こんにちは、クロスシー編集部です。
日本でも広がる中国発ショートムービーアプリの「TikTok」ですが、中国版の「Douyin」(抖音)では、日本版とは異なりECへのリンクも開始されています。前半では中国版TikTokにおけるインフルエンサーランキングを紹介し、後半ではその機能を紹介します。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
TikTok最新のユーザー動向とインフルエンサーTOP10 ~男性&地方都市の比率が上昇~
まずは現在のTikTokのユーザー数等のデータを確認してみましょう。10月に中国のビッグデータ分析大手のMiaozhenと海馬雲ビッグデータが共同で出した「2018TikTokレポート」によれば、2018年10月現在でTikTokの全世界ユーザー数は5億超、DAUは1.5億、MAUは3億であり、現在最も人気のショートムービープラットフォームであることが伝えられています。※DAU=デイリーアクティブユーザー、MAU=マンスリーアクティブユーザー
このレポートでは中国の主要なショートムービーサービスの「美拍」「火山」「秒拍」「快手」と話題性とユーザー数を総合した指数で比較したグラフが作成されています。これを見ると2017年の終わりからTikTokが一気に知名度を上げユーザーを増やしている様子がわかります。

ユーザーの構成比では、昨年よりも男女比の開きが徐々に縮まり、2018年3~5月の時点で女性:男性が59:41です。また年齢別構成比では26歳以上の比率が高まっています。居住地域では、2級都市以下の規模の小さな都市での増加が目立ちます。

インフルエンサートップ3、上位に「猫」がランクイン
一方で、ユーザーに注目される情報の発信者は21~25歳の北京在住のユーザーに多いことがわかっています。実際にはどのようなクリエイターの作品が多く見られているのでしょうか?APIによりTikTokのデータを利用し、人気コンテンツなどのランキング等を紹介している「TooBigData」より、12月17日時点のKOL(インフルエンサー)ランキングを紹介します。

1位「陳赫」、2位「Dear迪丽热巴」、3位は「❤会说话的刘二豆❤」…と続きます。ファン数は1位、2位は4800万超、3位~5位が4000万超、5位以上はすべて獲得した「いいね」の数が1億を超えており、最も多いものでは3.6億にも達しています。
それぞれどんなアカウントなのか、上位3者を簡単に紹介しましょう。
陳赫は福建省出身、85年生まれの俳優で、ラブコメディ「愛情公寓」シリーズへの出演でその名を知られています。映画監督のチェン・カイコーの親戚です。
2位のDear迪丽热巴(英語名:Dilraba)は92年生まれ、現在26歳の女優・モデルです。ウルムチ出身のウイグル族で、そのビジュアルは中央アジアの民族らしい目鼻立ちのはっきりした美女として知られています。先日の物議をかもした「ドルチェ&ガッバーナ」のアジア太平洋地区の専属モデルでしたが、この事件を受け即日契約を解除したことでも改めて注目を集めた人物でもあります。
3位の「話ができる猫さん」は、2匹のスコティッシュフォールドを登場させ、アテレコでお笑いを構成します。動物、とくに猫のウケが良いのは、日本も中国も変わらぬネットの常識となりつつあるようです。

タオバオ、Tmallへのリンク機能が一般ユーザーへも提供開始される
中国版TikTokでは3月からECサイト「タオバオ」との提携が進んでいました。3月の時点では、アパレルをメインに、メイクアップ化粧品、楽器、文具、デジタル用品、テーブルウェアや調理器具がTikTokにおける広告を利用し、売上拡大に成功しています。
その後、TikTokユーザーの画面にタオバオへのリンクを設定する「ショッピングカート機能」が6月より試験的に導入されています。この試験期間はTikTokで100万以上のフォロワーを持つ「視頻達人」(視頻はビデオの意味)のステイタスが条件となっていました。
タオバオのショッピングカート機能の利用申請をし、設定を完了するとタオバオの商品がTikTok上で表示されるようになります。12月までの半年間で6万人以上のインフルエンサーにこの機能が実装されていたといいます。

そして今月、このショッピングカート機能が一般ユーザーにも開放されたとのニュースが公式に発表されました。フォロワー8,000以上の実名認証を完了したアカウントで、10件以上の動画の公開が完了している場合に利用申請ができると言われています。
一方で、この手順を実際に確認したユーザーの動画では「条件:フォロワー3,000以上」の表示があり、条件は日々調整されていることが考えられます。
TikTokからリンクする先はタオバオまたはTmall(天猫)です。申請が受理されると、これらのECにリンクするメニューとして、個人のページに「商品ウィンドウ」「ビデオショッピング」「ライブショッピング」の3つの機能が出現します。

TikTok、日本での秋冬広報戦略も前のめり
TikTokを運営するバイトダンスは、大型の非上場企業「ユニコーン」として注目が集まっています。11月にはソフトバンクグループのファンドを含め30億ドルの資金を調達、その企業価値は750億ドル(8兆4千億円)とも言われています。12月には日本でも上戸彩さんを起用したテレビシーエムが放映されているほか、11月には各大学での学園祭のスポンサーにつくなど、その広告及びPRの手腕も非常に洗練されている印象です。日本も重点市場としてとらえているというTikTokは、日本における広告事業の展開にも力を入れています。

まとめ ~実装されたEC機能で地方ユーザーの消費を変えていく~
TikTokのインフルエンサーの場合、フォロワー数に比例して「いいね」数も増加するという特徴があります。Weiboの場合はフォロワーの数が多くてもリアクションの少ない有名人やKOLのアカウントも存在します。
TikTokはフォロワーのアクションが活発という傾向が見て取れます。TikTokはこうしたユーザーの利用をAIで分析し、ターゲットによりマッチさせたレコメンドを可能にしています。
TikTokショッピングカートのテストリリース期間でもあったダブルイレブン(11月11日の大型セール)には、売上8,000万元(約13億2,000万円)、350万元(約5,775万円)といった記録や、口紅10万個の販売達成といった驚異的な数字も見られました。※1人民元=16.5円で換算
ユーザー層の地方への拡大も見られる中、今後ますますTikTok内でのEC利用が広がっていくことも考えられます。「ショートムービーコマース」という新しいECの手法が確立される可能性もあり、注視していくべきでしょう。
<参考>
- https://kolranking.com/
- https://www.sohu.com/a/260345559_649589
- https://www.sohu.com/a/226650649_99907785
- https://baijiahao.baidu.com/s?id=1604593714599677543&wfr=spider&for=pc
- https://baijiahao.baidu.com/s?id=1619659684227915302&wfr=spider&for=pc
- https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37409150W8A101C1MM0000/
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!