国交省 「出国税」の導入検討を表明 訪日客は出国時に税負担が…インバウンド業界で賛否両論の出国税のメリット・デメリットを比較してみました

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日本政府観光局JNTO)より7月の訪日外客数が発表されました。これによると、訪日外客数は 前年同月比+16.8%の268万2千人 となるなど好調な数字となっています。平成29年については、1月に前年同月比+24.0%、2月に+7.6%、3月に+9.8%、4月に+23.9%、5月に+21.2%、6月に+18.2%と、毎月前年同月比を上回る形 となっています。

訪日外国人観光客は順調に伸び続けており、今後も成長産業として期待されている日本のインバウンド市場 ですが、最近の政府からの発表が賛否両論を巻き起こしています。

7ヶ月連続で前年超え 好調が続く2017年のインバウンド市場:7月の訪日外客数は268.2万人と単月過去最高に

日本政府観光局(JNTO)より7月の訪日外客数が発表されました。これによると、訪日外客数は 前年同月比+16.8%の268万2千人 となるなど好調な数字となっています。平成29年については、1月に前年同月比+24.0%、2月に+7.6%、3月に+9.8%、4月に+23.9%、5月に+21.2%、6月に+18.2%と、毎月前年同月比を上回る形 となっています。それでは7月の詳しい内訳を見ていきましょう。目次7月の訪日外客数は、前年同月比16.8%増の268万2千人東アジア地域のインバウンド市...

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出国する訪日外国人に課税?!国交省「出国税」導入を検討

2017年9月12日、石井啓一国土交通相は、2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を実現するための財源の確保を目的に、日本から出国する人に課税を求める「出国税」の導入を検討すると表明しました。

インバウンド4,000万人誘致に必要な財源の規模や、徴収方法、訪日外国人観光客だけでなく日本人も課税対象になりうるのかなど具体的な計画に関しては、これから話し合っていくとのこと。(今秋にも具体案を提出予定)

訪日外国人観光客が日本を出国時に、今まででは払う必要のなかった税金を納めなければならないとなると、日本のインバウンド市場にも大きな影響が出てきそうです。

実際に、インバウンド業界や日本人の海外旅行者の減少を懸念する旅行業界から反発の声がちらほら聞かれるこの政策。メリットとデメリットとしてはどんなことが挙げられるのでしょうか。

まさに一長一短の「出国税」:長期的な目線で見ればインバウンド受け入れ体制の整備にもつながるかも

訪日外国人向けの「出国税」導入におけるメリットとデメリット

訪日外国人向けの「出国税」導入におけるメリットとデメリット

上記の表は、訪日外国人観光客・日本政府・インバウンド業界から見た「出国税」のメリットとデメリットを簡単にまとめたものです。

出国税の導入は、訪日外国人観光客にとって余計な出費を強いるものではありますが、徴収された税金が、うまく全国の自治体に配分されれば、訪日外国人観光客にとっては今よりも快適な訪日旅行が実現する可能性があります。

出国税導入により、訪日旅行から離れる層も存在するかもしれませんが、現に海外では徴収方法・徴収した税金の配分方法こそ異なりますが、出国する外国人に税金を課している国もあり、 完全にお門違いな政策とは言えないようです。

また、この政策の裏には 近年の訪日外国人観光客の消費動向の変化も存在しているかもしれません。

背景には一人当たりのインバウンド消費額が減っているという事実も:訪日主要国でもインバウンド消費額は減少傾向に

観光庁による平成29年4-6月期における訪日外国人消費動向調査によると、同時期における 訪日外国人観光客の旅行消費額は1兆776億円でした。この数は、前年同時期に比べると13%の増加にあります。

一見、インバウンド消費額の伸びは好調のように見えますが、これを訪日外国人観光客1人あたりの旅行支出、いわゆる単価でみた場合に意外な事実が把握できます。

国籍・地域別の訪日外国人1人当たり旅行支出と旅行消費額:観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成29年4-6月期の調査結果(速報)」から引用

国籍・地域別の訪日外国人1人当たり旅行支出と旅行消費額:観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成29年4-6月期の調査結果(速報)」から引用

同資料によると、同時期における訪日外国人観光客1人あたりの旅行支出は14万9,248円でした。この金額は前年同時期(15万9,933円)に比べ、6.7%減少した結果になります。

上記の表でもご紹介しているように 旅行支出が前年に比べると大幅に減っている国がいくつか確認でき、(タイでは-25.7%、ロシアでは-27.1%) 、台湾や香港アメリカなどのいわゆる訪日主要国においても1人あたりの旅行支出額は減っています。

出国税」を導入することで、旅行支出が伸びている・伸びていないにかかわらずすべての国籍出身の訪日外国人観光客から一律に税収を得ることができます。 こうした現状を加味すると、「出国税」の導入は理に適っているのかもしれません。

インバウンド消費 2017年上半期で初の2兆円突破 四半期でも過去最高の1兆776億円 訪日外国人消費動向調査「平成29年4月〜6月期」発表

観光庁は19日に訪日外国人消費動向調査の結果を発表しました。韓国、香港からの外国人旅行者の旅行消費額が上昇したことなどを受けて、訪日外国人観光客全体の旅行消費額は四半期で過去最高の1兆776億円、上半期の累計で初めて2兆円を突破 しました。それでは内容を詳しく見ていきましょう。目次平成29年4-6月期の訪日外国人全体の旅行消費額は1兆776億円訪日外国人1人当たり旅行支出は14万9,248円国籍・地域別の訪日外国人1人当たり旅行支出トップはイギリス国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額では中国...

  ## まとめ:賛否両論の「出国税」導入:今後の政策の具体化に期待!

石井啓一国土交通相は、2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を実現するための財源の確保を目的に、日本から出国する人に課税を求める 出国税」の導入を検討すると表明しました。 この政策の検討に関して、日本国内のインバウンド市場では賛否両論の意見が散見される状況です。

メリット・デメリットともにある「出国税」の導入ですが、1人あたりのインバウンド消費額が減り始めているという現状を踏まえると、理に適っている政策であるということができるかもしれません。

いずれにしろ、具体案が出されるのは今秋とされているため、政府がインバウンド誘致にどのような施策を打ち出すのか、続報が期待されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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