デービッド・アトキンソン氏「少子高齢化の日本では『移民』より『訪日観光』を促進すべき」…その理由、インバウンドのあるべき姿とは?

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株式会社小西美術工藝社代表取締役、デービッド・アトキンソン氏『新・生産性立国論』をはじめ多数の著作を持ち、グローバルな視点から日本のインバウンド業界への提言を続けています。

2018年7月4日には「ヒト・モノ動きの未来塾」の勉強会に講師として登壇しました。

「ヒト・モノ動きの未来塾」は運輸・観光領域の再定義、基幹産業化するために必要となる取組について、様々な企業⼈・個⼈・官庁関係者が専⾨分野を越え議論を深め交流しようと立ち上げられたものです。

数値やデータの分析など、しっかりとした裏付けから導き出されるアトキンソン氏の提言は具体的でわかりやすく、少子高齢化に向かう日本の未来を生きぬく上でインバウンド産業の持つ可能性を教えてくれます。

『日本のおもてなしはただの自己満足だ』…JNTOの非常勤顧問デービッド・アトキンソン氏がインバウンド業界に投じる7つの教示とは?:インバウン

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に4,000万人の訪日外国人観光客を誘致するために、政府はインバウンドの受け入れ環境整備へ力を入れています。このような状況の中、2017年、JNTO(日本政府観光局)では日本のインバウンド市場をさらに活性化させるためにデービッド・アトキンソン氏を非常勤の特別顧問として迎え入れています。インバウンド業界でも頻繁に名前を効くようになったデービッド・アトキンソン氏はどのような人物なのでしょうか。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらう...

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少子化日本で「移民」より「訪日観光」を促進すべき理由

デービッド・アトキンソン氏最新著作『新・生産性立国論』

デービッド・アトキンソン氏最新著作『新・生産性立国論』

著作『新・生産性立国論』でアトキンソン氏は日本の移民政策についても言及しています。今回の講演でもアトキンソン氏は日本がなぜ移民ではなく訪日観光客誘致に注力すべきかを話し始めました。

「日本は世界にも稀にみる急激な人口増を経験し、そして今後は急激な人口減に見舞われる国です。これほどの急激な人口増減を短期間に経験した国はありません。未知の領域に入っていくわけです。」

アトキンソン氏は安易に移民を推進しようという考えには与しないと言います。

日本が移民によってGDPを維持しようとするのであれば、3,419万6,000人の移民が必要な計算になります。これは日本の人口の40%に相当する移民を受け入れるということです。例えばドイツや英国1国の総労働人口を上回る数字です。

移民によるGDP維持は現実的ではないのです。」

新しい在留資格 特定技能とは

2018年6月22日都内にて「『在留資格(ビザ)』で分かる、外国人受入れの今とこれから」セミナーが開催されました。外国人政策勉強会EDAS(イーダス)が主催したこのセミナーは、特定行政書士の長岡由剛(ながおか よしたけ)氏を講師に迎え、日本の在留資格(ビザ)について学ぶために催されたものです。2018年6月5日に先立って政府が原案を示した「骨太の方針」でも、外国人材の受入拡大路線が盛り込まれました。これから日本は移民政策や外国人労働者という、今まであまり語られてこなかった課題と向き合うこと...

少子化対策によるGDP維持も現実的ではない

アトキンソン氏は少子化対策でGDP維持するのも現実的ではないと言います。

計算によると、少子化対策が効果を出したとして、現在のGDPを維持するためには女性1人が4.4人の子供を産むことが必要だと言います。

近年の未婚・晩婚化で産まない選択や産む期間が短くなっていることを考慮すれば、産む意思と環境がある女性に8.5人ずつ子供を産んでもらわないとGDPは維持できないそうです。

現代の社会において、8.5人の子育ては女性にとっても、子供を育てる若い夫婦の負担としても、到底可能な数字ではありません。

なぜ地方創生にインバウンドが重要なのか?交流人口から考える訪日客地方誘致の重要性

2017年7月19日の観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2017年前半期のインバウンド消費額は史上初めて 2兆円 を突破しました。また、2017年に入ってからも 7カ月連続で前年を上回る訪日外国人観光客数を記録 しており、日本国内で「インバウンド誘致」はホットなキーワードになっています。加えて、インバウンド誘致は地方の過疎化・人口減少など 日本の抱える諸問題を解決する手立てとしても注目を集めています。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが...

インバウンド産業は世界で3つ目に大きい輸出産業

「移民」「少子化対策」が日本のGDPを維持する特効薬になりえない。しかしアトキンソン氏は日本のインバウンド産業に期待しているといいます。

訪日外国人を日本に受け入れて消費を行ってもらうインバウンド観光は日本国内で輸出をしているのと同じです。世界的に見ると観光産業はすでに自動車産業を抜き去り、3つ目に大きな輸出産業になっており、これからもまだ伸びるといいます。

「日本は観光の4要素と言われる、1.気候・2.自然・3.文化・4.食事がみな高いポテンシャルを持っています。その証拠に、インバウンドにきちんと取り組み始めた数年前から観光産業は急激な成長を見せています。」

「呼ぶだけ、顧客満足度に責任を持たない」観光地は問題

上手く滑り出したように思われる日本のインバウンド産業ではありますが、アトキンソン氏はせいぜい30分しか滞在できない観光スポットがたくさんある現状は問題だと感じているそうです。

デービッド・アトキンソン氏著作『世界一訪れたい日本のつくりかた』

デービッド・アトキンソン氏最新著作『世界一訪れたい日本のつくりかた』

「ヨーロッパからの訪日外国人何日もの休みを使い、大金をはたき、長いフライトをして日本にやってくる。しかし、写真と広告だけ上手、実際に訪れると満足度が低い観光地が日本にもまだまだあります。

この続きから読める内容

  • 価値に「付加価値」をつけるのが観光産業:二条城がその成功例
  • 京都のホテル 宿泊客の「4割」がインバウンドという驚きの結果
  • 無理に周囲と協調せず「まずは1つが突き抜ける」ことが大事
  • 年収1,000万円クラス 今話題の欧米圏「マス富裕層」を狙うには?年収が高くなるにつれ、消費行動に対するジャッジが厳しくなる傾向が
  • まとめ: インバウンド産業は日本のこれからの経済を担う主要輸出産業へと成長する可能性
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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