こんにちは。Vpon Japanの木ノ内です。
前回、”データ”を活用したプロモーション手法について、American Express社の事例を交えながらご紹介致しました。
旅マエ〜旅アト全行程で戦略を立て、収益増加率500%を達成:データを活用した中国向けプロモーション事例紹介<American
こんにちは。Vpon Japanの木ノ内です。前回、モバイルデータから見る中華圏訪日客の特徴についてご紹介致しました。インバウンドに関連するデータは様々な企業/自治体がリサーチ・調査等で収集しており、レポート等で紹介されておりますが、効果的に広告プロモーションで活用しているという事例は現状多くないと認識しております。今回はその ”データ”を活用したプロモーション手法について、 American Express社の事例を交えながら、ご紹介させていただきます。目次American Expres...
今回は、弊社にも最近引き合いの多い ”富裕層” に向けた広告配信手法 について、事例を交えながらご紹介致します。銀行の事例となりますが、訪日外国人の中から更に富裕層に向けて広告配信をしたいというご要望にも活用可能な手法かと思いますので、是非ご一読ください。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
プロモーションプロフィール
- 富裕層ターゲティング事例
- 広告主業種 : 銀行
- 広告プロモーションの目的
- 米ドル定期預金口座 開設顧客の獲得
プロモーションの背景
2017年初頭、台湾では多数の金融ブランドが、経済ピラミッドの頂点を占める富裕層に対して、銀行での口座開設を促すため資産運用のツールとして「高金利米ドル定期預金」を積極的に打ち出しました。その中で、ある金融ブランドは、米ドル定期預金として市場で最高となる利率を設定しましたが、その特典を受ける条件として、
- 預金者は金融機関に対し数百万台湾ドル以上の預け入れを行う。
- 一定金額を米ドル定期預金口座に入金する。
という2点を設定した商品を発表しました。
プロモーションの課題
- 経済ピラミッドの頂点を占める富裕層を特定し、時と場所に応じた広告配信を行う
- 銀行スタッフが連絡可能な顧客リストの作成をKPIとする
3段階に分ける広告配信戦略
配信戦略を大きく3つに分け、課題解決に向けた広告配信を以下のフローにて実施しました。
各段階に分け詳細を説明致します。まず第1段階の詳細は以下の通りです。
保有するデータから、資産運用に興味のあるユーザーを抜粋しターゲットとなるグループを作成、外部データや位置情報データ等を掛け合わせ、精度の高い配信を行いました。同時に、米ドル為替レートと口座開設数とは負の相関が合ったため、米ドル為替レートの変化に合わせた広告運用を行いました。
第2段階ではサイト訪問者へのリターゲティングは勿論、第一段階の考察を踏まえ、高コンバージョンのグループへの配信強化、配信デバイス、曜日における配信ボリュームの調整など以下の図の通り配信及び運用を行いました。
平日(月曜日〜金曜日)の平均顧客獲得単価が週末に比べ安い傾向にあったため、広告配信戦略の最適化として平日に予算を集中させ、全体の獲得単価を引き下げることに成功しました。また、以下の図の通り就業時間中(9:00~17:00)のコンバージョン数はモバイル、PCにて大きな差はないものの、18:00以降はモバイルからのコンバージョン数がPCを大きく上回る事が分かったため、デバイス別の予算配分を最適化し、コンバージョン数の最大化を実現しました。
第3段階ではサイトを訪問したことがある、もしくは広告をクリックしたことのあるオーディエンスを「オリジナルユーザー層」と定義し、オリジナルユーザー層の特徴と行動を分析し、類似層検知テクノロジーを用いて広告配信ターゲットの範囲を拡大して広告配信を実施しました。
キャンペーンの結果
口座開設の前提条件が数百万台湾ドルという高い基準であったにもかかわらず、精確な対象グルーピングとリターゲティング、類似層検知テクノロジーを用いることで、本キャンペーンに適した層とのコンタクトに成功し、クライアントの想定を超え、口座開設率は5%を達成しました。広告配信方法の調整することにより、平均顧客獲得単価(CPA)も段階を踏むごとに下降し、最終的なCPAは開始当初から比較すると32%の減少となりました。
本キャンペーンの結果として、データ活用や取得データを基にした広告運用の有効性を感じていただく事が出来たかと思います。
本件はあくまで一例となり、このように数値化が難しい施策も多くありますが、今後の訪日外国人向けプロモーションを考える上で広告の効果効率を上げるデータ分析及びデータ活用はますます重要になってくるかと思いますので、今後もこういったデータをプロモーションに活用した事例をご紹介出来ればと考えております。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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