現在の日本のインバウンド市場のターゲットは、旅行支出が高くディープな体験を求める欧米圏や人口増加が激しいムスリム圏、経済成長が著しい東南アジア圏にまで広がっています。かつて「爆買い」と呼ばれた訪日中国人観光客の大量消費活動は落ち着きを見せ、現在中国人市場は下火ともいわれますが訪日外客数、インバウンド消費額ともに、依然大きなパイを占めており、日本のインバウンド市場にとって無視できない存在 であることは間違いありません。そんな訪日中国人市場に追い風を与える調査結果が日本貿易振興機構(ジェトロ)から発表されています。
爆買い何故減速した?これからターゲットとすべきは欧州圏訪日客?
2020年の4,000万人のインバウンド誘致を目指し、インバウンド観光市場が盛り上がっています。「外国人旅行客を日本に呼び込む」という視点から、日本国内の企業・自治体はさまざまなインバウンド誘致策に取り組んでいますが、そもそも世界規模での海外旅行市場は、どのようになっているのでしょうか?UNWTO(国連世界観光機関)では、毎年、World Tourism Barometerというアウトバウンド・ツーリズム(各国からの海外旅行市場)に関するレポートを発行しています。前回は、2016年の世界で...
「何故、今ムスリムなのか」を知るための7つのキーポイント
日本のインバウンド業界にとって訪日中国人観光客は長年主役といっても過言ではないポジションに位置していました。しかし近年では、一人当たりのインバウンド消費額が比較的大きく、訪日旅行時にディープな体験を求める欧米圏出身の訪日外国人観光客も大きなターゲットとされています。インバウンド業界のターゲットは近年になって多様化してきており、その中でも特に注目しされているのがムスリム(イスラム教徒)のインバウンド市場 です。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知る...
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
インバウンド対策サービスを探している方必見!無料で資料DLできる「訪日コム」を見てみる
中国人が旅行したい国 日本が史上初のトップに! 全体の40%を日本と回答
日本貿易振興機構(ジェトロ)が2017年8月に北京市、上海市、広東省広州市、湖北省武漢市、重慶市、四川省成都市に居住する20歳~49歳の中国人(月収5,000元以上のミドル・ハイエンド層)に対して行った日本をはじめとする各国の海外旅行、越境ECなどへの関心についてのアンケート調査によると、「今後旅行したい国」として中国人の間でもっとも声が多かったのは日本でした。 ランキングは以下の通りです。
順位 | 国名 | 回答率(複数回答可) |
---|---|---|
1位 | 日本 | 40.2% |
2位 | アメリカ | 39.9% |
3位 | イタリア | 37.4% |
4位 | フランス | 34.9% |
5位 | イギリス | 24.1% |
6位 | ドイツ | 23.9% |
7位 | 韓国 | 18.3% |
8位 | 中国(国内) | 15.9% |
9位 | タイ | 11.4% |
10位 | その他 | 0.2% |
「日本を今後訪れたい」と回答した中国人は 全体の40.2%となっておりトップにランクイン。2位から6位までを欧米諸国が占める中、もっとも人気の渡航先 となっています。中国の近くに位置する韓国やタイを訪れたいと回答した中国人は意外にも20%を下回っています。
日本に訪れたいと回答した中国人の割合は、前回2016年10月の調査と比較すると 4.8ポイント上昇 しました。上昇傾向は2013年の調査開始以来一貫して続いており、今回の調査で初めて1位に なったかたちです。このように、中国人の間で日本はもっとも人気のある旅行先であるという調査結果が発表されました。ジェトロの同調査によると、中国人の間での訪日需要の高まりは 日本の越境EC市場にも好影響を与えている とのこと。
越境ECの舞台となる中国 そのEC事情の今
日本国内でも成長が続く電子商取引(eコマース:EC)ですが、その勢いが止まらないのがお隣中国のEC市場。中国のEC市場は3年前に米国を抜いて世界一位となりました。2015年には6300億ドル(約75兆6000億円)に達し、間もなく100兆円、数年後には200兆円規模に達するだろうと言われています。この爆発的な成長に目をつけ、越境ECに力を入れている企業も増えてきました。中国の小売市場におけるEC比率は約20%にまで達しており、中国の消費者にとって「ネットで商品を購入する」という行為が一般化...
