成田・羽田・関空から入国した訪日客の3人に1人は地方にも広域に移動 地方からの入国した場合その地方を周遊:モバイル空間統計から読みとく訪日外国人の行動 改めて観光地としての関東地方の人気が明らかに

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

NTTドコモの運用データをもとに、訪日外国人が、「いつ」、「どこから」、「どこに」移動したのかを推計出来る「モバイル空間統計」をご存知でしょうか?これは訪日外国人が使用する500万台の携帯電話の運用データを基にしたもので、入国した地域、そこからどこへ向かっていったのか?出身国や地域ごとに、どのような傾向があったのかといった内容を把握することが可能です。

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

訪日外国人の入国地域は、主要3空港である成田・羽田擁する関東と、関空擁する近畿に集中

モバイル空間統計では、2016年6月から8月に入国した訪日外国人約560万人 と推計。そのうち 45.2%にあたる253万人が関東地方から入国、28.7%にあたる160.7万人が近畿地方から入国 しており、8%にあたる44.6万人が九州地方、7.3%にあたる40.8万人が沖縄から入国 しています。その次は 北海道地方の27.4万人となる4.9% が続いています。

成田、羽田のある関東地方がトップ、関西国際空港のある近畿地方が2番目となりました。

<関連>

成田1強から変化 インバウンドの玄関口はどこだ!?訪日外国人の入国者数で見る空港・湾港ランキング

インバウンドのおもてなしの玄関口となる空港や湾港。その利用者数は、今まではゴールデンルートの出発点となる成田国際空港の1強でしたが、その勢力図に変化が見え始めています。今回は、訪日外国人観光客が日本のどこから入国しているのかを調査してまとめました。<関連>インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダ...

関東、近畿地方から入国した訪日外国人は広域移動している一方、北海道、九州、沖縄から入国した訪日外国人はその地域のみで訪日旅行を楽しむ

各エリアごとに入国した訪日外国人がどのような移動をしているのかを見ていくと、それぞれ特色があることがわかります。その中でも 関東地方、近畿地方から入国した訪日外国人は広域に移動した訪日外国人の数が多く 、関東地方から入国した訪日外国人の場合、そのうち 38% にあたる96.2万人が広域に移動。入国3日目、4日目に北海道・東北への移動がピークとなり、信越、北陸、東海から近畿に向かう訪日外国人もいる ことが明らかになりました。

近畿地方 から入国した訪日外国人29.3% にあたる47.1万人が広域に移動しており、入国3日目に東海滞在がピークとなったあと、関東に向かっています。 特に近畿地方から入国した訪日外国人のうち、広域移動をした人は、ゴールデンルート観光 そのままと言える行動をとり、関東から出国 していることがわかります。

もう1つ特徴的な内容としては、北海道、沖縄、九州から入国した訪日外国人は狭域のみの移動が多くなっており、 北海道地方からの入国者は、なんと 93.8% にあたる25.7万人が狭域のみの移動をしており、広域移動をした人は僅かに6.2%しかいません。沖縄に関してはこの割合がさらに高く、狭域のみの移動をした訪日外国人97.1% となる39.6万人。広域移動者は僅か2.9%しかいません。九州に関しても狭域のみの移動者が多く、89.9% にあたる40.1万人が狭域のみ移動しており、広域に移動した訪日外国人は10.1%にとどまります。

今後はゴールデンルートの観光だけでなく、地方への送客が大きな課題をされていますが、数としては圧倒的に多い、関東、近畿地方から入国した訪日外国人を、いかに様々な地方に送客出来るかどうかという点が今後の課題になると言えるでしょう。関東、近畿地方には及ばないながら、ある程度の数の訪日外国人が入国する北海道、九州、沖縄地方においては、そこから広域に移動する訪日外国人が少ないことから、隣接した地方への観光を呼びかけるなどが効果的とも言えます。

国籍別に見ると、最も多くの都道府県を訪れているのは中国とフランス・最も少ないのが韓国

1人あたりいくつの県に滞在したかを国別に見ていくと、最も多くの県に滞在している人の割合が多かったのは 中国出身の訪日外国人 で、平均して1人あたり 3.5県 に滞在していたことがわかります。中国に次いで1人あたり多くの県を訪れていたのは フランスで3.4県 。その次が アメリカの3.0県 という結果になりました。

韓国人 は傾向として多くの県に訪れることが少なく、1人あたりの滞在都道府県数は 1.7県と最も少ない ということが明らかになりました。中国人、フランス人、アメリカ人は来日時に様々な都道府県で色々な観光を楽しみ、韓国人はほぼ1つの県にじっくりと腰を据えて観光を楽しんでいることが明らかになりました。

韓国を除き、入国・滞在:出国した訪日外国人が最も多いのは関東地方

出身国別に最も入国したことが多い地域をみていくと、韓国出身の訪日外国人以外(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、アメリカ、フランス)は、関東地方から入国 した方が最も多いことがわかります。同様に、韓国出身の訪日外国人以外は、最も多く滞在した地方も関東地方 となっており、出国した地方も関東地方が最多 となっています。

