近年、訪日外国人が日本を訪れて結婚式を挙げる「インバウンド婚」が急増しています。ブライダル大手の株式会社エスクリでは、2015年8月から中国や香港、台湾でのプロモート活動をおこない、海を一望できるチャペルでのブライダルが高い人気を集めているのです。
訪日外国人観光客から人気をあつめる「インバウンド婚」は、晩婚化に伴い売上が低迷している日本のブライダル業界に高い経済効果をもたらすほか、地方都市のPRや活性化にもつながるとしてインバウンドビジネスとしても注目を浴びています。
そこで今回は、ブライダル業界のマーケティング担当者にぜひ参考にしていただきたいインバウンド婚をご紹介しましょう。
沖縄県では28億円のインバウンド収益:「ブライダル」で訪日外国人観光客を誘致する動きが加速
訪日外国人観光客の増加を受け、政府は東京オリンピックが開催される2020年までに、現在の約2倍である4,000万人、2030年までには6,000万人の訪日外国人観光客を誘致することを目標としています。それを受け、国内市場が縮小傾向にある業界にとっては、訪日外国人観光客は魅力的なターゲットになっています。その例の一つが、主に結婚披露宴、結婚祝賀会の運営を行う、ブライダル業界。市場の縮小傾向から訪日外国人観光客にも、ターゲットを広めています。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと...
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インバウンド婚とは
そもそも「インバウンド婚」とは、マーケティング専門紙「日経MJ」による造語です。その名の通り「インバウンド」と「結婚」を組み合わせた言葉で、訪日外国人観光客が新婚旅行を兼ねて訪れた日本で、結婚式を挙げることを言います。
観光業界用語としては「ブライダルツーリズム」が該当します。日本人のカップルでも海外挙式が人気となっていますが、そのインバウンドバージョンです。インバウンド婚は、縮小しているブライダル業界の需要を掘り起こす可能性があること、またリゾートウェディングの観点から地方誘致に効果的と考えられることから、インバウンドビジネスとして注目されているのです。
インバウンド婚の種類
オーシャンビューのチャペルリゾート婚
トレンド変化が激しいブライダル市場において、不動の人気を誇るのがリゾートで行う結婚式です。沖縄県観光振興課によると、2017年に沖縄でリゾートウェディングを実施したカップルは15,000組以上という結果が報告されています。また、海外からのインバウンドカップルも前年に比べて110.7%と着実に増えています。
日本の伝統文化を体験する神前結婚式
近年、訪日外国人観光客の人気は、東京から名古屋、京都を経由して大阪に至る「ゴールデンルート」以外の地方都市に分散化が始まっていますが、いまだゴールデンルートはインバウンドの主戦力と言って過言ではありません。そのなかでも、人気の観光地である京都の神社仏閣で結婚式を挙げる訪日外国人観光客が増えているようです。
たとえば、英語で神前結婚式を進行する上賀茂神社では、年間約800組が結婚式を挙げており、増加する外国人対応のサービス向上のために、2016年から婚礼部を設けたといいます。どんな宗教を信仰する人でも受け入れる日本神社の寛容さが、インバウンド婚の魅力のひとつとなっています。
ブライダル業界を底上げするインバウンド婚 なぜ人気?
日本流のキメ細かいサービスが好評
写真撮影の際、新婦に日傘をさしたり、メークアップ中に動けない新婦にストローつきで飲み物を提供したり、きめ細やかな日本のおもてなしは世界から認められています。
晩婚化の影響で日本人顧客獲得が難しい日本のブライダル業界にとって、インバウンド婚はメリットが大きく、また、平日の利用者が増えることで、施設の稼働率を高めることができるのです。
インバウンド婚に期待できる経済効果は?
インバウンド市場の成長やアジア圏からの訪日観光客の増加
日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2017年の年間の訪日外客数は前年比19.3%増の2,869万1千人と過去最高記録を更新しています。特に、中国・韓国・台湾・香港の東アジアからの訪日観光客は、全体の74.2%を占めており、今後もさなる増加が見込まれています。
というのも、インバウンド婚が最も多いのは第1位が香港、次いで2位が台湾、3位に中国とアジア圏が上位3位までを占めています。人口十数億人の中国からの利用者が増えれば、さらに大きなインバウンド婚による経済効果が期待できます。
国内結婚式ニーズの多様化と、市場の低迷
2016年の挙式披露宴や披露パーティ市場規模は、事業者売上高ベースで前年比99.4%の1兆4,080億円となっています。また、2017年は前年比99.1%で1兆3,960億円を見込み、2018年は同99.4%の1兆3,880億円と予測されているのです。
晩婚化の影響によって挙式を挙げる人口が減り、さらに挙式披露宴をおこなう人も減少傾向にある流れによって、徐々に市場が縮小しているなか、インバウンド婚はブライダル業界の収益率アップが見込めます。
沖縄など国内リゾートにおける 「インバウンド婚」の増加
沖縄県庁がおこなった「沖縄リゾートウディング統計調査結果2017年1月~12月」によると、2017年に沖縄県でリゾートウエディングをあげたカップルは、海外組数が2,066組と過去最高を記録。オーシャンビューのチャペルリゾート婚は、日本国内のみならず世界各国からも人気があることが伺えます。
まとめ
インバウンド婚ニーズを捉えるために、ブライダル業界では、アジア圏向けにプロモーション活動をおこなったり、台湾に直営サロンをオープンしたりと、さまざまな対策をおこなっています。海外の顧客に日本国内などのウェディングプランを提供することで、低迷するブライダル市場を活性化でき、またそれだけでなく、地方創生の観点からも高い経済効果が見込まれます。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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