タビナカニーズを的確に分析する「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」とは?

先週、ブッキングホールディングス(Booking.comの持株会社)が米デンバーに本社を置き、ツアーやアクティビティを催行する企業向けに、オンライン経由で消費者と予約やりとりできるソフトウェアを開発しているFareHarbor社の買収を発表しました。そろそろ同社もアクティビティ領域にも本格参入してくるのではないでしょうか。

日本では、先月ご紹介した改正通訳案内士法によって通訳案内士の無資格者でもガイドが可能となり、次は6月に民泊新法の改正もあります。ですので、より一層、アクティビティ単体もそうですが、民泊&アクティビティといったパッケージ化も加速していきそうですね。

通訳案内士法改正で激変期を迎える日本インバウンドの「タビナカ」:大手の参入、テクノロジーの進歩で日々変化を遂げるタビナカ 今後の先行きは?

すっかり春になり、過ごしやすい季節になって来ましたね!さて、今回は、ここ最近のタビナカ参入状況について、国内外の大手企業の動き、またシェアリングエコノミーやテクノロジーを活用した新たなサービスの台頭を背景に、述べていきたいと思います。目次大手旅行会社やエアライン会社、ホテルなどがツアー・アクティビティ市場参入へシェアリングエコノミーやテクノロジーのタビナカ参入まとめ大手旅行会社やエアライン会社、ホテルなどがツアー・アクティビティ市場参入へ今年2月、ドイツの最大手旅行代理店TUI Group...

さて、今回はタビナカサービスの一社を紹介させていただきます。KDDIグループのワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)社が提供する、無料Wi-Fi接続が可能な訪日外国人向けアプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」です。

訪日観光客は、コト消費へ、そして地方へ

訪日外国人の動向において旅ナカ段階では、旅マエで立てたスケジュールをこなしていく中、〝現地で決められる〟若しくは、〝手配することができる〟ものが主に対象になってきます。例えば、対象となる業種であげると、小売店や飲食店、観光施設、イベント、アクティビティなどです。ただし、飲食店の中では予約が必要なお店もあり、特に高級店や人気のイベントの場合は事前予約が必要となり、旅マエ段階でのプロモーションとなってきます。

2015年をピークに爆買い需要がありましたが、現在は需要が一服しました。そんな中、日本の品質の高さという認知が広がったものの、訪日外国人による爆買いほど需要がないため、小売店側では店舗側への送客する動きが増えてきました。

まだゴールデンルートという東京や京都、大阪などの主要観光都市への来訪は根強いものの、訪日外国人自身がより日本の良さを知ろうと地方へ足を運んでいる傾向がみられます。もちろん政府主導による地方創生政策などの一環により、主要観光都市以外への積極的なPR活動による要因もあり、地方への需要が高まってきています。

そこで、さらに訪日外国人に対して、小売店や施設などの企業がお金を使っていただくよう、目的以外の〝ついで買い〟の誘発に各自治体様が力を入れつつあります。

旅ナカでの集客に強みを持った「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」

TRAVEL JAPAN Wi-Fiは、訪日外国人に向けて主要な空港や鉄道、バス、カフェなどを始め、全国約20万箇所以上で無料でインターネットが自動接続されるスマホアプリです。

接続したWi-Fiアクセスポイントに紐づき、ユーザーのデバイスに対して、多言語で位置情報に応じた自治体の観光情報や企業の商品、店舗のクーポンなどを配信し、目的地までナビゲーションするといった情報サービスを展開しています。

また、TRAVEL JAPAN Wi-FiアプリとWi-Fiインフラから得られる位置情報ビックデータを活用して訪日外国人の動態分析レポートも提供。例えば、訪日外国人が日本滞在中にどのようなルートをたどって旅行しているのかを分析し、その結果をもとに、繋がりの深い自治体と連携し、来訪PRを実施するなど、ファクトに基づいた観光施策の立案実行に活用されています。

TRAVEL JAPAN Wi-Fiは通信サービスを訪日外国人に対して無料で提供する代わりに、自治体や民間企業へのコンテンツ配信サービスやデータ分析サービス提供で収益を得るビジネスモデルとして展開しています。

