる傾向ですが、20代の訪問率が高い点にも着目するべきです。 イギリスやアメリカなど欧米圏では、30歳以上の訪日外国人観光客の割合が高くなっており、「SHIBUYA-CROSSING」(渋谷のスクランブル交差点)が東京のおしゃれスポットとして人気があるように、若い世代にとって訪日観光・東京観光が洗練されていて 人気の娯楽と化している という点には留意する必要があるでしょう。

まとめ:訪日フィリピン人観光客はこれからの穴場ターゲット?

今回は、JNTO(日本政府観光局)の平成28年における訪日外国人の消費動向から、フィリピン人のインバウンド観光市場に関してご紹介してきました。

年々、訪日外国人観光客数が増えていることや、滞在期間が長いこと、さらには国内で若者からの支持を集めていることなどから、訪日フィリピン人観光客は、 これからの穴場ターゲットになっていかもしれません。

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<参照> - JNTO(日本政府観光局):平成 28年における訪日外国人の消費動向

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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