中国では禁止されているはずのInstagram発祥のトレンドが、中国版TwiiterのWeiboでバズっています。すでに中国版Wikipedia『百度百科』にも掲載されている「fallingstarschallenge」転ぶ有名人、中国語名は「炫富挑战」です。中国語名を日本語に訳すならば”富をひけらかすチャレンジ”となります。
※挑战…日本漢字の「挑戦」
すでに海外のインスタでその流行を追っている方もいるかもしれませんが改めて解説すると「falling star challenge」は、転んだポーズの人物の周囲に、高級品や限定品などを多数配置した写真をSNSにアップする際のタグです。車を降りる際など不注意から転び、その拍子に散乱させてしまった荷物に周囲がうらやむような高級品がたくさん紛れている、という様子を演出したもので、散乱させるアイテムは化粧品や電子製品、ブランドバッグやカー用品などシチュエーションや人物に合わせて様々です。
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「炫富挑战」「fallingstarschallenge」流行のきっかけは?
この流行は今年2018年の夏にロシアのモデルの投稿がきっかけとなっているそうです。

インスタのハッシュタグは2018年11月中旬現在、関連投稿を含めて約16万件※ほどですが、Weiboでの関連ハッシュタグは117万件とすでに本家をはるかにこえています。またPV数は1200万超となっています。
※「fallingstarschallenge」4.4万件など。

「自慢したい」気持ちを悪いことととらえない、むしろ「自慢できることがあるのは良いこと」と、ととらえる中国人が、この形式を積極的に楽しんでいる様子が目に浮かびます。
中国オリジナルの発展
冒頭で述べたように、中国国内ではInstagramへのアクセスはじめ、FacebookやTwitterなど海外のSNSはアクセスが制限されています。こういった状況で中国人がInstagramを閲覧する方法はふたつあり、ひとつはVPN回線を利用すること、もうひとつは中国国外(香港等を含む)でインターネットを利用することです。
VPN回線を常時利用する中国人は多くはありません。Fallingstarschallengeのブームは、中国国外にいる中国人により「中国国外の出来事」が中国国内のインターネット空間に持ち込まれた可能性も高いでしょう。
こうして「#fallingstarschallenge」は”fallingstarschallenge”の直訳である「#炫富挑战#」と「#炫富摔#」を主なハッシュタグとして、同モチーフに面白さを感じた中国人SNSユーザーにより、中国版TwitterのWeiboで拡散されていくことになりました。同現象が中国で話題になり始めたのは10月上旬ですが、1週間で100万人以上の参加者があったと伝えるウェブニュースもあり、こういった点からも中国国民の数の大きさ、パワーを感じさせられるのはないでしょうか。
※Weiboのハッシュタグは前後を「#」でくくります。
広報活動にも使われるように:明暗を分けるのは「自分にとって誇れるささやかな富であるかどうか」
中国の「#炫富挑战#」の拡大が興味深いのは、個人だけでなく、民間企業、また地方政府や観光名所、学校や警察、政府機関や医療機関といった公共機関がその一端を担っているところです。
これらの組織がひけらかすものは一般的な富ではありませんが、このハッシュタグと形式を利用することで、彼らの商品や存在を価値のあるものとして印象付けることに成功しています。
例えば電気工事会社は無骨な自動車の座席から作業服姿で倒れた姿で周囲に工具を広げます。また消防士はその活動に必要な専門道具を「ひけらかして」います。そのほか、専門学校や大学の専門を散乱する書籍からPRするもの、これまでの実績を感じさせる表彰状の数々に埋もれる軍人、炊事兵、報道官など枚挙にいとまがありません。

社会貢献度の高い存在はこのようにバズの波に乗っていますが、反対に今回批判を受けてしまったのが高級自動車メーカーです。駐車場で自社の車から降りて転んだ設定の女性が、数十もの車のキーを周囲に散乱させた様子を投稿したところ「これはやりすぎ」との声があがります。
すでに車が相当に高級なものであるのに、さらに富をひけらかすことに何の面白みも生まれていない、という点が指摘されました。こういった点からは、今回の中国での「#炫富挑战#」(富をひけらかすチャレンジ)はささやかな自分の誇れるものを提示するという暗黙のルールのもとに広がっていったことがわかります。
まとめ ~流行に乗じた詐欺事件、中には自慢に気の引ける中国人も~
このブームに乗じ、中国版LINEであるWeChatのタイムラインでも投稿が行われています。多くのネットユーザーが楽しんでいる「#炫富挑战」ですが、これをきっかけに詐欺事件も発生しています。あるユーザーはWeChatのタイムラインで高級なカバンをひけらかす投稿をしている友人を発見、彼女から「最近条件の良い投資をしているからあなたも一緒に」と誘われます。そしてその誘いに乗った結果、投資したほとんどの金額を持ち去られてしまいました。
社会現象にまで成長したSNS上のブームですが、中には「自慢をするなんてみっともない、高級なカップラーメンをアップするのが気恥ずかしくない限界」「結局映り込む自分のスタイルが良くなければアップしても意味がない」と、承認欲求と現実のはざまで悩むユーザーも存在します。
こうしたトレンドも丁寧に読み解いていくことで、多種多様な中国人像が見えてくるのではないでしょうか。中国のSNSや各種インターネットサービスの口コミは、こうした多様な中国人心理を観察するのに適した媒体といえます。インバウンド事業者にとってもきっと役に立つものでしょう。
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- https://baijiahao.baidu.com/s?id=1616646574646627837&wfr=spider&for=pc
- http://www.xinhuanet.com//2018-10/21/c_1123590415.htm
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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