【現地取材】”インバウンドブーム”始まる前からコツコツと 静岡県下田市の観光業者に聞く訪日客の受け入れ対策とは

【現地取材】”インバウンドブーム”始まる前からコツコツと 静岡県下田市の観光業者に聞く訪日客の受け入れ対策とは

幕末の黒船来航より、アメリカ人をはじめとする外国人に馴染みがある静岡県下田市。日本国内からの夏の海水浴客だけでなく、通年を通して訪日外国人を受け入れたいと下田市観光協会だけでなく、地元の観光業者も取り組みを開始。そういった方々にお話しを伺いました。なお、取材には下田市観光大使の岡崎大五氏の協力を得ました。

地元民「ことばがわからないからお断り」とならず 地域ぐるみでの訪日客受け入れに成功:黒船のまち

観光庁では、従来のアジア圏からの訪日外国人誘致に加え、欧米豪インバウンドの誘致にも力を入れはじめました。静岡県の下田市は、観光庁の施策以前より、アメリカやフランスからの観光客が多く来ていますが、なぜ欧米圏からの訪日客の誘致に成功しているのでしょうか?今回、一般社団法人下田市観光協会の立見絹代氏にお話を伺いました。なお、取材には下田市観光大使の岡崎大五氏の協力を得ました。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションの資料を無料でダウンロードする「...

訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションの資料を無料でダウンロードする

日米通商条約が結ばれた寺が運営するイラストレーション・ミュージアム

下田に1854年に黒船が来航し、日米下田条約終結の場となったのが、今も市内にある了仙寺です。この寺の敷地内に黒船ミュージアム(MoBS)があり、寺が運営をしています。住職の松井大英氏にお話を伺いしました。

寺には、多くの幕末の風俗画が残っており、黒船ミュージアムに定期的に展示替えをして常時展示をしています。下田を訪れるアメリカ人観光客には「イラストレーション・ミュージアム」として知られています。幕末当時の日本人が外国人をどのような目で見ていたか、また時代背景などが、ことばが分からなくても風俗画(イラストレーション)で理解できることから訪日外国人に人気 です。

館内ビデオは、日本語、英語、北京語の3種類。住職によると、ミュージアムを訪れる訪日外国人で一番多いのは台湾人ですが、台湾人に聞き取り調査をして、北京語でも問題ないと判断して、この3言語 となっています。

▲黒船ミュージアム(MoBS)入り口のパネル。館内は当時の風俗画が展示されています

▲黒船ミュージアム(MoBS)入り口のパネル。館内は当時の風俗画が展示されています

大規模なリノベーションを終えたばかりの高台のリゾートホテル

下田は伊豆急の終点です。伊豆急は東急グループの一員ということもあり、下田には東急ホテルがあります。最近、訪日外国人を呼び込もうと大規模なリノベーションが行われました。下田東急ホテルのマネージャー、矢野剛氏と野口純也によると、ホテルの顧客は8~9割程度が日本人で、訪日外国人はまだ少ない とのこと。そして、訪日外国人の国籍においては、アジアと欧米豪の訪日外国人の割合は半々 です。現在は海水浴シーズンに日本人客の予約が集中しており、春と秋の時期に訪日外国人で部屋を埋めたいという希望があります。

▲下田東急ホテルのエントランス

▲下田東急ホテルのエントランス

歴史あるリゾートとしての下田。かつての賑わいを取り戻したい

下田の大浜ビーチ沿いにあるカフェ「サニーサイド」のオーナー、斎藤氏は41年間、下田を訪れる観光客の相手をしています。2008年のリーマン・ショック以前は、在東京・横浜の外国人ビジネスマンがたくさん下田を訪れていました。かつて近くにオーストラリア大使館の保養所があり、口コミでリゾート地としての下田が知られるようになり、下田に別荘を持つ外国人が増加。浜辺では禁止のため、カフェの敷地内でバーベキューをするために多くの外国人が斎藤氏の店に集まりました。リゾートでは、酒を飲んで楽しめるところに客が集まります。ところが、残念ながら、かつての顧客は仕事のためシンガポール等に移ってしまいました。そのため、訪日外国人の増加に期待しています。

▲下田には、多くの別荘が立ち並んでいるエリアがあります

▲下田には、多くの別荘が立ち並んでいるエリアがあります

下田料理飲食店組合では、訪日外国人用のメニューを準備

下田温泉旅館協同組合・下田料理飲食店組合・下田菓子組合が運営している観光案内サイト『伊豆下田100景』の責任者、澤地寛之氏によると、下田料理飲食店組合では訪日外国人のために様々な施策をしています。まずは、英語メニューの用意。さらには、各店舗に1種類ずつ、ハラールベジタリアン、ビーガンのメニュー を提供できるように準備中です。下田には、魚料理を中心とした和食だけでなく、中華、イタリアン、インド料理、スペイン料理など長期滞在をしても飽きない幅広いジャンルの飲食店があります。

今さら聞けないインバウンド基礎知識『ハラルフード』とは?対策や事例から学ぶムスリム対応

「ハラルフードってなに?」これに即答できますか?また、どのように答えるでしょうか?インバウンド担当者の方でも「ハラルフードとは?」と聞かれて具体的に答えることが出来る人は、いまだ多くないでしょう。今後インバウンドにおいては、ムスリム系訪日外国人の対応が重要になってきます。今回の記事ではインバウンド担当者なら知っておきたい「ハラルフード」の基礎と事例を解説していきます。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作...

飲食店でのインバウンド対策で必須知識!訪日外国人に多い「ベジタリアン」とは?

飲食店が訪日外国人観光客を接客する場合、別の記事でご説明したそれぞれの国ごとの食習慣・マナーの違いのほか、嗜好や宗教によって「食べることが出来ないもの」「食べてはいけないもの」「食べたくないもの」があることに注意が必要です。この記事では訪日外国人観光客の嗜好によって気をつけるべきポイントとして、海外では多い「ベジタリアン」についてご紹介します。 ベジタリアンとは?日本ベジタリアン協会によると、ベジタリアンの定義は下記のようになっています。>ベジタリアン(Vegetarian...

アジアからと欧米豪からの訪日外国人の土産の好みは異なる

下田駅前の土産物店フロントの責任者 長池氏は、アジアからの訪日外国人は菓子類をたくさん購入する と言います。一方、欧米豪からの訪日外国人は菓子ではなく、日本らしい雑貨類を好んで購入します 。国によって好みが異なるので、品揃えは幅広くしてあります。

また、下田日待は和雑貨を扱うショップです。オーナーの植松氏によると、ヨーロッパからの女性訪日外国人が、着物地で作ったバッグを購入することがあるとのこと。しかしながら、現状では残念ながら日本人観光客は多くても、来店する訪日外国人はまだ多くはありません。古いなまこ壁の土蔵を改造した店の2階を休憩所として開放し、訪日外国人を呼び込もうとしています。

▲和雑貨を扱うショップの2階は休憩所として開放されています

▲和雑貨を扱うショップの2階は休憩所として開放されています

まとめ

下田は幕末から外国人を受け入れた歴史があり、地元の人々は外国人に慣れています。また、訪日外国人を呼び込みたいという熱意を持った観光業者も多く、観光庁が欧米豪へのアプローチを開始した現在、従来アメリカやヨーロッパからの観光客が多い下田はもっと認知されてもよいディスティネーション です。

問題点は、クレジットカードが使える店舗が少ないこと。現在、訪日外国人には、現金引き出しができるセブン銀行のATMが案内されていますが、近い将来にはクレジットカードが使えない問題が解決されていることを期待します。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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