「ハラルフードってなに?」これに即答できますか?また、どのように答えるでしょうか?インバウンド担当者の方でも「ハラルフードとは?」と聞かれて 具体的に答えることが出来る人は、いまだ多くないでしょう。今後インバウンドにおいては、ムスリム系訪日外国人の対応が重要になってきます。今回の記事ではインバウンド担当者なら知っておきたい「ハラルフード」の基礎と事例を解説していきます。
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改めて確認:ハラルフードとは?
ハラルフードとは イスラム教の教えで食べて良いとされる食べ物 です。ちなみに、アラビア語で「ハラル」は許されているものという意味があり、逆に「ハラム」という言葉には禁じられているという意味があります。要するにイスラム教では「食べて良いもの」と「食べてはいけないもの」が戒律で定められているのです。
それでは、イスラム教で食べることができないものはどんなものがあるでしょうか?
イスラム教で食べることが禁止されている=ハラムな食べ物の代表例その①:豚肉
イスラム教では、豚肉を食べることができません。コーランというイスラム教の聖書において、
コーラン 第二章(雌牛章)173節
「かれがあなたに(食べることを)禁じられるものは、死肉、血、豚肉、およびアッラー以外にそなえられたものである」
と記載されており、イスラム教における豚は不潔・不浄のものとして見ています。その為、豚肉やその他の豚を使うものは一切使わないですし、食べることはありません。
イスラム教で食べることが禁止されている=ハラムな食べ物の代表例その②:アルコール
また、イスラム教では、アルコールを飲むことができません。豚肉と同じようにコーランにおいて、
「酒と賭矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である」
と記載されています。アルコールは人の精神と自制心を狂わせるとされており、禁止されています。
豚肉とアルコールだけではない?意外なハラルフード対応の落とし穴とは?
豚とお酒を抜けは大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが実は意外な所に豚肉とアルコールは使われています。少しでも混ざっているものを使ってしまってはダメなので、注意が必要です。
例えば、
- ゼリーのゼラチン(ゼラチンは豚から作られる)
- 醤油など製造過程でアルコールが自然発生するもの
さらには、
- アルコール洗浄液での食器、食材、調理器具の洗浄
- 豚毛のブラシ
これらも食べ物と直接関係はありませんが、イスラム教の人達は食器や体に触れることを拒みます。
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ではなぜ、ハラルフード対策が必要なのか?
近年のインバウンドではムスリム系訪日外国人が増加の一途を辿っています。例えば、イスラム教徒が多いインドネシア市場では、訪日外客数は前年比30%で増加中です。しかしながら、イスラム教の人達は、少しでも食材にアルコールや豚肉が使われていたら食べることはできません。それは日本に観光で訪れたときでも変わりません。そのため、イスラム教の訪日外国人が、日本に観光にきた時でも食事を楽しめるように、ハラルフード対策はインバウンド対応として必須になってきます。
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しっかりとしたハラルフード対策をするには?
では、実際のところ、どのようにハラルフード対策をすれば良いのでしょうか?豚肉とアルコールを使わない、ということはご理解いただけたと思います。また、イスラム教の中では、イスラム教に即した調理法でないと豚肉以外の肉も食べることができません。そのため、ハラルフード対策をするには、しっかりとしたハラルフードについての知識を付ける必要があります。
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ハラルフード対応の事例
それでは実際にハラルフードを取り入れてうまくいっている店舗の事例を見てみましょう。
ハラルフード対応の事例その①:お客さんの8割がイスラム教徒と言われているラーメン屋「Halal 麺亭 浅草 成田屋」
「成田屋」は、東京浅草にお店を構えるハラルフード対応のラーメン屋です。チャーシューには豚ではなく鶏肉を使用しています。さらに、ハラルフード対応だけではなく、2階にはお祈りできるスペースも設けています。浅草にイスラム教徒の訪日外国人が訪れたら、必ず成田屋に行くと言われるほど有名になっています。
ハラルフード対応の事例その②:牛角赤坂店のハラルメニュー
焼肉チェーンの牛角では、2017年4月にグランドオープンした牛角赤坂店にて、「ムスリムフレンドリー牛角コース」というハラルフード対応のコースを提供しています。このムスリム対応のコースは、赤坂店のみでの提供となっており、食材の保管についてはムスリムコースと一般メニューの食材が接触、混在しないようにするなど、徹底した対応をしています。
まとめ
「ハラルフード」とはイスラム教の教えで食べて良いとされる食べ物のことです。イスラム教で特に禁止されている食べ物は豚肉とアルコールです。ムスリム訪日外国人は、イスラム教徒の多い訪日インドネシア人を中心に年々増加傾向にあります。しかしながら、日本国内ではまだまだハラルフード対策は進んでいません。早めのハラルフード対策を行い、イスラム教徒が来店しやすいお店つくりや受け入れ体制を整えていくことも、今後のインバウンド対策として重要になってくるでしょう。
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<参考>
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