私たち株式会社S-fleage(エスフレイジ)は京都で訪日外国人向けに舞妓お座敷体験「Enchanted Time with Maiko」を提供しています。
前回の記事ではトリップアドバイザーのレビューを元に顧客満足度向上の経緯を定量的にご紹介致しました。今回は、現場でのイベント創りをご紹介致します。(施策がいかに顧客満足に繋がったのかは前回の記事を参照して頂けますと幸いです。)
「トリップアドバイザーで集客したいなら まず★5を80件集めろ!」3つの効果的な口コミ対策と失敗事例を大公開
私たち株式会社S-fleage(エスフレイジ)は京都で訪日外国人向けに舞妓お座敷体験「Enchanted Time with Maiko」を提供しています。2017年4月からサービスを提供し、同時にトリップアドバイザーの運用を開始しました。運用開始当社は月間平均口コミ獲得率が数%でしたが2018年5月には10%を超えるようになりました。口コミ獲得数増加とアカウントの順位向上により申込数も増え、開催日数も増やすことに成功しました。その手法とは「イベント中、イベント後のゲスト毎にカスタマイズし...
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インバウンド向けのイベントを成功に導くために必要なこと その①:自社サービスのターゲティングユーザーを明確にする
誰が何に関心を持っているのかを分析
サービス開始当初にはより多くのお客さんにも来てもらう為に受け皿を広めに用意していました。自社ウェブサイトも日本語・英語・中国語に対応させアジア圏からのお客様にも来てもらうようにしていました。
イベントコンテンツをブラッシュアップしていく中で、より良いものをゲストに届ける為には、自社サービスの強みであるポイントを、きちんとユーザーに訴求しなければなりません。
現場でのコミュニケーションや、トリップアドバイザーのレビューの分析から、とりわけ欧米系のゲストにこの舞妓イベントを満足頂いていることが分かりました。
消費の仕方を分析
最近では「コト消費」という言葉をよく耳にします。物理的なモノにお金を消費していた従来から近年の観光形態では体験に人々はお金をかける傾向にあり、そこには必ずコミュニケーションが存在します。
上記のトリップアドバイザーの分析から、 **欧米系訪日観光客はこの「コト消費」傾向が特に強い **ということが分かりました。そこで私たちはイベント中におけるコミュニケーションによる満足度最大化を目指すことにしました。
客層の拡大
客層を分かりやすく分析しますと、舞妓に会いたい顕在層・文化体験をしたい中間層・京都らしいことがした潜在層の3つに分類することができました。
当初は舞妓に会いたい顕在層に対して訴求をしていましたが、上記のコミュニケーション充実化により、中間層以下に対しても十分に訴求することができる考え、ゲストの層に応じた自社の強みを分析することにしました。
インバウンド向けのイベントを成功に導くために必要なこと その②:自社サービスの価値をきちんと認識する。
舞妓に会いたい顕在層
やはり現状でも舞妓に会いたいから申し込まれるゲストが多数です。こちらの層に対しては「舞妓の希少価値」を伝えることに特に注力しています。
芸舞妓の世界は基本的に一見さんお断りです。そのため、多くの訪日外国人が舞妓に会いたいが、それを叶えることなく帰国してしまいます。また、京都在住の日本人でも気軽に会うことは難しいです。一方で弊社イベントでは舞妓と気軽にコミュニケーションをしたり、演舞を鑑賞したりすることができます。
こちらの層のゲストは元々芸舞妓の知識はある程度あるので、「やっぱり舞妓に会えてよかった」「舞妓は期待以上の感動だった」と思ってもらうことが重要です。
文化体験をしたい中間層
数ある文化体験の中でも外国人向けにカスタマイズされているものは多くはありません。また体験を提供する側からのアプローチのみであることが多く、コミュニケーションが一方通行という課題があると感じています。
そのため、弊社では、ゲストから聞きたいことを聞くことができ、お座敷遊び等の参加型コンテンツを取り入れているので双方向からのコミュニケーションをすることができます。これらによって本当の意味での文化体験を体現できます。
京都らしいことをしたい潜在層
京都に来てまず思いつくことは神社仏閣や美しい街並みです。特に京都はイメージ先行型が強く、観光客のニーズもふわっとした抽象度の高いものなので、それに見合ったコンテンツの落とし込みが必要です。
弊社で言いますと、「舞妓」「着物」「お座敷」「祇園」などといったキーワードで訴求できると考え、こちらの層のゲストにはイベントの背景から具体的に説明をするように心がけています。
インバウンド向けのイベントを成功に導くために必要なこと その③:海外での常識を取り入れる
(参考記事)
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日本の「食」への期待値は高い 一方で様々な制限が
外国人は宗教や主義の理由から食事制限を持っていることが多数です。そのため、食事へ行ったときにレストラン側がゲストに応じた食事を出すことは当然であり、この感覚で日本旅行に来ているのです。
弊社では通常メニューに加え、ベジタリアンメニュー・魚貝の出汁を含まない完全ベジタリアンメニュー・グルテンフリメニューを用意しています。この結果、食事対応が難しいという理由でのお断りは無く、食事への満足度も最大化できています。
メールでの丁寧な事前対応
当日に食事内容をゲスト毎に聞いて対応することは効率が悪いため、弊社では予約があった時点で食事内容についての確認をメールでしています。
ここでまず重要なことは「ここまでなら対応できる」という線引きをしておくことです。全てのリクエストに対応しようとすることはゲスト目線では良いことですが、メール業務だけで忙殺されてしまいます。
その為「このリクエストに対してはこの料理提供がゴール」というようなフレームワークを意識しながら対応することが良いと思います。きちんと事前に丁寧な対応すれば当日ゲストは必ず喜んでくれるはずです。
最後に
以上の施策をする中で、「自社サービスの価値は何か?」「誰に価値を届けたいのか?」というように自問自答することがたくさんありました。この振り返りを沢山し、PDCAを回すことによってサービスの向上に繋がってきたと考えます。この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
株式会社 S-fleage (エスフレイジ):公式サイト
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