知名度皆無も75%がリピーター!北陸地方は訪日客にとっての穴場スポット?アンケート調査を通じてわかった北陸地方の意外なインバウンド観光の実態

訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では地方にもスポットライトが当たり始めています。

観光庁が2017年6月30日にリリースした宿泊旅行統計調査によると、2017年4月に地方部に宿泊した訪日外国人観光客数は、一昨年・去年と比べてそれぞれ10.2%、17.2%と増えており、地方部を滞在先として選ぶ訪日外国人観光客が着実に増えていることがわかります。

そのような状況の中、訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行では、日本国内の地方部におけるインバウンド観光レポート「DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」を配信しており、北陸地域を訪れる訪日外国人観光客の地方訪問の実態も紹介しています。

比較的好調になりつつある北陸3県のインバウンド観光:石川県には前年138.6%の訪日客が訪問

富山県には2017年4月、47,030人の訪日外国人観光客が訪れました。この人数は前年同月比+29.5%にあたります。

石川県では133,280人(+38.6%)、福井県では8,440人(+0.7%)を記録。2015年3月14日に金沢まで開通した北陸新幹線の経済波及効果は678億円ともいわれ、北陸地域の観光産業は盛りあがりを見せており、それに沿って同エリアを訪れる訪日外国人観光客が増えていることがわかります。

海外からは低い認知度:訪日経験者のうちわずか10%が北陸を訪れたと回答

訪日外国人観光客が増えているとはいえ、まだまだ知名度は乏しい模様です。

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、訪日旅行をしたことがある訪日外国人観光客うち、北陸地域を訪れたと回答した人は、10%にとどまりました。

先述の通り、北陸新幹線が金沢まで開通したことなどを理由に、訪日外国人観光客は増加しましたが、実態と今回の調査の結果にはやや乖離が見られます。

アジア圏の訪日客の間では認知度が比較的高い:台湾人の41%が立山/黒部を認知

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、アジア圏からの訪日外国人観光客の間では、北陸地域の認知度は比較的高い様子が伺えます。

特に興味深い点は、香港人・台湾人の間で北陸地域に対する認知度が高いという点。 台湾人の41%が立山/黒部を認知しています。また、金沢・富山も台湾人にとって聞き覚えのある地名となっています。

香港人に目を移すと、4人に1人が金沢・富山を知っていると回答。こちらでもやはり立山/黒部は有名で、香港人の32%が認知していると答えました。

中国人の間では、富山県の認知度が高い結果になりました。残念ながら欧米圏では、北陸地域の知名度はほぼ皆無という結果になりました。

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北陸3県の訪日外国人宿泊者数は全体のわずか1%:スポーツーリズムやインターン受入でインバウンド誘致に本腰

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北陸地域ではリピーターの訪日客が最も多い:全体の31%が6回以上北陸地域に訪問

訪日外国人観光客の訪日経験回数(地域別):日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より数値をグラフ化
訪日外国人観光客の訪日経験回数(地域別):日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より数値をグラフ化

知名度の低さとは裏腹に、北陸地域ではリピーターの訪日外国人観光客が多い結果になりました。

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、1度のみ北陸地域を訪れた訪日外国人観光客の割合は全体の約25%。約75%の訪日外国人観光客は、複数回北陸地域に訪れている計算になります。

特筆すべきは、訪問回数別に北陸地域を訪れた訪日外国人観光客を割り振った場合、 6回以上北陸地域を訪れた訪日外国人観光の割合がもっとも多かったという点。 知名度こそ低いものの、インバウンドにとって知る人ぞ知る観光地なのではないかと予測できます。

訪日客が北陸観光に期待しているもの ①自然/風景 ②ご当地グルメ ③日本料理

訪日客が北陸観光に期待しているもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より
訪日客が北陸観光に期待しているもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、訪日外国人観光客が北陸地域を旅行する際に期待することとして、もっとも多くの声が寄せられたのが「自然・風景に関するもの」 でした。

2番目に期待していることとして挙げられたのがご当地グルメ。その後は「日本料理」、「宿泊」、「紅葉鑑賞」と続きます。

訪日外国人観光客は、北陸地域が観光資源としてもつ自然に期待を寄せているようです。またご当地グルメが2位にランクインしているのは、大阪と北陸のみ。 訪日外国人観光客の間での北陸地域の郷土料理に対する関心が浮き彫りになりました。