越境EC市場にも好影響?!訪日中国人の4割が訪日時に購入した商品を気に入って中国から商品を注文
ジェトロの同調査によると、今回調査対象となった中国人のうち 67.7% が越境ECにて日本製品を購入しています。そして中国人が越境ECで日本の商品を購入する理由として2番目に多かったのは 「訪日旅行をしたときに購入して気に入ったから」 との選択肢でした。全体の 40.4%が同理由で訪日旅行後に越境ECで日本商品を購入 しています。
また、特筆すべき点は同理由を回答した中国人の割合が 大幅に増加 している点。前回調査時(2016年10月)には22.7%の中国人が同選択肢を回答していたので 約20ポイントの増加を記録 したかたちになります。
ちなみに今後は電気製品の需要が伸びそう:中国人の約半数が電気製品を越境ECで購入したいと思っている
今回の調査対象となった中国人が越境ECで購入した費目として多かったものは以下の通り。
順位 | 費目 | 回答率(複数回答可) |
---|---|---|
1位 | 化粧品 | 48.5% |
2位 | 食品 | 41.6% |
3位 | 医薬品 | 35.5% |
4位 | 電気製品 | 31.5% |
5位 | 健康食品 | 27.8% |
6位 | 衣料品・ファッション | 14.7% |
7位 | 書籍・DVD | 16.1% |
8位 | ベビー世品 | 6.9% |
9位 | その他 | 0.2% |
また、今後越境ECで購入しようと思っている費目は以下の通りです。
順位 | 費目 | 回答率(複数回答可) |
---|---|---|
1位 | 電化製品 | 47.6% |
2位 | 化粧品 | 40.9% |
3位 | 食品 | 29.9% |
4位 | 医薬品 | 32.3% |
5位 | 健康食品 | 22.6% |
6位 | 書籍・DVD | 16.5% |
7位 | 衣料品・ファッション | 16.5% |
8位 | ベビー世品 | 13.4% |
「これまでに購入した」という観点でいうと化粧品や食品、医薬品など日用品が上位を独占していましたが、「今後購入したい」と考えられているのは「電気製品(47.6%)」がもっとも多い結果になりました。 訪日需要とともに越境EC市場にも消費トレンドの変化が起きているといえるかもしれません。
まとめ:中国で高まる訪日旅行への需要:越境EC市場にも今後大きな可能性
日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、中国人の間で訪日需要が高まっています。同調査の質問項目「今後旅行したい国はどこか」との質問に中国人の 約40% が日本を挙げています。アメリカやフランスなどの観光大国を押しのけて 1位という結果 です。訪日旅行の需要の高まりに沿って 越境EC市場にも変化が訪れています。 中国人が越境ECで日本の商品を購入する理由として2番目に多かったのは 「訪日旅行をしたときに購入して気に入ったから」 となっており同選択肢は前回よりも大幅に回答率が伸びました。これから購入したい費目としては 日用品ではなく、電化製品を挙げる声が多く(全体の約半数) 、訪日需要の高まりとともに 越境EC市場にも消費トレンドの変化が起きている といえるでしょう。
越境ECの舞台となる中国 そのEC事情の今
日本国内でも成長が続く電子商取引(eコマース:EC)ですが、その勢いが止まらないのがお隣中国のEC市場。中国のEC市場は3年前に米国を抜いて世界一位となりました。2015年には6300億ドル(約75兆6000億円)に達し、間もなく100兆円、数年後には200兆円規模に達するだろうと言われています。この爆発的な成長に目をつけ、越境ECに力を入れている企業も増えてきました。中国の小売市場におけるEC比率は約20%にまで達しており、中国の消費者にとって「ネットで商品を購入する」という行為が一般化...
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
<参照>
- 日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部 中国北アジア課:中国の消費者の日本製品等意識調査
【6/24開催】集客の両輪を加速させる!新規とリピーターで“人が集まる”仕組みづくり
競合店舗がひしめく中で、お客様に選ばれ続けるためには「単発的な集客施策だけでは不十分」と感じられている店舗事業者の方も多いのではないでしょうか?
集客力を最大化するには、「新規顧客の獲得」と「再来店の促進」この2つの視点を両立することが必要不可欠です。
本セミナーでは、店舗ビジネス向けメディア「口コミラボ」を運営する株式会社movと、セミカスタム型アプリパッケージ「App Publisher」を提供するエンバーポイント株式会社が共催し、
・新しいお客様を呼び込むための口コミ活用術
・お客様にリピートしてもらうためのアプリを活用したCRM戦略
について、それぞれ解説いたします。
新規集客・リピーター獲得に課題を感じている方は、ぜひご視聴ください!
<本セミナーのポイント>
- 新しいお客様を呼び込むための口コミの収集、活用方法が学べる!
- アプリを活用したリピーターを獲得するためのCRM戦略が学べる!
- 各企業の実例から”明日から使えるテクニック”が学べる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→集客の両輪を加速させる!新規とリピーターで“人が集まる”仕組みづくり【6/24開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!