サイクルツーリズムは、訪日外国人観光客誘致のために作成された観光業を強化するテーマの一つです。
「自転車」を含む13のテーマで観光事業を強化するとし、訪日客の地方誘致に向けた周遊ルートを構築するため、国をあげてサイクルツーリズムに取り組む姿勢が伺えます。
全国で実施されているサイクルツーリズムの中から和歌山県・滋賀県・岐阜県飛騨市における取り組みに注目し、どのようにインバウンドの地方誘客へ繋げているのかを見ていきましょう。
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【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
和歌山県:800kmのサイクリングコースを多言語サイトでPR

和歌山県は、800kmにも渡るサイクリング推奨ルートを「WAKAYAMA800」と名付け、利便性や安全性を考慮したサイクリングロードの整備に力を入れています。
ルートは、県内全域に山・川・海を通るよう設置しました。道路に青色のラインを引くことで、できるだけ車が通らない道をサイクリストが通れるよう工夫するとともに、自動車の運転手への注意喚起の役割も果たしています。さまざまなレベルに対応したサイクリングロードの整備・利便性の高い受け入れ環境・サイクリングを活用した地域づくりの3つの観点から、新たな観光資源を創出し地域活性化へ繋げることがビジョンです。
和歌山県の多言語サイト「VISIT WAKAYAMA」は英語・繁体字・簡体字・フランス語・スペイン語・ドイツ語・タイ語・インドネシア語・日本語の全9言語に対応しているのが特徴的です。
「WAKAYAMA 800」のPRでは、英語とフランス語の紹介動画を掲載しており、アウトドアな体験を好み個人旅行が主流の欧米人を対象とし、サイクリングで訪れることができる和歌山県の壮大な自然景観や歴史的建造物、温泉などの魅力を発信しています。
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滋賀県:琵琶湖一周サイクリングでアプリをリリース/訪日客も簡単に情報収集

滋賀県が実施している「ビワイチ」は、滋賀県を象徴し日本一の大きさを誇る琵琶湖を自転車で一周する、サイクルツーリズムのプロジェクトです。琵琶湖周辺の自然や歴史、観光地など、滋賀県の魅力を満喫できるサイクリングコースを「ぐるっとびわ湖サイクルライン」と指定しています。
全長約193kmのコースは、初めて琵琶湖をサイクリングで一周する人も安心して楽しめるよう、比較的サイクリストが安全かつ快適に走れる琵琶湖周遊道路を選びました。
サイクリストの受け入れ体制の整備も進めており、スポーツバイクに対応した空気入れや自転車用工具の貸し出し、トイレの提供などを行う「サイクルサポートステーション」が、2018年10月26日現在で299施設登録されています。サポートだけでなく、地元民と国内外から訪れるサイクリストとの交流の拠点といった役割を果たすことも期待されます。
2018年4月には、スマートフォン・タブレット向けのサイクリング無料アプリ『BIWAICHI Cycling Navi』をリリースしました。英語と中国語(繁体字)にも対応しているため、訪日客の利用も可能です。
ビワイチのサイクリングコースにおいて、周辺の観光スポットや宿泊施設、飲食店などの情報が入手できるだけでなく、各スポットを周遊するルートが自由に設定可能なナビ機能も搭載しています。
ほかにも、レンタサイクルや自転車保険、走行時の注意地点、自転車を持ち込めるサイクリストに優しい宿などの便利情報も検索できるため、初めて琵琶湖でサイクリングを体験する訪日客も、安心してサイクリングを楽しめます。行政だけでなく周辺の自治体や地元民も含め、県全体で受け入れ体制を整備する姿勢が、滋賀県のサイクルツーリズムの特徴です。
岐阜県飛騨市:サイクリングで里山の日常体験/インバウンドの地方誘客に効果

岐阜県飛騨市に本社を置く株式会社美ら地球(ちゅらぼし)は、日本の田舎を目指す旅人のためのポータルサイト「SATOYAMA EXPERIENCE」を運営しています。
里山の暮らしを体験できるさまざまなアクティビティとオーダーメイドのツアーを提供しており、「HIDA SATOYAMA CYCLING」も人気のサービスの1つで、訪日客の間で注目を集めています。
いわゆる観光スポットではなく、地元民にとってはごく普通の日常こそ訪日客を魅了すると考え、飛騨古川ならではの暮らしが垣間見れるようなツアーが組まれています。
サイクリングを通じて、地元で採れた野菜が並ぶマルシェや古民家、田んぼ、農村集落など、ガイドブックには載っていない里山の日常に触れられるのがツアーの大きな醍醐味です。サイクリングはスローペースで家族連れも楽しめる構成となっており、経験豊富なガイドが案内します。
トリップアドバイザーに掲載されている全施設の約10%未満しか受賞できない「エクセレンス認証」を2017年に受賞しており、サイクリング自体はもちろんガイドによる地域の文化や歴史の説明により五感を通して楽しめると大好評です。「SATOYAMA EXPERIENCE」は、まさにサイクルツーリズムを通じた訪日客の地方誘致に成功した例であると言えるでしょう。
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サイクルツーリズムでインバウンドの地方誘客へ
2020年までに訪日客数4,000万人を目指すにあたり、サイクルツーリズムを通じた地方の魅力発信は、効果的なPR方法の1つであると言えます。コト消費の需要が高まる中、サイクリング大国と言われる台湾や、アウトドア観光を好む個人旅行が主流なヨーロッパからの訪日客のニーズにも応える”体験”となるでしょう。
「HIDA SATOYAMA CYCLING」のように、サイクリングを通して地域の何気ない日常を垣間見ることや壮大な自然景観・食を堪能し、より満足度の高い体験をしてもらうためには、自治体や民間企業、そして地元民が一丸となって訪日客の受け入れ体制を整えていくことが鍵となります。
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<参考>
- The Official Wakayama Travel Guide:VISIT WAKAYAMA公式ページ
- JNTO:Biwaichi: Cycling around Lake Biwa
- 滋賀県:ビワイチサイクルツーリズムについて
- NPO法人五環生活:びわこ一周レンタサイクル
- SATOYAMA EXPERIENCE:HIDA SATOYAMA CYCLYNG
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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