訪日客が北陸観光に期待していないもの ①スポーツ観戦 ②マリンスポーツ ③スポーツ大会

訪日客が北陸観光に期待していないもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より
訪日客が北陸観光に期待していないもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、訪日外国人観光客が北陸観光に期待していないものとして、1位だったのが「プロスポーツ観戦」。北陸地域におけるプロスポーツチームの少なさが調査結果にも反映されました。 2位、3位、5位もそれぞれ「マリンスポーツ」「スポーツ大会」「テニス・ゴルフ」とスポーツに関するものになりました。

北陸地域では、富山県の立山黒部アルペンルートが訪日外国人観光客に人気のスポットになっていることや、石川県七尾市の和倉温泉旅館協同組合がサイクリングを通じたスポーツツーリズムを整備していますが、未だに訪日外国人観光客にとって「北陸地域」と「スポーツ」は結び付きづらいものであることがわかりました。

訪日客が北陸観光中に満足だったこと ①日本料理 ②自然/風景 ③ご当地グルメ

訪日客が北陸観光で満足したもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より
訪日客が北陸観光で満足したもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、北陸を訪問した訪日外国人観光客が、もっとも満足したポイントは「日本料理」に関するものでした。(延べ64%が満足と回答)

北陸観光前に訪日外国人観光客が期待していた「自然/風景」「ご当地グルメ」に関しても2位、3位にランクイン(それぞれ63%、61%)。訪日外国人観光客が期待していたことと、満足できたことがほとんど重なっている結果になりました。

「清潔である」「治安が良い」などの回答も訪日外国人観光客から寄せられています。

訪日客が北陸観光中に不満だったこと ①英語・母国語が通じない ②料金が高い ③ナイトライフが楽しめない

訪日客が北陸観光で不満だったもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より
訪日客が北陸観光で不満だったもの:日本政策投資銀行「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」より

日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」によると、北陸を訪問した訪日外国人観光客が、観光中に満足できなかった点として、もっとも多くの声が寄せられたのが「コミュニケーション」に関するもの。1位の英語の通用度(27%)、2位の母国語の通用度(24%)を合わせると、全体の延べ50%以上の訪日外国人観光客が、コミュニケーション時にストレスを感じたと回答しました。

また、「旅行代金が高い」(17%)との回答が3位に。「ナイトライフが楽しめない」(15%)との回答も比較的多く寄せられました。

コミュニケーションに関する不満は、北陸地域に限らずどの地域でも頻繁に挙げられます。以前、訪日ラボでもご紹介したように、各種外国語対応ツールの導入が求められてくるでしょう。

また、「ナイトライフが楽しめない」と感じる訪日外国人観光客は意外に多く、そこをうまく活用したマーケティング・サービスは国内で多く見ることができます。

ドン・キホーテでは、「訪日外国人観光客は夜ヒマ」という意外な事実をうまく活用したマーケティング手法で、20時〜24時の時間帯に免税商品を訪日外国人観光客に大量に売っています。

また、2016年12月24日から25日にかけて、東京・元赤坂の迎賓館は初の夜間公開を行いました。この取り組みも「夜のインバウンド」に向けた施策の一環であるということができます。京都・桂離宮でも同様の取り組みを検討中です。

東京・日本橋の劇場 明治座は、昨年9月から新しいナイトプログラム「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」を開始。これもインバウンドを意識した新プログラムで、いかに夜に暇を持て余している訪日外国人観光客にアプローチするかは、現在ホットなトピックになっています。

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まとめ:知名度は低くともリピーターの訪日客が多い北陸地域:課題は外国語対応とナイトライフ観光の充実か

今回は、日本政策投資銀行が発表した「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」を参考に、北陸地域のインバウンド観光の実態に関して取り上げました。

知名度は低いものの、他地域と比べてリピーターが圧倒的に多い 同地域は、訪日外国人観光客にとって 穴場スポットである との言い方もできるでしょう。

ただ、 外国語対応・ナイトライフの充実という2点 に関しては、もうすこし改善する余地がありそうです。

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<参照> - 日本政策投資銀行:「北陸地域における観光マーケティングの必要性~DBJ/JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査~」

 

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