TRAVEL JAPAN Wi-Fiの今後3年以内の展開について

訪日外国人の動向やインバウンド市場の環境が変化していく中で、TRAVEL JAPAN Wi-Fiの今後の展開としては大きく下記の3点だそうです。

1、Wi-Fi環境としてのアクセスポイントの拡大 2、訪日外国人の行動データの質を向上させること 3、訪日外国人に対してのコンテンツ拡充

1、アクセスポイント拡大によるWi-Fi接続環境の強化

現在、ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)社は、全国約20万箇所のアクセスポイントを運営しています。このインフラに加え、訪日外国人のおもてなし、自社運営店舗や施設の利便性向上、競合差別化の為に、フリーWi-Fi環境を提供したい自治体や交通機関、民間企業のお手伝いをしているようです。

例えば、同社の実績で民間企業であれば、マツモトキヨシ様やドン・キホーテ様、ビックカメラ様、スターバックスコーヒー様など、自治体では、京都府、神戸市、仙台市、等の大手企業様や市区町村の自治体様に導入しています。また、特に都心部や主要観光都市では、Wi-Fi接続の需要が多く、それと伴い、アクセスポイントの供給も多くなっています。ただし、地方によってはWi-Fiの導入があるもののまだ普及率が低い現状もあります。

訪日外国人のニーズの多様化により、都心部だけでなく、地方へも足を運んできている状態の中、そこで必ず問題になってくるのが、インターネット接続による問題です。まだ地方へのアクセスポイントの普及率が低い一方、訪日外国人が地方への誘客が日に日に高まっているため、都心部だけではなく地方も含むアクセスポイントの拡大も今後積極的に展開していくようです。

2、訪日外国人の行動データの質を向上させること

旅ナカでのプロモーションというと、「訪日外国人」としてひとまとめにした施策が多いのが現状です。しかし、訪日外国人のニーズの多様化により、多数ではなく一人一人に対してのプロモーション、いわゆる「個客」に対してのマーケティング施策が重要となってきています。そのために重要なのが、訪日観光客の動向を知る事となります。

TRAVEL JAPAN Wi-Fiではアプリインストール時に独自の認証方法を用いて訪日外国人を対象にアプリを提供しております。もちろん、アプリをインストールしていただいた訪日外国人となるユーザーに対しては同意の元、Wi-Fi接続ログやGPSログなどから、ユーザー行動や属性情報を取得し、個人を特定できない形に加工した上で活用しているようです。

広告主に対して、より深い広告価値を提供するため、より精度の高いターゲティングができるよう、さらにデータ収集を行い、強化させていくことを進めているようです。

3、訪日外国人に対してのコンテンツの拡充

TRAVEL JAPAN Wi-Fiでは現在、位置情報と連動し、訪日外国人にとって有益な情報を配信しています。旅ナカでの需要をより高めるため、訪日外国人に対して、適切なタイミングで情報を提供していますが、今後はより幅の広いジャンルやエリアの情報をお届けできるようしていくようです。

また、アプリの利用者が特定の属性に偏らず、訪日外国人全体の縮図を捉えることが重要と考え、訪日外国人全体が必要とする用途横断的な通信機能を提供することで、特定の層に偏重しない情報を提供していくようです。

まとめ

国内で大きなイベントとして、2019年にラグビーワールドカップ、その翌年2020年にはオリンピック・パラリンピックの開催が予定されており、政府でも2020年には訪日外国人4000万人を目標と掲げています。

同社は訪日外国人に対して、今後さらにサービスを向上させ、旅ナカにおける〝その場でしか得られない情報を提供〟し、ユーザー情報というビックデータを活用し、よりきめ細かなコンテンツや広告を配信することで、訪日外国人に対して、消費につながるようで動線を作っていく事を考えています。

今後、ユーザーニーズに沿ったアプローチをしていきたい地方自治体や小売店の方々、同社と連携されていくといいかもしれません。

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

Liigo Inc.

Liigo Inc.

Liigo Inc.のサービスディレクター。英国で生まれ育ち、大学院入学を期に来日した日系英国人。学生時代は環境分野を研究し、その後はIT、教育、エネルギー等多方面の分野に従事。現在Liigoでは事業計画からマーケティングを担当。世界の観光市場、アクティビティ(Things to do)市場の仕組み、最新の動向やLiigoの事業についてお伝えします。