今さら聞けないインバウンド基礎知識『ハラルフード』とは?対策や事例から学ぶムスリム対応

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

「ハラルフードってなに?」これに即答できますか?また、どのように答えるでしょうか?インバウンド担当者の方でも「ハラルフードとは?」と聞かれて 具体的に答えることが出来る人は、いまだ多くないでしょう。今後インバウンドにおいては、ムスリム系訪日外国人の対応が重要になってきます。今回の記事ではインバウンド担当者なら知っておきたい「ハラルフード」の基礎と事例を解説していきます。

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

改めて確認:ハラルフードとは?

ハラルフードとは イスラム教の教えで食べて良いとされる食べ物 です。ちなみに、アラビア語で「ハラル」は許されているものという意味があり、逆に「ハラム」という言葉には禁じられているという意味があります。要するにイスラム教では「食べて良いもの」と「食べてはいけないもの」が戒律で定められているのです。

それでは、イスラム教で食べることができないものはどんなものがあるでしょうか?

イスラム教で食べることが禁止されている=ハラムな食べ物の代表例その①:豚肉

イスラム教では、豚肉を食べることができません。コーランというイスラム教の聖書において、

コーラン 第二章(雌牛章)173節
「かれがあなたに(食べることを)禁じられるものは、死肉、血、豚肉、およびアッラー以外にそなえられたものである」

と記載されており、イスラム教における豚は不潔・不浄のものとして見ています。その為、豚肉やその他の豚を使うものは一切使わないですし、食べることはありません。

イスラム教で食べることが禁止されている=ハラムな食べ物の代表例その②:アルコール

また、イスラム教では、アルコールを飲むことができません。豚肉と同じようにコーランにおいて、

「酒と賭矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である」

と記載されています。アルコールは人の精神と自制心を狂わせるとされており、禁止されています。

豚肉とアルコールだけではない?意外なハラルフード対応の落とし穴とは?

豚とお酒を抜けは大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが実は意外な所に豚肉とアルコールは使われています。少しでも混ざっているものを使ってしまってはダメなので、注意が必要です。

例えば、

  • ゼリーのゼラチン(ゼラチンは豚から作られる)
  • 醤油など製造過程でアルコールが自然発生するもの

さらには、

  • アルコール洗浄液での食器、食材、調理器具の洗浄
  • 豚毛のブラシ

これらも食べ物と直接関係はありませんが、イスラム教の人達は食器や体に触れることを拒みます。

<関連>

【飲食店向け】今や対応必須の訪日ムスリム観光客対策:彼らイスラム教徒に”ハラール”食を提供するときに知っておきたい調味料の使い方のポイント

近年ますます増える訪日ムスリム観光客。彼らムスリム向けのインバウンド対策は、今や無視できないほどになりつつあります。訪日ムスリム観光客向けインバウンド対策として重要となるのが「食」です。実際に料理を提供する上で知っておきたいのが、ムスリムの方にとって宗教上禁忌とならない、いわゆるハラール料理と呼ばれる料理を作るには、どのような調味料を使用すれば良いのかといった知識です。食材ごとに詳しくご紹介しましょう。飲食店向けオススメインバウンド対策とは?着実な集客を可能にする「飲食店予約サイト」の資料...

ではなぜ、ハラルフード対策が必要なのか?

近年のインバウンドではムスリム訪日外国人が増加の一途を辿っています。例えば、イスラム教徒が多いインドネシア市場では、訪日外客数は前年比30%で増加中です。しかしながら、イスラム教の人達は、少しでも食材にアルコールや豚肉が使われていたら食べることはできません。それは日本に観光で訪れたときでも変わりません。そのため、イスラム教の訪日外国人が、日本に観光にきた時でも食事を楽しめるように、ハラルフード対策はインバウンド対応として必須になってきます。

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

しっかりとしたハラルフード対策をするには?

