こんにちは。Vpon Japanの木ノ内です。
前回、”データ”を活用したプロモーション手法について、American Express社の事例を交えながらご紹介致しました。
旅マエ〜旅アト全行程で戦略を立て、収益増加率500%を達成:データを活用した中国向けプロモーション事例紹介<American
こんにちは。Vpon Japanの木ノ内です。前回、モバイルデータから見る中華圏訪日客の特徴についてご紹介致しました。インバウンドに関連するデータは様々な企業/自治体がリサーチ・調査等で収集しており、レポート等で紹介されておりますが、効果的に広告プロモーションで活用しているという事例は現状多くないと認識しております。今回はその ”データ”を活用したプロモーション手法について、 American Express社の事例を交えながら、ご紹介させていただきます。目次American Expres...
今回は、弊社にも最近引き合いの多い ”富裕層” に向けた広告配信手法 について、事例を交えながらご紹介致します。銀行の事例となりますが、訪日外国人の中から更に富裕層に向けて広告配信をしたいというご要望にも活用可能な手法かと思いますので、是非ご一読ください。
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- 富裕層ターゲティング事例
- 広告主業種 : 銀行
- 広告プロモーションの目的
- 米ドル定期預金口座 開設顧客の獲得
プロモーションの背景
2017年初頭、台湾では多数の金融ブランドが、経済ピラミッドの頂点を占める富裕層に対して、銀行での口座開設を促すため資産運用のツールとして「高金利米ドル定期預金」を積極的に打ち出しました。その中で、ある金融ブランドは、米ドル定期預金として市場で最高となる利率を設定しましたが、その特典を受ける条件として、
- 預金者は金融機関に対し数百万台湾ドル以上の預け入れを行う。
- 一定金額を米ドル定期預金口座に入金する。
という2点を設定した商品を発表しました。
プロモーションの課題
- 経済ピラミッドの頂点を占める富裕層を特定し、時と場所に応じた広告配信を行う
- 銀行スタッフが連絡可能な顧客リストの作成をKPIとする
3段階に分ける広告配信戦略
配信戦略を大きく3つに分け、課題解決に向けた広告配信を以下のフローにて実施しました。

各段階に分け詳細を説明致します。まず第1段階の詳細は以下の通りです。

保有するデータから、資産運用に興味のあるユーザーを抜粋しターゲットとなるグループを作成、外部データや位置情報データ等を掛け合わせ、精度の高い配信を行いました。同時に、米ドル為替レートと口座開設数とは負の相関が合ったため、米ドル為替レートの変化に合わせた広告運用を行いました。

第2段階ではサイト訪問者へのリターゲティングは勿論、第一段階の考察を踏まえ、高コンバージョンのグループへの配信強化、配信デバイス、曜日における配信ボリュームの調整など以下の図の通り配信及び運用を行いました。

平日(月曜日〜金曜日)の平均顧客獲得単価が週末に比べ安い傾向にあったため、広告配信戦略の最適化として平日に予算を集中させ、全体の獲得単価を引き下げることに成功しました。また、以下の図の通り就業時間中(9:00~17:00)のコンバージョン数はモバイル、PCにて大きな差はないものの、18:00以降はモバイルからのコンバージョン数がPCを大きく上回る事が分かったため、デバイス別の予算配分を最適化し、コンバージョン数の最大化を実現しました。

第3段階ではサイトを訪問したことがある、もしくは広告をクリックしたことのあるオーディエンスを「オリジナルユーザー層」と定義し、オリジナルユーザー層の特徴と行動を分析し、類似層検知テクノロジーを用いて広告配信ターゲットの範囲を拡大して広告配信を実施しました。
キャンペーンの結果
口座開設の前提条件が数百万台湾ドルという高い基準であったにもかかわらず、精確な対象グルーピングとリターゲティング、類似層検知テクノロジーを用いることで、本キャンペーンに適した層とのコンタクトに成功し、クライアントの想定を超え、口座開設率は5%を達成しました。広告配信方法の調整することにより、平均顧客獲得単価(CPA)も段階を踏むごとに下降し、最終的なCPAは開始当初から比較すると32%の減少となりました。

本キャンペーンの結果として、データ活用や取得データを基にした広告運用の有効性を感じていただく事が出来たかと思います。
本件はあくまで一例となり、このように数値化が難しい施策も多くありますが、今後の訪日外国人向けプロモーションを考える上で広告の効果効率を上げるデータ分析及びデータ活用はますます重要になってくるかと思いますので、今後もこういったデータをプロモーションに活用した事例をご紹介出来ればと考えております。
【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。
そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。
DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。
<セミナーのポイント>
- 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
- 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
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集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!
→【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介
【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】
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