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もはや基礎知識「旅マエ・旅ナカ・旅アト」をおさらいしよう
もはやインバウンドビジネスにおいて最重要キーワードともなった「旅マエ・旅ナカ・旅アト」という用語。弊メディア「訪日ラボ」でも、折に触れて何度も登場する用語です。しかし、あまりに当然のように使われるので、それぞれの用語の意味や、なぜこれらが重要なのかを「なんとなく」でしか理解できていない担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、この「旅マエ・旅ナカ・旅アト」について、あらためておさらいしながら、2019年のラグビーW杯や2020年の東京五輪というビッグイベントに向けて、小売店は何をしたら良いのかを解説していきます。
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「旅マエ・旅ナカ・旅アト」=訪日外国人のカスタマージャーニー
「旅マエ・旅ナカ・旅アト」とは、訪日外国人のカスタマージャーニーを訪日前(旅マエ)、旅行中(旅ナカ)、帰国後(旅アト)の3つの場面で分ける考え方です。さらに我々「訪日ラボ」では、旅マエのさらに前、「そもそもどの国に行こうか」を考える「プレ旅前」を提唱しています。
それぞれの場面で、訪日外国人の感情やモチベーション、知りたいことや接触媒体、そして決めることは異なります。そのため、業種によって、どの場面を狙うべきかが大まかに決まってくるのです。
では、それぞれのフェーズがどのようなものなのかを見ていきましょう。
「旅マエ」とは、日本に旅行することを決めた外国人観光客が、どこで何をしようかを決める場面で、ターゲットの国籍によって変わるものの、およそ旅行の3ヶ月前程度のタイミングです。「旅マエ」は更に「プレ旅マエ」に細分化することができ、これは、そもそも旅行に行くかどうか、どの国に行こうかなどを決める期間です。
「旅ナカ」は、訪日旅行中の期間で、実際に観光地を巡ったり、ショッピングを楽しんでいる旅行中の場面です。その後の帰国後が「旅アト」で、旅の思い出を口コミとして投稿したり、友達にお土産を配ったりして過ごす、帰国後1ヶ月ほどの期間を指します。
小売店は「旅マエ・旅ナカ」が勝負のとき
これらの場面のなかで、小売業が注力すべき場面は「旅マエ・旅ナカ」です。なぜなら、訪日外国人の「ものを買う」に関連する動きや感情は、この「旅マエ・旅ナカ」でしか起こらないためです。厳密に言えば、「旅アト」に越境ECでものを買う、というパターンが出てきますが、今回は日本国内の実店舗での購買行動を前提とします。
さて、「ものを買う」に密接に関連する要素を赤字でまとめたのが【図2】です。
この【図2】と後掲の【図3】をあわせて見てみると、なぜ小売業が「旅マエ・旅ナカ」に注力すべきなのかが明らかになります。
「旅マエ」は、訪日旅行中になにをしよう?を決める期間でした。この「なにをしよう?」には「なにを買おう?」も含まれます。このタイミングでは口コミサイトやSNSなどを活用し、主力商品のそもそも認知度を上げ、事前の「お買物リスト」にリスト・インされることが重要です。つまり「指名買い対策」が命題となる場面です。ここでは、「これを買いたいならこの店に行けばいい」とまで認知してもらうことも、小売業としては重要でしょう。
「旅ナカ」の訪日外国人は目に入る物から認知し、興味を持ち、買いたいという欲求までいたって初めて「ものを買う」というアクションをします。ここでは、スマホ片手に店を巡ることになるので、口コミサイトやSNSが依然重要な接点となります。そしてなにより、店頭のPOPや商品説明がわかりやすいことが重要になります。つまり、「衝動買い対策」が命題となるタイミングなのです。
インバウンドビジネスが高度化するなかで、様々なソリューションが誕生してきており、インバウンド担当者が考えなければならない領域が急速に拡大しつつあります。だからこそ、「旅マエ・旅ナカ・旅アト」を把握し整理することで、「どんな施策を、ターゲットがどのタイミングにいるときにやるべきなのか」を明確にして戦略を立てる、または「やらなくて良い施策」を明らかにすることが、今後のインバウンド対策において、より一層重要になってくるのです。
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