ドラえもんの秘密道具の中に、食べるとどんな言葉でも(宇宙人とでも)話せるようになる 「翻訳こんにゃく」 という夢のような道具があります。まだまだ先の話だなと考えていました。
2016年、GoogleがGoogle翻訳(Googleが提供するMT:機械翻訳・自動翻訳サービス)における飛躍的な品質の向上を発表しました。日本語への対応はヨーロッパ言語などに遅れてリリースされましたが、使ってみると明らかに従来のGoogle翻訳とは違っていました。「翻訳こんにゃく」の実現とまでは行きませんが、確実に近い将来、翻訳が機械に置き換わるという感覚を得ました。
今回、Google翻訳がどのように進化を遂げたのかと、各社が提供している色々な自動翻訳のサービスをご紹介します。
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Google翻訳の進化
Google翻訳といえば、面白い誤訳を出してくるので有名でした。
検索すると山のように面白い結果がアップされています。一日見続けることができます。
今まではPhrase Based Machine Translation(PBMT: フレーズベース機械翻訳)でしたが、アップデートによりニューラルネットワークを使用した機械翻訳に変更されました。GoogleはこれをGNMT(Google Neural network Machine Translation)と呼んでいます。
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GoogleのResearch Blogに掲載されているグラフを見ると、品質がいかに向上したかが見て取れます。
参照:https://research.googleblog.com/2016/09/a-neural-network-for-machine.html
実は世界で一番最初にニューラル機械翻訳を発表したと言われている中国のBaiduを始め、多くの会社がニューラル機械翻訳に着手しています。
日本でもNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)や株式会社みらい翻訳など、各社がニューラル翻訳を研究開発し提供を開始しています。
自動翻訳を使った音声翻訳に関するサービスのご紹介
ニューラルネットワークの活用により、飛躍的に機械翻訳の精度は向上しています。ここからは、インバウンド事業にも活用することができそうな自動翻訳を活用しサービスを幾つか紹介していきます。
そもそも音声翻訳の仕組みとは?
自動翻訳を活用して、リアル「翻訳こんにゃく」のようなデバイスやサービスを作るためには音声認識等の技術を組み合わせる必要があります。例えば、 音声認識と自動翻訳を組み合わせる事によって、日本語での発話を英語での発話に置き換えるという事も可能です。
日本語で発話=> 音声認識 => 日本語のテキスト化 => 機械翻訳 => 英語の翻訳結果(テキスト) => 英語での音声出力
ここでは音声認識の精度も重要になってきますが、最近は雑音が入ってもかなり正確に認識されるようにもなってきました。
ili
ウェアラブル音声翻訳デバイスの「ili」はプロモーション動画を含め未来を感じさせてくれます。
iliの最大の特徴はオフラインで使用できるという点です。外国を訪れる際、外国人旅行客にとってオンライン環境がない場合は多々想定されます。そういったシチュエーションにおいてかなり活用されるサービスになるのではないでしょうか。
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VoiceTra
NICTが提供しているVoiceTraはスマホのアプリ上で使用することが可能です。既に持っているデバイスで使用できるのは、使用する際のハードルが下がりますね。
参照:http://voicetra.nict.go.jp/
メガホンヤク
Panasonicが提供するメガホンヤク。なぜメガホンなのかは分かりませんが、災害時に大音量で避難を促す際に活躍しそうです。道を教える際などの1対1のコミュニケーションに使う場合は少し恥ずかしい気がします。
Google Pixel Buds
日本での発売予定は未定ですが、Googleがイヤホン型の翻訳デバイス(翻訳だけでなく、Google assistantなど音声サービスなどが使える模様)を発表しました。使い勝手としてはハンズフリーなのが一番良い気がしています。
参照:https://www.blog.google/products/pixel/pixel-buds/
日本での発売が楽しみです。
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今後の展開
MT(機械翻訳)の精度が向上するに従って、色々なサービス展開の可能性が出てきました。音声認識の精度も向上してきているので、近い将来、「翻訳こんにゃく」と変わらないサービスが出てきそうです。AppleのSiriが使えるEar Podsも自動翻訳を挟むだけで音声翻訳サービスを提供できそうですし、スマートスピーカーの普及によって、世界中の色々な言語で発信されているニュースを日本語で聞ける日もそう遠くないと思います。
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