中国の北京で、2018年6月15日~17日に 北京国際旅行博覧会」(通称BITE) が開催されました。2004年の初開催から今回で15回目となるこの展覧会には、国内外の87の国と地域から300を超える団体がブースを出展し、3日間で9万人を超える来場者が集まります。
会場は北京の北側に位置する地下鉄駅「オリンピック公園駅」出口からすぐの場所にある北京国家会議センターです。総面積3万㎡の会場内は大きく中国国内の各地方の展示を行うブース群と海外各国の観光をPRするブース群に分かれており、前者のブース群が会場の4分の3ほどを占めています。
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中国国内のPRブース 200以上の団体が参加
中国国内のブースは、中国国内の各地方のPRと旅行業者による自社ツアーの宣伝が主要な内容となっています。地方PRの展示は、各地の特色を全面に押し出してその魅力を参加者にアピールしていました。
一方で旅行業者のブースでは、来場者に対しノベルティの頒布や福引きによる賞品提供などで呼び込みを図っていました。豪華な賞品を置くブースほど長蛇の列が発生する一方で頒布するものがない企業の前は閑散とし、賞品の有無で人気の明暗分かれる結果となっていました。
日本の展示ブース 13団体が参加
海外ブース群の中で、日本の展示ブースは韓国と並び最大規模を占めています。出展している団体はJNTO(日本政府観光局)や各地方自治体だけでなく、鉄道、航空、小売といった民間の企業も見られました。 中国人来場者の訪問数はその他の国々のブースと比べても非常に多く、中国人観光者の日本に対する高い関心がここ北京でも感じられました。
日本の各ブースにおいてもノベルティやゲームによる賞品頒布を行っており、賞品のみ目当てと思しき来場者も少なからず見受けられました。出展者もただ頒布するのではなく、Weibo(中国版twitter)やWechat(中国版LINE)といった SNS上で自団体宣伝用のコミュニティへの登録を条件に賞品を渡す という方法で宣伝効果を高める工夫をしていました。あるブースの出展者にうかがったところ、取材日の午前だけで200名以上のコミュニティ登録があったとのことでした。当日の展示と後日のコミュニティ、この二段構えが中国における情報発信の有効な方法と言えそうです。
日本観光は“ゴールデンルート”以外への関心高まる
今回は北海道、福島県、新潟県、長崎県の自治体ブースに取材をしました。この4県は中国人観光客に人気の高い“ゴールデンルート”とでも言うべき東京、京都、大阪といった都市に該当しませんが、出展者いわく「展示に対する関心が高まっているのを感じる」とのことでした。
関心が高まっている理由としては、既に“ゴールデンルート”を経験済みの人がリピーターとして日本を訪れる際に、次回は 自身の関心のある分野に関わる観光地を探しているからだろう というのが共通の見解でした。北海道や福島、新潟のスキー、長崎の離島散策のほか、福島では会津若松城やアニメ制作会社ガイナックスのスタジオについての問い合わせがある、とのことでした。このことから 中国人旅行者の日本観光へ求める要素も多様化している と分かります。
一方で北京から観光客を呼び込む上でのネックとして これら地方自治体に向かう直行便がない、もしくは便数が少ない ことが挙げられていました。多くの都市に就航している上海とは異なり、主要空港から鉄道やバス等でさらに移動しなければならず、金銭的・時間的な負担が大きく呼び込むハードルが高いとのことでした。主要都市からの交通手段のセットアップ が地方へのインバウンド誘致の今後の課題となりそうです。
中国人来場者に聞いてみた
同日、日本ブースを訪れる中国人の来場者数名にもアンケート取材を実施しました。
○取材対象者:日本ブースを訪れた20代~50代の男女6名
○質問内容
質問①日本へは何回旅行したことがある?
回答:
- 1回/1名
- 2回/3名
- 3回/1名
- 4回/1名
質問②:日本のどこを旅行した?(複数回答あり)
回答:
- 京都-大阪/4名
- 東京/4名
- 福岡/3名
- 名古屋、埼玉、山梨、大分、長崎/各1名
質問③:日本で面白かった場所はどこ?
回答:
- 二条城
- 別府温泉地獄めぐり
- 長崎ハウステンボス
- 富士山
- ディズニーランド
- USJ
定番スポットから変わり種まであり、旅行者の興味が多様化しています。
質問④:日本のどんな部分に関心がある?(複数回答あり)
回答:
- 伝統や文化/4名
- 食べ物/3名
- 自然・環境/3名
- 人・親切さ/2名
北京は空気汚染の特に酷いことから、「自然・環境」と回答した方からは「空気のきれいな日本に行きたい」という声が多数見られました。
質問⑤:また日本を旅行したいか?
回答:
- はい/6名
- いいえ/0名
アンケート結果から見えたのはこの2点です。
- 日本ブースを訪れる人々は自ら積極的に情報収集を行うリピーターが多い
- 行きたい場所や関心を持つ分野はおのおの異なり、「中国人観光客」と一括りには出来ない
彼らのようなリピーターを引きつけるには、やはりその地方や店舗毎の特色、特徴を打ち出していくということになるでしょう。リピーターの中でも 特定の分野に関心がある人々の心を掴む ということがこれからのインバウンド誘致に必要な視点かと考えられます。
まとめ:リピーター旅行者獲得のために、多様な切り口でアピールすることが必要
今回の展示会で日本ブースを取材して改めて実感したのは、中国人旅行者が既にリピーターとなって 2度目、3度目の日本旅行を計画している段階に入っている ということです。団体旅行等で東京、京都、大阪といった有名観光地を観光して日本に興味を持ち、次にもう少し特別な日本体験をしたい、というリピーターの心理が垣間見えます。
今回の取材でも挙がっていたスキーや離島探索、アニメ、温泉など特定の興味を持つ観光客に訴求していく というやり方が、これからますます増えるリピーター獲得のためには必要であると言えるでしょう。
イベント情報
イベント名 | 台中国際旅行博覧会 |
---|---|
開催国・都市 | 中国・北京 |
開催日 | 2018年6月15日~17日 |
会場 | 北京国際旅行博覧 |
対象 | 一般消費者 |
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【インバウンド情報まとめ 2025年7月前編】「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか
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