なぜ地方創生にインバウンドが重要なのか?交流人口から考える訪日客地方誘致の重要性

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2017年7月19日の観光庁訪日外国人消費動向調査によると、2017年前半期のインバウンド消費額は史上初めて 2兆円 を突破しました。また、2017年に入ってからも 7カ月連続で前年を上回る訪日外国人観光客数を記録 しており、日本国内で「インバウンド誘致」はホットなキーワードになっています。

加えて、インバウンド誘致は地方の過疎化・人口減少など 日本の抱える諸問題を解決する手立てとしても注目を集めています。

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少子高齢化で地方の人口減少が止まらない日本:2060年には生産年齢人口は現在の半分まで減少

人口減少・少子高齢化の推移・予測:観光庁 観光に関する最近の話題と観光地域づくりより引用

人口減少・少子高齢化の推移・予測:観光庁 観光に関する最近の話題と観光地域づくりより引用

観光庁が発表した「観光に関する最近の話題と観光地域づくり」によると、今後少子高齢化が進み、2047年には日本の人口は1億人程度まで落ち込む とのこと。

また、同資料によると 2069年には総人口の40%が65歳以上に なり、生産年齢人口も現在の半分近くまで減少 します。

また、東京など大都市への一極集中が止まらない中、地方の人口流出に歯止めがきかない 現状に陥っており対策が急がれています。

地方の人口減少に歯止めをかける施策はいくつかありますが、中でも 「観光」を通じた地域活性化 は全国の自治体で取り組まれているものです。

少子高齢化で人口減少が止まらない地方:「観光」を通じた地域活性化への取り組みが全国で行われる

地方で人口が一人減るごとに日本人旅行者25人の誘致が必要?!

地方の自治体では、地域の観光資材をアピールすることで観光客を呼び込んだり、近隣の自治体とDMOを組織することで、観光を通じて「地域の稼ぐ力」を醸成しています。

島根・鳥取に新DMO設立のワケとは?これからターゲットにしていくのはあの訪日外国人!両県のインバウンド観光の課題と施策とは

2016年に中国地方を訪れた訪日外国人観光客数と国籍別割合:宿泊旅行統計調査をもとに数値をグラフ化観光庁の宿泊旅行統計調査 によると、2016年に中国地方5県(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、 過去最高となる1,372,660人 を記録しました。特に 岡山県では、前年比65.2%増 という大幅なインバウンド増加を記録しています。また、中国地方にはアジア圏のみに限らず、欧米系の訪日外国人観光客も多く訪れています。こうした背景から中国地方においても徐...

しかし、先述の通り、地方では人口が減っており、それに伴いその地域に住む 定住人口(居住者・居住人口)の消費額も減り続けています。

総務省の2015年家計調査によると定住人口1人あたりの年間消費額は 125万円 でした。単純計算で 地方で人口が1人減るたびに125万円の消費が減る ことになります。

この125万円の消費を埋め合わせるためには、年間で日本人宿泊旅行者25人分、もしくは日本人日帰り旅行者80人分の誘致が必要 になります。

しかし訪日客なら8人で定住人口1人の減少分を埋められる計算に!インバウンドの交流人口を増やす方が手っ取り早い?

一方、 外国人観光客の場合、地方で人口が1人減った際の消費額である125万円というを埋め合わせるにはたった8人でよい計算になります。

つまり、地方にとって人口減少で減った分の消費額を埋め合わせるためには、日本人旅行者を大量に呼び込むよりは、数人の訪日外国人観光客を呼び込めばよい 話になります。この裏側には一体なのがあるのでしょうか。もう少し細かく見ていきましょう。

地方の経済的損失の埋め合わせ 何故インバウンドの交流人口増がキーワードに? ポイントは一人当たりの消費額

そもそも日本人観光客と訪日外国人観光客では、市場規模に違いがあります。下記の表は2016年の年間旅行者数・旅行消費額・一人当たりの旅行消費額についてそれぞれまとめたものです。

日本人観光客 訪日外国人観光客
年間の旅行者数 6億4,100万人(宿泊:3億2,566万人、日帰り3億1,542万人) 2,400万人
一人あたりの旅行消費額 3万2,687円(宿泊:4万9,234円、日帰り1万5,602円) 15万5,896円
年間の旅行消費額 20兆9,547億円(宿泊:16兆355億円、日帰り4兆9,212億円) 3兆7,476億円

