6月18日に起きた大阪府北部の地震で、防災アプリのダウンロード数が急上昇しました。地震翌日の6月19日には「Yahoo!防災速報」がGooglePlay・AppStoreの両方でダウンロード数の急上昇ランキング1位になりました。東京都が発行して話題になった防災ハンドブックのアプリ版「東京都防災アプリ」も上位にランクインしています。
被災した訪日外国人のために英語の防災アプリや、そのダウンロードの仕方を拡散する情報発信も、たくさん見受けられました。訪日外国人に本当に支持されるアプリはどれなのでしょうか?インターネットのTwitterやFacebookといったSNSで拡散されていた代表的な多言語対応防災アプリを4つピックアップしました。
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多言語対応防災アプリその①:観光庁「Safety Tips」アプリ
ダウンロード数:10,000+(GooglePlay)
2014年10月から提供を開始している外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」は、訪日外国人が安心して日本国内を旅行できるように緊急地震速報及び津波警報、気象特別警報、噴火速報などを提供するアプリです。JNTOが2017年秋にリリースした、訪日外国人のための観光情報アプリ「Japan Official Travel App」とも、「Safety tips for travelers」(WEB版「Safety tips」)を通じて連携しています。今回の大阪府北部の地震発生後にSNSなどを通して拡散されました。やはり日本政府が提供している公式アプリという安心感とネームバリューは大きいようです。
訪日外国人に災害情報を提供することを目的として、災害時に必要な情報のみを、日本語・英語・韓国語、中国語(繁体字・簡体字)の5言語で提供しています。2016年に発生した熊本地震を期に、2017年にはアプリの機能のアップデートを実施。アプリの機能改修にあたっては、実際に外国人約60名を対象にグループインタビューを行うことで、外国人目線でのニーズを探りました。
NHKWORLDや大使館情報などの様々な情報のプラットフォームとなっている一方で、これら外部サイトにリンクを貼ることでユーザーを情報提供者のサイトに誘導する場面も多く、情報に到達するまでの階層・必要時間などに改善が必要ではという声もあります。
多言語対応防災アプリその②:東京都「東京都防災」アプリ
ダウンロード数:10,000+(GooglePlay)
東京都がリリースして好評だった防災ハンドブック「東京防災」がアプリになったものです。個性的なデザイン、気の利いたユーザビリティはやはり好評で、大阪府北部の地震発生後、かなりSNS拡散されていました。
このアプリには「東京防災」「東京くらし防災」「災害時モード」の3つのモードが搭載されています。「あそび」「まなぶ」「つかう」の3つのアクションで防災意識を高めようという防災アプリです。
日本語・英語・韓国語、中国語(繁体字・簡体字)に多言語対応しているものの、基本的には防災教育を目的としたアプリであるため、定住外国人に向いたアプリという印象を受けます。
日本に遊びにきて、たまたま被災してしまった訪日外国人は使いこなせるかわからない印象です。
多言語対応防災アプリその③:NHK「NHK WORLD TV」アプリ
ダウンロード数:500,000+(GooglePlay)
じつは、日本国内でもっとも外国人が頼りにしている災害情報ソースは、この「NHK WORLD TV」アプリです。ダウンロード数は50万超えで、他の訪日外国人向け防災アプリを寄せ付けない圧巻の実績です。
「NHK WORLD RADIO」というラジオ版アプリもあり、こちらも10万ダウンロードを超えています。
災害時しか使わない防災アプリではなく、常日頃の情報を得るメディアなのが、結果として防災アプリ・ナンバー1の座をもたらしたのでしょう。
「ありがとう、NHK。これで旅行者や日本語がわからない外国人も地震や津波警報がわかるようになった」
【海外の反応】大阪で地震!被災した外国人のSNS投稿から見る「災害×インバウンド」のホンネとは?
2018年6月18日に大阪府北部の大地震により、多くの訪日外国人観光客も被災しSNSなどを通じて大きく拡散されました。日本は地震や台風など、災害が多い国です。災害時に日本語がわからない訪日外国人観光客を案内すれば良いのか、旅行中に地震で被災した訪日外国人観光客と海外の反応をTwitterやWeibo(微博)などのSNSを通してご紹介します。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロード...
多言語対応防災アプリ・番外編:大阪観光局ホームページ
最後に、今回の大阪府北部の地震発生後、あまり訪日外国人に拡散されなかった残念な情報ソースとして「大阪観光局ホームページ」が挙げられます。
地震に即時対応しており、素晴らしい災害対応コンテンツを持ち、多言語対応もされているのに、どうしてあまりSNS拡散されなかったのでしょうか?
理由としては、大地震が起きた時に「観光ホームページ」にアクセスする人が少ないからと思われます。災害時に人々がアクセスするメディアとしては、政府が発表する災害情報、常日頃から頼りにしているニュースサイト、そしてSNS(Twitterなど)が挙げられます。
大阪観光局のホームページはこれらのどれとも連動がうまく働かず、観光局としての素晴らしいインバウンド対応やサポートが訪日外国人にあまり伝わらなかった様子なのは大変残念です。
大阪府北部でM5.9最大震度6.1弱の地震。インバウンド業界へも影響必至・気象庁も「今後1週間は余震に注意」を呼びかけ
本日6月18日の8時2分ごろ、大阪府北部でマグニチュード5.9と推定される地震がありました。この地震による津波の心配はないものの、その後も大阪府を震源とした地震が頻発しています。この地震により観測された最大震度は震度6弱であり、人的な被害も発生しています。 関西圏では交通がマヒした状態が続いており、
まとめ:訪日外国人向け「防災アプリ」はTwitterやFacebookなどのSNS連携をこころがけたほうが良い
日本はもともと災害の多い国なので「平常時から災害対策をする、防災そして減災をこころがける」という意識があります。そのため、防災アプリも「平常時に防災の勉強をする」機能が強いものが多いようです。
しかし訪日外国人の中には地震も津波もない国からの人がたくさんいます。日本人のように「平常時から勉強して災害への心構えを」と言われてもピンとこないでしょう。
防災アプリも簡単に使いこなせるものがインバウンド向けと言えるでしょう。非常時にワンクリックするだけで必要な安全情報が得られるものが望まれます。また平常時に外国人が好んでアクセスするメディアへの連携は必要不可欠でしょう。
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<参考> - 大阪地震で「防災アプリ」が急上昇 ダウンロードランキング上位のアプリ7選 - 大阪観光局ホームページ
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