では、実際のところ、どのようにハラルフード対策をすれば良いのでしょうか?豚肉とアルコールを使わない、ということはご理解いただけたと思います。また、イスラム教の中では、イスラム教に即した調理法でないと豚肉以外の肉も食べることができません。そのため、ハラルフード対策をするには、しっかりとしたハラルフードについての知識を付ける必要があります。

【飲食インバウンド担当者必見】ハラル食品の市場規模は1,000億円以上に成長見込み!ターゲットは東南アジアのミレニアル世代2億人?日本産のハ

訪日ラボでもご紹介しているように、東南アジアと日本を結ぶLCC(格安航空会社)の就航便増加に加え、イスラム教徒が多いインドネシア人とマレーシア人の訪日観光ビザの要件が緩和されたことから、近年ムスリムの訪日外国人観光客が急増しています。ムスリムはイスラム法で食べることを許された食材や料理(ハラル)を食すため、訪日旅行時などは食事の制限が多いことで知られます。こうしたムスリムの訪日外国人観光客の食に関する問題を解決してくれるものが「ハラル食品」であり、近年日本国内でその市場規模は大きなものにな...

ハラルフード対応の事例

それでは実際にハラルフードを取り入れてうまくいっている店舗の事例を見てみましょう。

ハラルフード対応の事例その①:お客さんの8割がイスラム教徒と言われているラーメン屋「​Halal 麺亭 浅草 成田屋」

「成田屋」は、東京浅草にお店を構えるハラルフード対応のラーメン屋です。チャーシューには豚ではなく鶏肉を使用しています。さらに、ハラルフード対応だけではなく、2階にはお祈りできるスペースも設けています。浅草にイスラム教徒の訪日外国人が訪れたら、必ず成田屋に行くと言われるほど有名になっています。

ハラルフード対応の事例その②:牛角赤坂店のハラルメニュー

株式会社レインズインターナショナル プレスリリースより

株式会社レインズインターナショナル プレスリリースより

焼肉チェーンの牛角では、2017年4月にグランドオープンした牛角赤坂店にて、「ムスリムフレンドリー牛角コース」というハラルフード対応のコースを提供しています。このムスリム対応のコースは、赤坂店のみでの提供となっており、食材の保管についてはムスリムコースと一般メニューの食材が接触、混在しないようにするなど、徹底した対応をしています。

まとめ

ハラルフード」とはイスラム教の教えで食べて良いとされる食べ物のことです。イスラム教で特に禁止されている食べ物は豚肉とアルコールです。ムスリム訪日外国人は、イスラム教徒の多い訪日インドネシア人を中心に年々増加傾向にあります。しかしながら、日本国内ではまだまだハラルフード対策は進んでいません。早めのハラルフード対策を行い、イスラム教徒が来店しやすいお店つくりや受け入れ体制を整えていくことも、今後のインバウンド対策として重要になってくるでしょう。

インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする

「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする

「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードする

「多言語化表示サービス」の資料を無料でダウンロードする

「テレビ電話型通訳サービス」の資料を無料でダウンロードする

「訪日外国人向け道案内」の資料を無料でダウンロードする

<参考>

訪日ラボ 最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。

永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


訪日ラボを運営する株式会社movは、株式会社ユニットティ 代表取締役で、日本初のGoogle ビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートとしても活躍する永山 卓也氏とともに、Googleビジネスプロフィール専門の解説書『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』を青春出版社より8月5日から発売いたします。

本書は、小売・飲食・宿泊業、観光業のマーケティング、マネジメント支援を中心に豊富な支援実績を持つ永山氏、そして口コミ対策・ローカルSEO(MEO)、インバウンド領域に知見を持つmovがタッグを組み、Googleビジネスプロフィールに関わる店舗集客施策を解説したものです。

全国の書店及びAmazonなどのオンライン書店、電子書籍での販売を予定しております。事前予約については以下のページをご確認ください。
https://amzn.asia/d/06xjqsYU

詳しくはこちらをご覧ください。
永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


【インバウンド情報まとめ 2024年7月前編】「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? / 4月の国別宿泊者数 中国が再び1位に【インバウンドまとめ 2024年7月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに