11月第四金曜日の「ブラックフライデー」を真似て、2009年中国でIT企業のアリババが同社のECサイトであるタオバオ(現Tmall、中国語名は天猫)で開始した「ダブルイレブン(独身の日/11月11日)」。現在ではアリババだけでなく、競合のジンドン(JD.com、中国語名は京東)などでも同様のセールを開催しており、各社のECサイトには11月11日のセール当日めがけてさまざまな目玉商品が現れています。
越境ECをする上で知っておきたい「アメリカの年末セール商戦」
日本ではあまり馴染みが無い感謝祭、ブラックフライデー、サイバーマンデーですが、アメリカにおいては、1年間で最も消費者の購買意欲が高まる年末セール商戦を構成する重要な日となります。年末セール商戦の期間は小売店だけでなくオンラインでの売上も伸びるのが一般的ですが、実際はどの程度の金額が動いているのでしょうか?目次ブラックフライデーの由来アメリカの年末セール商戦アメリカの年末セール商戦のEC売上まとめブラックフライデーの由来11月の第4木曜日である感謝祭(サンクスギビングデー)の翌日金曜日がブラ...
そんな中、アリババの発表するダブルイレブンの取引額は毎年大きく更新されており、この数年、セール後の発表に注目が集まっています。本編では毎年の取引額の数字を振り返り、10年目の節目を迎えるアリババの今年の動向を紹介します。
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1日で楽天の年間売上の数倍が動く「ダブルイレブン」、2018年は取引額4兆円突破との予測も
11月11日の数字の並びからこの日を「独身の日」と表現し、「ぼっちの自分にプレゼント」と2009年に始められたこのセールですが、同年のセールでは27ブランドが参加、5,000万元(約8億5,000万円)が販売されました。

開始2年目の成長は著しく2010年には711ブランドが参加、9.36億元(約159億元)の驚異的な金額を記録しました。その勢いはとどまるところを知らず、翌年の2011年も2,100ブランド、52億元(884億元)と規模を何倍にも拡大します。
2012年以降の取引額と各年の主要トピックをまとめると、以下のようになります。
2012年は191億元(約3264億円)と前年比約4倍、その後2016年には日本円にして約1兆円を突破します。また2015年にはユニクロがセール開始から一番手で1億元突破を成し遂げました。2016年の取引額は日本円換算で約2兆円、2017年には3兆円に迫りました。今年2018年は2,000億元~2,500億元(約3兆4,000億円~4兆2,500億円)の取引額が見込まれており、ニュース速報にも注目が集まります。
中国の電子商務研究センターが発表した、2017年のダブルイレブン一日の主要ECサイトの取引額合計は、2539.7億元(約4兆3175億円)となっています。楽天の2017年の売上は9,444億円ですが、中国では11月11日の一日に、アリババ1社のECサイトでこの数倍の金額が動くのです。
プレセールや割引が多数。街中、店頭、いたるところに広告が
「ダブルイレブン」ではプレセールが活発なことでも有名です。11/10までの期間、セール価格の商品をサイト内のカートに取り置きすることができます。また「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる商品券の配布も特徴です。アリババが運営するTmall(天猫)では、毎日この「紅包」を取得するユーザーには、よりお得な商品券が入手できるようなキャンペーンを実施しています。
また市内の交通看板や商業施設内のサイネージなど、オフラインでのセール広告も、この時期は多数目にすることができます。
2018年は電化製品・服飾・美容関連が売れる!
今年もすでに10月下旬からプレセール、セール情報が公開されています。電子製品、服飾、美容関連の分野でブランド側、消費者とも動きが活発になっているそうです。
11月2日にはすでに取引額が「1億元超え」したブランド10社が発表され、電子製品の部門ではアップル、フアーウェイ、ハイアール、シャオミ、美的、シーメンス、格力(家電)、ダイソン、ECOVACS等がリストインしています。
電子製品ではプレセールの最初の1時間の取引額が前年の6倍となりました。スマホは昨年比15倍、デジタル関連製品は10倍、大型家電は4倍の取引額です。
特に伸長しているスマホのブランド別の取引額順位は、アップルが首位、次にシャオミ、3位にvivo、4位にフアーウェイとなり、ダウントレンドがささやかれることもあるアップルがこの期間に健闘している様子がうかがえます。
11月5日にはこの「1億元超え」は33社まで増加し、化粧品ブランドの12社がそのメンバーとして発表されましたが、ここにはランコム、OLAY、エスティーローダー、SKⅡ、ロレアル、雪花秀(韓国ブランド)、エリザベス・アーデン、資生堂、百雀羚(中国ブランド)、M・A・Cが含まれます。ダブルイレブンには自動車メーカーも参加しており、フォルクスワーゲン、ビュイックも同じく「1億元超え」する可能性が高いそうです。

まとめ ~ECの祭典から中国人消費者、インバウンド旅行客へのアプローチ方法を学ぶ~
アリババのECサイトのユーザーは現在約5億人と言われており、この一大セールは今や「ショッピングのオリンピック」と評されています。
アリババでは昨年2017年は225の国と地域から、毎秒32万の購入があり、前述のように1682億元(約2兆8,000億円)の取引額が記録されました。こういった規模感、そして世界屈指の消費意欲はまさに世界的祭典と形容されるべきイベントと言えるでしょう。
昨年、中国EC2強のジンドン(京東)でも1000億元(約1兆7,000億円)の取引額が記録されました。ECサイトは今や中国人消費者にとって主要な購買チャネルです。中国市場でどのような商品がどのような経路で売れるのか、この祭典を通じて理解を深め、ひいては自社製品のEC展開やインバウンド施策に役立てていきたいところです。
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<参考>
- https://baijiahao.baidu.com/s?id=1583958324901094858&wfr=spider&for=pc
- http://finance.ifeng.com/a/20171116/15798324_0.shtml
- https://corp.rakuten.co.jp/investors/financial/trends01.html
- https://baijiahao.baidu.com/s?id=1616267906971357070&wfr=spider&for=pc
- https://www.sohu.com/a/242172686_100158672
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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