インバウンド・プロモーションをするにしても、多種多様なPR手法が登場しており、TV広告なのかネット広告なのか、SNSなのかブログなのかインフルエンサーなのか、画像または動画なのか、はたまた現地で実施される展示会なのか、本当に様々な選択肢があります。この数年間で、スマホとソーシャルメディアがアジアにおいて、ものすごい勢いで普及しているのはご存知でしょうか?
タイやベトナムなどでは、電車やその辺の道端でも、若者も、おじいさんもみんなスマホを見ています。上記の写真は、Pokemon Goのポケモンを捕まえるために、スマホを片手に集まったタイの若者たちの様子です。
タイでは、一日のソーシャルメディアの利用時間は平均3時間、動画の視聴時間は平均4時間だと言われます(We Are Socialによる2018年調査)。スマホとソーシャルメディアの普及によって、日本とは比べものにならないほどのデジタルシフトがアジアで何億人と言う単位で起きているのです。
そんな時代に、私たちはアジアへ向けてどんなPRを選択すればいいのでしょうか?最近、意図的にアジアで動画コンテンツの「拡散」を引き起こす戦略的な仕掛けに成功した事例があります。それが、今回ご紹介するベトナム大手航空会社の大阪就航キャンペーンです。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
ベトナム大手航空会社のPR概要
2018年7月〜8月にベトナム人アーティストのVan Mai Huongと日本人アーティストのコラボによる音楽コンテンツを制作。ソーシャルメディアでの発信を通じて、大阪路線就航の認知向上を図るインバウンド訪日観光キャンペーンが実施されました。
キャンペーンは、ベトナム大手航空会社のオフィシャルYouTubeチャンネルに公開されました。
そのストーリーは、
「日常から離れるために、日本にやってきたVan Mai Huongが、たまたま大阪で路上ライブを行なっていた日本のストリートミュージシャンの歌に魅了された。彼女が乗ってきた航空券の裏に、自分のInstagramのユーザーネームを書いて渡し、虹を見にどこかへ行かない?と言う言葉を残して消えてしまった。そんなところ、翌日に彼からのフォローがあった。」
「彼は、自分の歌を真剣に聴いてくれたVan Mai Huongのことが気になり、彼女の旅先でのInstagramの投稿から、どこにいるかチェックして向かうのだが、二人は会えずにすれ違ってしまう。そして、虹のようにカラフルで美しい景色であるバルーンフェスティバルで二人は出会うこととなる。」
このInstagramのユーザーネームを渡して、彼女がどこにいるのかを追って、最終的にまた再会する、という今風かつドラマ仕立てのストーリーが共感を生み、2018年10月30日現在の視聴回数は172万回再生を誇ります。
これは、オフィシャルYouTubeチャンネルの平均視聴回数の数十倍以上の再生回数となり、SNSなどを通じて動画コンテンツの「拡散」が行われたと考えられます。
動画コンテンツの意図しない「拡散」
ベトナム大手航空会社のオフィシャルYouTubeチャンネルにこの動画が公開されてからしばらくして、この音楽コンテンツをカバーしたYouTuberが現れました。それが、Thai Trinhというミュージシャンです。
今回ご紹介している、ベトナム大手航空会社の動画内の音楽と映像に合わせて、日本語でカバーしています。さらに、ベトナムのミュージックストリーミングサイト「Zing」において、ベトナム語によるカバーを制作し、そのストリーミングサイトにコンテンツの発信を行なったところ、この音楽コンテンツをベトナム人YouTuberがカバーをしました。
一人目が、Nhat Anh TrangというYouTuberで、彼の100万人フォロワーがいるFaecbookに「歌ってみた」動画がアップされ、10月30日現在、再生回数は4万回を超え、いいね!が2,300件以上、シェアが29件となっています。

Facebook:動画(https://www.facebook.com/watch/?v=1884691371574634)
二人目が、Osadというミュージシャンがカバーを行ったものです。
2018年10月30日現在、再生回数が2万回を超え、いいね!が1,900件以上、シェアが62件となっています。

Facebook:動画(https://www.facebook.com/100008001481458/videos/2224459201164108/)
いわゆる「歌ってみた」動画をYouTubeやFacebookであげることで、ベトナム大手航空会社のオフィシャルYouTubeチャンネルのフォロワーだけでなく、「歌ってみた」動画を投稿した彼らのフォロワーがこの楽曲を見て、さらにそのフォロワーがシェアをするという動画コンテンツの「拡散」が起きたのです。
意図しない動画コンテンツの「拡散」を意図的に起こす戦略PR
アジアにおいては、SNSというプラットフォームを利用して、プロモーションのキャンペーン施策を実施する場合、このような意図しない「拡散」を引き起こすコンテンツを発信できるかどうかが成功の鍵を握ります。
東南アジアではスマホとソーシャルメディアの驚異的な普及によって、数分程度のYouTube動画をいつでもどこでも見ることができるようになっています。そのため、これまでメディアと触れることがなかった人たちが、いつでもどこでも音楽動画を見て、ショートムービーを観て、旅行に行ったような顧客体験をできるようになりました。
そして、YouTuberのようなインフルエンサーの出現は同時に、ベトナムを始めとしたタイやマレーシア、台湾、インドネシアなどの東南アジアでは、動画で活躍するインフルエンサーを活用したプロモーションが行われることが増えてきました。
このようなインフルエンサーを活用したPRキャンペーンを、戦略や施策として企画段階からコンサルティングし、アジア向けのコンテンツの制作から発信まで一貫して行なっている会社が「WebTVAsia」です。今回ご紹介したベトナムの大手航空会社の動画コンテンツのキャンペーンを成功させた立役者なのです。
WebTVAsiaってどんな会社?
WebTVAsiaは、東南アジアを中心に11の国と地域で支社を持ち、YouTuberのマネジメントを行うグループです。YouTubeのチャンネル数は2,500を超え、様々なジャンルをカバーし、月間の再生回数は43億回、登録者数は2億人を超えます。
日本では、インフルエンサーマーケティングというとコスメとファッションが多く、画像によるプロモーションが中心です。一方で、WebTVAsiaによる情報発信の特徴は、動画が中心であるということです。
その日本支社は、2018年4月より本格的に始動し、主に日本企業へ東南アジアのYouTuberアサインを中心として、SNSに情報発信をする戦略PRのコンサルティングを行います。現地支社に制作チームを抱えており、現地のニーズに合ったコンテンツの制作、発信を一貫して行うことが可能です。
昨今、動画広告市場が注目されている中で、アジアで実際に行われているWebTVAsiaでの動画コンテンツの「拡散」の事例をお伝えしました。
もし、東南アジアへインフルエンサーを活用した動画コンテンツによるインバウンド・プロモーションを検討される場合は、WebTVAsiaまでお問い合わせしてみてはいかがでしょう?
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【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。
本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。
<本セミナーのポイント>
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詳しくはこちらをご覧ください。
→消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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