【徴用工判決】三菱重工にも賠償命令、日本政府の対応は?避けられないインバウンドへの影響

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29日午前10時、韓国の最高裁判所にあたる韓国大法院は原告らの請求権を認め、三菱重工業に賠償を命じました。命じられた賠償額は、元徴用工と元女子勤労挺身隊員それぞれに8千万~1億5万ウォン(800万~1500万円)となっています。先月30日の判決においては新日鉄住金に賠償命令が下され、元徴用工をめぐる裁判で初めて日本企業に賠償が命じられたとして注目されていました。

今回の判決を受けて、元徴用工をめぐる問題はどのように展開していくのでしょうか。これまでの経過と合わせて見ていきましょう。

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いわゆる「徴用工問題」の経緯とは?

今回韓国側が要求している徴用工をめぐる賠償請求ですが、元をたどると1965年の「日韓請求権協定」の存在があります。この協定の第2条で、徴用工への未払い賃金を含む日韓両国間の請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたことを確認」しているのです。

先日10月30日にくだされた新日鉄に対する判決について、韓国政府は「司法の判断を尊重する」としています。しかしながら、国際条約である日韓請求権協定より司法判断が優先されるとなると国際法違反となります。そのため日本政府は本件に対し強硬な姿勢を見せており、国際司法裁判所への提訴を行うなどの法的対応をとる可能性もあります。

そして1997年に「徴用工問題」がはじまる

先日から大きな話題となっている「徴用工問題」ですが、その始まりは1997年に元徴用工4人が大阪地裁に新日鉄住金を訴えたことから始まっています。

この裁判で大阪地裁は新日鉄に損害賠償責任は無いと判断、2003年に日本の最高裁で原告が敗訴しています。その後元徴用工の4名は2005年2月に韓国に場所を移しソウル中央地裁に提訴するも2008年に4月敗訴。その後ソウル高裁にも控訴していますが2009年7月に敗訴しています。

しかしその後、2012年5月に韓国大法院は徴用工に関する「保証金の請求権が日韓請求権協定で解決されたとみるのは難しい」とし、控訴審の破棄、ソウル高裁での審理差し戻しを指示。2013年7月にソウル高裁は元徴用工1人あたり1億ウォン(※約1000万円)の賠償を認めましたが、新日鉄側はこれを不服として再度上告していました。しかし10月30日の判決で、再び新日鉄に賠償が命じられました。

韓国の思惑とは?日本政府の対応は?

韓国政府の狙いとしては「司法の判断を尊重する」立場を取りつつ、国際法違反となるため、「間をとって」民間募金の形をとる、もしくは韓国政府が設立する財団に日本政府、被告企業らが賠償資金を拠出するシナリオを描いているのかもしれませんが、日本国内の強い反発を受け、日本政府がこのシナリオ通りに沿って進むとも考えにくいのが現状です。

安倍総理も、10月30日の判決を受けて「今般の判決は国際法に照らしてありえない判断。日本政府としては毅然と対応してまいります。」と明言しています。

そして29日、三菱重工にも賠償命令

10月30日の新日鉄の敗訴後、日本では残る三菱重工への判決が注目されてきました。新日鉄住金が賠償命令を受けた以上、公算としては三菱重工にも賠償命令が下されるというのが有力でした。

29日、新日鉄住金と同様やはり三菱重工にも賠償命令が下されました。韓国大法院は元徴用工と元女子勤労挺身隊員の同社に対する請求権は失われていないとして、それぞれに8千万~1億5万ウォン(800万~1500万円)を支払うよう三菱重工に命じました。

10月30日の判決に対し日本政府は、安倍総理を中心に毅然と対応する旨を明らかにしましたが、今回の判決を受け改めて日本政府の対応が注目されます。

民間で懸念されるのは両国間の市場の冷え込み

一方、今回の徴用工をめぐる問題を受けて民間で懸念されるのは、韓国における日本製品不買、日本における韓国製品の不買、旅行、インバウンド市場の冷え込みです。

政府間の対立によって市場が冷え込むという事例は、2017年4月に韓国がアメリカの最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を配備したことを受けて、中国市場での現代自動車が販売に苦戦したこと、配備を巡る対立から中国政府が3月15日から韓国への団体旅行を禁止したことが理由で韓国を訪れる中国人観光客が40%減少するなどの問題が起きたことが記憶に新しいわけですが、同様の事例が日本と韓国の間でも発生する恐れがあります。この問題が果たしてどのような結末を迎えるのか、インバウンド業界としても注視が必要でしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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