旅行者数・旅行消費額ともに日本人観光客の方が、大幅に訪日外国人観光客を上回る結果に なっています。しかし、着目すべき点は、1人あたりの旅行消費額。 日本人旅行者の1人あたりの旅行消費額が一回につき32,687円(宿泊:4万9,234円、日帰り1万5,602円)となっているのに対し、 訪日外国人観光客は15万5,896円と、大幅に日本人旅行者を上回っています。

マクロの視点から見れば、旅行者数・合計の旅行消費額が多いのは日本人旅行者であり、優先すべきは国内の観光客のように見えますが、ミクロの視点から見れば消費単価の高い訪日外国人観光客にも大きな可能性があります。

加えて、現在、訪日外国人観光客の間で 「モノからコト」「大都市から地方」 へのトレンド変化が起こっており、地方には多くのリピーターを中心とした訪日外国人観光客が流れてくるように なっています。

インバウンド誘致が地方創生の鍵になりうるといわれる理由はこうした点にあり、日本のインバウンド市場でトレンドになりつつある「モノからコト」、「大都市から地方」の流れをうまく活かし、訪日外国人観光客の交流人口(*)を増やすことで、地方に入ってくるお金も増え、最終的には地方活性化・住民減対策にもつながってくるのです。

交流人口:その地域に訪れる(交流する)人のこと。その地域に住んでいる人、つまり「定住人口」(又は居住者・居住人口)に対する概念

数値で振り返る2016年インバウンド 今後は地方・コト消費・リピーターがキーワードに

いままでのインバウンド市場では「円安が訪日外国人観光客を呼び寄せた」というのが定説でした。そのため、逆説的に「インバウンドは今だけだ。円高が進行すれば訪日外国人観光客の客足は遠のいてインバウンドは終了だ」という言説https://honichi.com/9965も数多くありました。しかしながら実際に円高が進んだ2016年、インバウンドはどうだったかといえば、訪日外客数は 2403万9千人 、訪日外国人旅行消費額は 3兆7,476億円 で、どちらも過去最高を更新しました。 目次2015年まで...

「コト消費」「モノ消費」とは?最近話題になっている訪日外国人の消費活動の変遷について解説

最近メディアの訪日外国人観光客に関するニュースで、「爆買い」から「コト消費」にキーワードのトレンドが移ってきています。訪日ラボでも何度か触れてきましたが、改めて「爆買い」「モノ消費」「コト消費」について解説していきます。コト消費で重要なのは「顧客満足度を上げる」こと!顧客満足度向上に有効なインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳・多言語化」の資料をDLして詳しく見てみるバーコードやQRコードを活用した多言語ソリューション「多言語化表示サービス」の資料をDLして詳し...

まとめ:これからの地方活性化 キーワードは「インバウンドの交流人口増」に

インバウンド誘致は少子高齢化・地方の過疎化など日本の抱える諸問題を解決する手立てとしても注目を集めており、特に 地方での人口減・過疎化という問題に対しては、一人当たりの旅行消費額が日本人旅行者と比較して圧倒的に高い訪日外国人観光客の誘致は有効なものである といえるでしょう。

また、訪日外国人観光客間のトレンドとして、「モノからコト」「大都市から地方」 といったものが出始めていることも加味すると、これから先、日本の地方部にはより多くの訪日外国人観光客が訪れるようになるでしょう。地方創生と人口減に歯止めをかけるうえで、いかにインバウンドの交流人口を増やしていくか を考えることは必要不可欠です。

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近年、買物中心の「モノ消費」から体験型の観光を楽しむ「コト消費」へと需要が移ってきています。実はこうした「コト消費」は比較的似た風景になりがちな大都市圏ではなく、特産品、伝統工芸品、特徴的な気候、風景が魅力となる地方都市に適している とも言えます。今回はそうしたツーリズムの1つである「秋田犬ツーリズム」について詳しく見てみましょう。<関連>目次秋田犬ツーリズムの目的は、ブランド化による交流人口増加による地域経済の活性化と地域社会の持続的な発展大館市・北秋田市・小坂町エリアの観光客の実態は年...

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<参照> - 観光庁:観光に関する最近の話題と観光地域づくり - 総務省:家計調査

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2023年年間の訪日外客数は2,500万人を突破。外国人消費額は5兆円で、過去最高額となっています。また、2024年1月の訪日外客数が268万8100人となり、2019年1月(268万9339人)とほぼ同数となったと発表され、今後さらなる伸びが見込まれます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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