国土交通省九州運輸局が、6月に九州を訪れた外国人数の確定値、また7月に九州を訪れた外国人数の推定値を発表しています。これによると、九州を訪れた外国人の数は単月で過去最高となる40万人を突破したとのことです。詳しく見ていきましょう。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
九州の訪日外国人観光客入国者数は、単月で過去最高となる40万人を突破
法務省の出入国管理統計の発表を受け、国土交通省九州運輸局が九州への外国人入国者数の推移をとりまとめたところ、6月の船舶観光上陸(クルーズ船)を含めた確定値は、426,303人(前年比+47.5%)となり、初めて40万人を突破。 2007年以降、単月として過去最高を記録しました。船舶観光上陸を含まない7月(速報値)では、272,743人(前年比+52.8%)となり、引き続き前年同月比を上回りました。
2017年上半期(1月~6月)の外国人入国者数は、2,314,937人(前年比+38.8%)となり、昨年の上半期(1,667,883 人)を大きく上回り過去最高を記録しました。
九州インバウンドの主な市場別の動向
九州インバウンド動向:韓国市場
韓国ではLCC(格安航空会社)の新規就航及び増便等により個人旅行を中心に引き続き増加傾向にあります。しかし減便となる路線も存在し、今後の動向については引き続き注視が必要です。
主な新規就航及び増便
- 平成 28 年 12 月ジンエア 釜山~北九州線及び、ソウル~北九州線就航
- 平成 29 年 2 月チェジュ航空 ソウル~福岡線増便/ジンエア ソウル~北九州線増便
- 平成 29 年 4 月ティーウェイ航空 熊本~ソウル線就航。
- 平成 29 年 5 月ジンエア ソウル~北九州線再増便/ティーウェイ航空 ソウル~大分線及びソウル~佐賀線の増便
- 平成 29 年 6 月チェジュ航空 釜山~福岡線増便
- 平成 29 年 7 月チェジュ航空 ソウル~福岡線増便
減便となった路線
- 平成 29 年 6 月チェジュ航空 ソウル~福岡線減便
- 平成 29 年 7 月エアソウル ソウル~長崎線減便/ジンエアー ソウル~北九州線減便
九州インバウンド動向:中国市場
旅行形態が団体旅行から個人旅行へ急速に変化する中、クルーズ船以外の通常入国者については、一昨年同月比は減少するものの前年同月比は増加しています。大部分が中国発と想定されるクルーズ船については、前年同月比、一昨年同月比ともに増加傾向。
九州インバウンド動向:台湾市場
昨年10月のVエア(LCC)の福岡線運航停止や、チャイナエアラインの宮崎線減便の影響は残るものの、平成29年6月からタイガーエア台湾(LCC)の台北~佐賀線定期チャーター便就航もあり前年同月比、一昨年同月比ともに増加しています。
九州インバウンド動向:香港市場
平成29年3月鹿児島~香港線増便、7月福岡~香港線増便(ともに香港エキスプレス)などにより好調。前年同月比、一昨年同月比ともに増加しています。
九州インバウンド動向:タイ市場
昨年10月のジェットスターアジア航空(LCC)のシンガポール~バンコク~福岡線の撤退等により、引き続き前年同月比、一昨年同月比ともに減少となっています。
主要国・地域別では韓国出身の外国人の数が圧倒的市場
九州の福岡空港、熊本空港、大分空港いずれも韓国からの入国者の割合が非常に高く、LCCの就航、増便に加え、各種訪日プロモーションの取組により、テレビ等によるメディアの情報発信や旅行商品の造成により、訪日旅行需要が高まったことが今回の結果に繋がったと言えます。平成28年度は、韓国市場 におけるビジットジャパン事業として、FIT向け鉄道旅行情報発信事業、九州オルレマスコミ・旅行社招請事業などを実施していました。
「FIT向け鉄道旅行情報発信事業」に関しては、韓国の若い女性に人気の高い「写真」をテーマに、鉄道旅行の魅力を発信 するため、韓国の旅行雑誌において、レアな撮影スポットを絡めた九州の魅力を発信。インターネット上においてフォトコンテストを実施しています。
「九州オルレマスコミ・旅行社招請事業」に関しては韓国発祥の人気トレッキングである「オルレ」が九州でも楽しめることをPRするため、九州オルレ新コースオープンに合わせて、九州オルレをメインテーマとした九州観光情報を現地のマスコミや旅行会社に紹介するなどの取組みをしています。
台湾・香港と比較した場合、伸び率が悪い中国市場
2016年6月から2016年7月にかけての伸び率を見ていくと、九州に最も多く訪れている韓国人の伸び率は117% で、その次に伸び率が大きい 香港が42.3%、台湾34.9% に対し、中国の伸び率は僅かに2.3% となっています。これは2016年6月だけではなく、2016年1月〜6月のデータと2017年1月〜6月を比較しても同様です。
まとめ:大きな伸びを見せる韓国人旅行者のためのサービス充実が必要市場
国土交通省九州運輸局のデータからも、九州を訪れる韓国人が急増していることが良くわかります。ホテル、レストラン、民泊事業者などサービス提供者側も、英語、中国語だけではなく、韓国語での対応、韓国語での対応をサポートしてくれるサービスを導入するなどの対策が求められていくと言えるでしょう。
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションの資料を無料でダウンロードする
「インバウンド動画プロモーション」の資料を無料でダウンロードする
「インフルエンサープロモーション」の資料を無料でダウンロードする
<参考>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!