なぜ「ラーメン一蘭」には訪日外国人の行列ができるのか?…インバウンド対策で意識したい「旅行コンテンツとしての飲食店づくり」

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H29年度の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人No.1人気アクティビティは「日本食を食べること」です。アンケートによると96%の訪日外国人「今回の旅行で日本食を食べた」と答えています。こうしたなか訪日外国人に人気の外食チェーンも現れ始めました。

訪日外国人観光客の人気「日本食」は「ラーメン」「肉料理」、なぜ満足度が高いのか?

訪日外国人観光客の約7割が「日本食」を楽しみに、日本に旅行で来日します。日本を代表する日本食といえば「寿司」を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、意外にも「肉料理」と「ラーメン」の人気が高いことがわかりました。この記事では、訪日外国人観光客に人気の日本食と、なぜ人気となったのかをご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査...

今回は訪日外国人圧倒的口コミ人気のを誇る「一蘭」について、外国人がどこを高く評価しているかまとめました。

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「日本食」といえば、いまや「ラーメン」の時代

外国人の好む日本食というと、かつては「寿司・天ぷら・すき焼き」が挙げられていましたが、近年そのランキングには大きな変化が見られます。

1位から、

  • 1位 ラーメン(22.0%)
  • 2位 肉料理(21.7%)
  • 3位 寿司(16.4%)
  • 4位 魚料理(13.3%)
  • 5位 その他日本料理(6.6%)

と続きます。

いまや、日本食といえば「ラーメン」の時代なのです。

訪日台湾人観光客が好きな和食は伝統的な和食ではない?

代表的な親日国である台湾国内にも、和食を提供する飲食店は増え続けています。訪日台湾人観光客の主目的は買い物であるものの、やはり日本で口にする和食は日本旅行の一番の楽しみであるようです。今回は訪日台湾人観光客に人気のある和食とその関係をご紹介します。訪日台湾・香港人向けオススメインバウンド対策の資料を無料でダウンロードする「訪日台湾人・香港人向けメディア」の資料を無料でダウンロードする「広告プロモーション(台湾・香港向け)」の資料を無料でダウンロードする「調査・リサーチ(台湾・香港)」の資料...

特にラーメン好きな訪日外国人観光客はどこの国?

それでは、どこの国の訪日外国人がラーメンを好むのでしょうか?

もっともラーメンが好きと答えた訪日外国人はフィリピン人です。約4割が「一番満足した飲食物である」と答えています。次はスペイン人とマレーシア人で約3割となっています。以下はグラフのように続きます。

訪日外国人消費動向調査・H29年年間値より 訪日ラボ作成

訪日外国人消費動向調査・H29年年間値より 訪日ラボ作成

ラーメンへの満足度がいちばん低かったのは順に、インド人(8.7%)、ロシア人(13.6%)、ドイツ人(14.4%)、ベトナム人(15.4%)です。

それでは、外国人に一番人気のあるラーメン店はどこなのでしょうか?   ## 訪日外国人による「一蘭」の口コミはすごかった!

Googleで(日本のラーメンの口コミ)で検索すると「一蘭」が出てくる

Googleで(日本のラーメンの口コミ)で検索すると「一蘭」が出てくる

”Best Ramen Japan” (日本で一番美味しいラーメン)でラーメン店を検索すると、地元の日本人でも知らなかったような通(ツウ)の店も出てきます。

しかしこれらの記事はグルメ記者が取材したものであるため、外国人全体を代表する意見とは言えません。訪日外国人が実際に検索するボリュームを考えれば、取材記事よりもいわゆる口コミサイトを検索するのが妥当と思われます。

そこで.“Ramen review Japan”(日本のラーメンの口コミ)で検索をしてみました。検索上位トップ10に、1位・2位以下、何度もランクインしているのは豚骨ラーメンチェーン「一蘭」です。(2018年8月現在)

そして食べ物の口コミを語る際に忘れてはならないのが「動画ブログ」です。深夜にグルメ番組を見ていたら自分も食べたくなった、という経験がある方は少なくないと思いますが、食べ物を実際にレストランで食べて見せる動画の影響力は極めて大きいといえます。

Youtubeでも “ramen” で検索をかけると上位に「一蘭(Ichiran)」が表示されます。(2018年8月現在)

2018年現在、Youtubeでramenで検索すると上位に出てくる「一蘭」のレポート動画(Youtubeより)

外国人が「一蘭」に熱狂するその理由とは?

美味しいラーメン店は日本中にありますが、そのなかで訪日外国人に「一蘭」が支持される理由はなんでしょう?

一蘭の秘密兵器①Vending machine(自販機)

訪日外国人が投稿したレビューや動画には「美味しい」以外にも「vending machine(自販機)」という言葉が目立ちます。

一蘭に限らず、ラーメン店の入口にはチケット自販機が置かれており、オーダー・会計の手間を省くために設置されているのはご存知の通りです。

一蘭ではこの自販機に英語を併記することで、オーダーをする外国人のストレスも減らすという工夫がみられます(外国語でオーダーを取る店員側の負担減ももちろんあると思われます)。

また、メニューが絞り込まれていてわかりやすいのも外国人から好評価です。オーダーの失敗がないからです。

一蘭の秘密兵器②Little menu(カスタマイズ・オーダーシート)

「一蘭」の次の人気アイテムはラーメンを自分好みに調節できる「Little menu(カスタマイズ・オーダーシート)」です。

独特のシステム・オーダー用紙 「一蘭」HPより

独特のシステム・オーダー用紙 「一蘭」HPより

日本語と英語の併記で提供されており、このシートに細かい要望を書き込むだけで、口頭でコミュニケーションをとる必要がまったくありません。リクエストすれば韓国語・中国語も用意されています。

スープの濃さ・麺の硬さ・トッピング・辛さをすべて指示でき、客の要望にきめ細やかに対応するという「一蘭」の姿勢が外国人から高く評価されています。

飲食店における外国人対応で重要な「カスタマイズ」

海外のレストランでは苦手な食材・食べられない食材をオーダー時に差し替えたり、肉や魚の調理方法を細かく指示できる国が多いようです。(その手の込んだサービスを受けるためにチップという制度もあります。)

日本のレストランではメニューに記載されているものをオーダーし、出てきたら食材などについて文句を言わずに食べるのが普通ですが、これが意外とフラストレーションが溜まる、という外国人もいます。

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まとめ:メニューは絞り込み、カスタマイズは自由自在。食事の満足度に加えて「動画・インスタ映え」する店内はインバウンドが見習うべきポイント

食事での満足度に加え、「一蘭」を紹介した外国人の投稿動画には特徴があります。食べ物だけでなく、面白がって店内を次から次へと撮影するのです。まさにインスタ映え・動画映えする、旅行コンテンツとしての魅力があります。外国人から見ると「キッチュでワクワクする空間」の演出が、動画でのバズ(拡散効果)を呼んだのは間違いありません。

また、メニューは絞り込み、カスタマイズは自由自在という姿勢も「わかりやすい」と好評です。美味しいものを、自分好みに、楽しく食べたいという、ごく普通の観光客の要望に見事に対応しているのが「一蘭」だといってよいでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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