対象的に 韓国 出身の訪日外国人近畿地方への入国・滞在・出国が最も多くなっています。 割合としては関東地方に滞在していたのが最も多いのはフランス出身の訪日外国人(85.7%)で、続いてアメリカ出身の訪日外国人(76.0%)でした。また、インドネシア(69.6%)、ベトナム(68.5%)、シンガポール(67.9%)も関東地方に滞在した訪日外国人が多く、これらの国と地域出身の訪日外国人に、地方での観光をよりアピールしていく必要性があると言えそうです。

関東地方から入国し、最も多く広域移動しているのは中国人とアメリカ人

訪日外国人に人気の関東地方から入国し、そこから広域移動をしているのが最も多かったのは 中国出身の訪日外国人で36.5万人(59.7%)、続いてアメリカ出身の訪日外国人で13.1万人(45.5%) でした。これは最も多くの都道府県を訪れているのが中国出身の訪日外国人であったという結果を反映しているとも言え、中国出身の訪日外国人の場合、入国4日目に北海道、東海、近畿、九州と次々に移動している ことが明らかになりました。また、数は少ないながら、広域移動者の割合としては、インドネシア(57.5%)、フランス(62.3%)も多めとなっています。

関東地方のみを楽しむ訪日客の特徴:平均滞在日数が短く、東京の定番観光地&ディズニーランドのみを訪問

関東地方の狭域移動者を、鉄道パス(フリーパス)を持たず、首都圏のみに滞在した訪日外国人と定義すると、2016年6月1日~8月31日の期間で狭域移動者に該当する人数は936人。初日の人数を100%とした場合、平均滞在日数は3.7日 となり、その滞在日数が非常に短いということが伺えます。また、訪日初日は新宿、上野、浅草、虎ノ門、原宿 などを訪れる人が多いものの、2日目に舞浜エリアに移動する人が急増。3日目、4日目も新宿、上野、浅草、渋谷、原宿、舞浜などのエリアを訪れる人が多く、東京の定番観光スポットに加えて、ディズニーランド(舞浜エリア)を訪れた後に帰国している ことが伺えます。

訪日前の情報収集はSNS・ブログ記事がほとんどで、訪日中の情報収集はオンライン予約サイトが多い。広域移動は飛行機、狭域移動は鉄道・地下鉄が多い。

訪日前、訪日中に滞在エリアの決定に使った情報収集源を聞いたところ、訪日前は各国共に SNS・ブログ記事 という回答が多くなり、訪日中は オンライン予約サイト という回答が目立ちました。また、訪日中は当然ながら 地図検索・ルート検索サイト の利用率が高くなっています。また、広域移動で最も利用されていたのは飛行機、もしくは新幹線となり、狭域移動においては鉄道、地下鉄が比較的多いものの、バス、タクシーも同程度利用されていたことがわかりました。

まとめ:「モバイル空間統計」を使用して、実際の訪日外国人の足取りが明らかに

以前から多くの訪日外国人は東京、大阪、京都、九州などの大都市を巡るゴールデンルートで観光をしており、地方を訪れる訪日外国人は少ないとされていますが、こうして実際のデータを見ていくと、こうした話の裏付けとなるデータが明らかになります。今後増え続けると予想される訪日外国人にも同様の観光パターンをしてもらうのではなく、いかにして地方にも訪れてもらうのかを考える事が必要でしょう。

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

「調査・リサーチ」の資料をDLして詳しく見てみる

「インバウンドデータ」の資料をDLして詳しく見てみる

<参考>

訪日ラボ 最新版セミナー&インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。

WeChat Pay&大衆点評に聞く「中国インバウンド」最新動向!好調の裏で起こる旅行者層・トレンドの"変化"とは?

最新のデータによると、中国からの訪日客数は月間77万6,500人となり、これまで1位だった韓国を抜き、2022年10月の水際対策緩和後初めて1位となりました。順調に回復してきている中国市場に向けて、プロモーションなどの施策を再開したいと考えている方も多いでしょう。

一方で、訪日中国人の旅行者層やトレンドには、ある"変化"が起こっており、「コロナ禍前と同じやり方では上手くいかない」可能性も出てきているといいます。

そこで今回は、「WeChat Pay」を運営するテンセントより廖 天堉 (Tianyu Liao)氏、そして「大衆点評」を運営する美団より草刈 美香氏をお招きし、中国インバウンドの最新動向を徹底的に分析するオンラインセミナーを開催いたします!

<本セミナーのポイント>

  • 中国インバウンドの専門家に直接質問し、疑問を解消できる!
  • 訪日中国人の旅行者層やトレンドの変化を知り、中国向けの訪日プロモーションや受入環境整備に活かせる!
  • 中国インバウンドの動向に詳しい専門家3名が登壇!

詳しくはこちらをご覧ください

WeChat Pay&大衆点評に聞く「中国インバウンド」最新動向!好調の裏で起こる旅行者層・トレンドの"変化"とは?

【インバウンド情報まとめ 2024年8月後編】7月の訪日外客数329万人 中国がコロナ後初の1位に 他

 

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に8月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

7月の訪日外客数329万人 中国がコロナ後初の1位に / 沖縄県の観光収入が過去最高に 人材確保の課題解決も【インバウンドまとめ 2024年8月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに